夕張岳

冷水コース〜金山コース

夕張岳山頂にて


【行程】 9/28(土)雨 [札幌12:00=(車)=清水沢(大夕張鉄道見学)==林道ゲート16:25/16:30−夕張岳ヒュッテ16:40]
9/29(日)小雨 [ヒュッテ6:15−冷水ノ沢7:17−石原平8:06−男岩9:12−金山分岐10:00−夕張岳10:20/10:27−金山分岐先10:40/11:00−小夕張岳12:35−登山口まで2.25Km13:47−登山口14:50/15:35==清水沢17:35/17:50==札幌19:35]
【メンバー】 隊長、Fさん、Aさん、ユウパリコザクラの会10名


大夕張鉄道の保存車両○北海道の山を縦走したいのに交通手段がなく悩んでいた隊長ですが、夕張岳をシューパロ側から金山に縦走する企画があると紹介されて参加することにします。主催は「ユウパリコザクラの会」で夕張岳の高山植物の保護に取り組んでいる団体です。土曜日の昼に札幌を発ち清水沢で大夕張鉄道跡を見学してから夕張岳ヒュッテに向かいます。

○宴もたけなわ事務局長からの高山植物の保護に半生を賭けた人々の物語には感動のあまり声もありません。斜陽炭坑の街に大手資本スキー場開発の話が持ち込まれます、立ちあがる少数の保護派と地域活性化を叫ぶ金権派との街を割る対決。盗掘団を現場で捕らえても送検されないもどかしさ、地元の夕張市が頼りにならずアポイとの連携で全道に盗掘ネットワークを張る地道な活動。夕張岳の自然をこよなく愛する市民たちの長く辛い闘い。おおっ!これぞまさしくプロジェクトXの世界じゃありませんか。

石原平から紅葉の姫岳 ○感動の大宴会から一夜明ければ二日酔いの頭痛が(情なぁ〜)夜半の豪雨と突風は収まり生暖かいガスのなか出発します、冷水沢コースは歩き易い道で紅葉に染まる斜面を快調なペースで登って行きます。馬ノ背コースと合流し少し登ると石原平で姫岳の絶好の展望台です、紅葉に包まれた山々は我々を優しく迎えてくれているようです。

○変化に富んだ登山道は岩峰を縫いながら、湿原を渡り蛇紋岩のザレ場を通過します、季節にはさぞかし沢山の高山植物に覆われ花の競演が楽しめることでしょう。この豊な自然を次の世代に残すことが我々の責務だとあらためて心に誓います・・・本日は真面目モードの隊長でした(森林パトロールの腕章の所為かもしれませんね)

○山頂に近づくにつれて雨がうるさくなりカッパを着ます、これ以上天候が悪化したら山頂を諦めなければなりません、祈るような気持ちで黙々と歩きます。金山分岐に着くと案に相違して風は無く6名のアタック隊が編成されます、ベテランリーダーのもと無事山頂に立つことが出来ました。交わされる堅い握手にこみ上げる歓喜、一時は登頂を諦めていたので嬉しさもひとしおです。

お花畑には熊の掘り返し跡が!○下りは金山コースです、あまり登山者がありませんが整備された道は多少の滑りやすさを除いて通過に問題ありません。しかしヒグマの掘り返しや薪割の跡も生々しく登山隊に緊張感が高まります、恐いので呼子を鳴らしながら進みました。ところが若干一名だけは能天気な高笑い、何時しか呼子の音もかき消され、これじゃ熊は近づくまいと皆に安心感を与えてくれました(Aさんありがとう)

○5年前に設置した道標を補修しながら緩々と下りますが、熊の悪戯で外れたものもありました。小夕張岳の登りは疲れた脚には少々厳しいものがあり、汗まみれで登り切ると山頂に倒れこみます。この先の下りにとんでもない物が、なんとプラスチックの鎖が難所に垂れ下がっています、こんな代物に命を賭ける積りは毛頭ありません。今にもプッツンと切れそうな弱々しい鎖です、皆さんも気をつけましょう。

金山登山口にて盗掘防止パトロールの旗が厳しい○最後の2Kmの長いことと言ったら、冷えた為か膝が痛くなり皆さんに付いて行くのが精一杯でした(脂汗タラタラ)林道に出ると迎えのマイクロバスが見えました、クーラーボックスからは冷えた飲み物が出てきます『ああ感謝感激ありがたや』//このシーズン山のなかで会ったのは九州からの単独行一人だけの寂しい山旅でした(折角の腕章が・・残念です)

ありゃりゃ、ダブルタイヤの間に大石が!○さあ出発、ところがガタンゴトンと後輪に違和感が?なんとダブルタイヤの間に大石が挟まっています、梃子でもビクともせずホイールカバーを外すレンチも見当たりません。途方に暮れる登山隊でしたが、次々にアイデアが飛び出します、道路脇の木にワイヤーを掛け車の力で石を外します、二回目のチャレンジでようやく危機を脱しました(隊長は見ているだけで何の力にもなれませんでしたが凄い人たちです)

○今回は夕張岳を縦走する企画に飛びついた隊長でしたが、「ユウパリコザクラの会」の皆さんの自然を愛する心に触れることが出来たのは貴重な体験でした。生憎の天気で夕張岳の展望はありませんでしたが、他では得られない温かいハートを持ちかえることができ大満足の山行となりました。




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