2002年の一名山
ニペソツ山
天狗岳からニペソツ山を望む
【行程】 6/29(土)晴れ [札幌18:30=(ライラック19号)=旭川20:00/20:32=(JR)=上川21:42/22:00=(車)=杉沢登山口23:15]
6/30(日)晴れ[登山口6:00−天狗のコル7:54−前天狗9:00/9:15−ニペソツ山10:40/12:08−前天狗13:25/13:40−岩場14:35−登山口15:53/16:05=(車)=黒岳の湯17:05/18:33==札幌21:15]【メンバー】 隊長、S木、W山、K池、I、K塩、T田、U田、Y下、M山夫妻、W瀬
○深田久弥も百名山に選定しなかったことを深く悔いていたという、道内岳人憧れのニペソツ山で北海道の山MLオフミが開催されました。健脚向きというハードルは利尻岳トライアルで何とかクリアしたものの、土曜日の夕刻まで入った仕事には勝てません、泣く泣く参加を諦めた隊長でした(怨念の魂だけが山頂付近をさ迷うところでした)ところがMLに「日曜はニペだ」の一文が!図々しくもK池さんにDMを送り便乗をお願いしました。
○早朝の登山口に数台の車が土埃を立てて殺到します、後部座席に知人を認めると思わず埃だらけの窓ガラスに顔を寄せドアを叩く隊長、何かしらと振向き驚愕のIさん・・涙の再会劇は無事終了です。オフミ登山隊はS木さんをリーダーにサブリにW山さん、若手のM山夫妻の外にHYMLの自称健脚8名と超豪華メンバーです。
○丸木橋で沢を渡り尾根に取り付きます、暫くトドマツの樹林帯を登るとやがて笹の中の道が続きます、快調なピッチは朝一にしては少々辛い(健脚を自称した手前弱音は吐けぬ登山隊)岩場のトラバースに一瞬緊張しますが難なく越えると天狗のコルです、数張りのテントがありましたが雪が無いと水の確保が難しそうです。
○やがて這松帯を抜けると景色の良いガレ場に出ます、ここからは黒緑に輝く石狩岳が目前に広がり、左奥には雪を多く残した大雪の山々がトムラウシを頂点に展開しています。暫し休憩し甘いものを皆さんから貰い(行動食は不要?)元気回復です。ところがこの辺りから帰ろうと心の中で考えていた人がいたり、乳酸の増加に悩んでいる人がいたりと、人数が多いと思いもよらぬ体調のメンバーがいるものです(大別すると寝不足2名と二日酔い10名)
○ようやく前天狗に着きますと眼に飛び込んで来る信じられない光景!周囲を圧倒する迫力でニペソツ山が聳えたっています。青空を背景に黒々としたピラミダルな岩山は更に天を突く頂を冠し、山頂付近まで続く急峻な岩壁は白く輝く雪渓を幾筋も擁して、容易に人を寄せ付けない厳しい山容です。息の上がる登山隊はこの驚くべき登山対象に言葉を失い、前途の行程の険しさに暗然といたします。
○それでも登頂意欲旺盛な登山隊は、お疲れの出た2人とリーダーを残して山頂を目指します。気持ちの良い岩稜ですが天狗岳から大きく下り、登り返すのはやはり大変なアルバイトでした。痩尾根を辿れば可憐な高山植物が色鮮やかな花々を競い合い疲れた身体を癒します、最後は北の肩からトラバース気味に頂上に辿り着きます。360度の大眺望は我々の為にあったのかと思わせるタイミングの良さで、周囲の山々にかかる薄い雲が次々に晴れてゆきます。隊長は憧れのピークから眺められる北海道の名山たちに、いつか必ず訪れることを心の中で誓うのでした。
○やはりあの噂は本当でした。計画書を見せられた時に『山頂でジンギスカン』の文字に目が点、これは冗談に違いないって(卑しくも秘峰ニペソツでっせ)心配性の隊長はパンを多量に持参したのです。ところが世間の非常識はHYMLでは常識だったのです、目の前で組み立てられるジンギスカンセット、次々にザックから出てくる肉、野菜、ウドン、ビール、漬物・・・やがて山頂を制圧する煙と臭い。ほどよく肉が焼けたところに遅れて全員到着、酒池肉林の大宴会が繰り広げられたのでした。
○山頂直下の下りは直登ルートを取ります、ザレた急傾斜の道は気が抜けません、杖を突きながら一歩一歩慎重に下ります(巻道を通れば良かったと内心反省しつつ)ところが後ろのT田さんは杖も無いのに涼しい笑顔、まるで猫のようにしなやかな身のこなしで軽々と難所を突破して来ます。羨望の眼差しで見とれていますとステンと尻餅をつきました『やはり只者ではない』と納得する隊長。
○前天狗でニペソツに別れを告げ、ゴミを拾いながら下ります(大半は前方で拾われ大物は一つだけGET)下るにつれて気温も上がり汗が噴出しますが、登山口の沢で顔を洗えば生き返りました。黒岳の湯(600円)に立寄り汗を流して疲れも吹っ飛びます、帰るなりテレビのスイッチを入れるとブラジルの決勝ゴールでした・・