空沼岳・札幌岳

空沼岳〜札幌岳

雪雲に霞む空沼岳


【行程】 5/26(日)曇りのち時々雨、霰 [真駒内6:51=(タクシー3480円)=登山口7:14−万計沼8:41−真簾沼9:22−空沼岳10:12/10:25−ヒョウタン沼11:29−札幌岳13:05/13:18−冷水小屋14:12−登山口15:12−豊平峡温泉15:40/17:05=(タクシー750円)=定山渓車庫前17:09=(じょうてつバス)=札幌18:25]
【メンバー】 隊長


静かな万計沼 ○棒振り魔人の呪いにかかり山から遠ざかっていたのですが、日曜日に暇ができたのですかさず出撃いたします。幸い天気は回復に向かうようですから初夏バージョンの服装にて家を出たのでした。北海道の山は公共交通が少なく交通手段に難がありますが、札幌近郊の山は工夫すればなんとかなりそうです、人気の縦走コースを取ることにいたします。
 
○空沼岳登山口からは気持ちの良い原生林の山道です、小鳥の囀りを聞きながら徐々に高度を上げて行きます。沢を渡り結構な水量で流れ落ちる滝の横を登ると、眼前に万計沼が静かな佇まいで現れます、湖面には周囲の針葉樹林が影を落とし残雪が新緑にアクセントをつけます。

○真簾沼の手前から雪道となり、おまけに雨もパラつき嫌な雰囲気となりますが、それを吹き飛ばすようにグングン高度を稼ぎます。稜線までの急登をキックステップで辿る頃には雨も上がり、独り占めの山頂からは微かに展望らしきものも得られました。さて濡れた衣服と貧弱装備に不安を抱きつつ天候の回復に期待して縦走路に足を踏み出します。

縦走路の稜線から空沼岳を振り返る○始めは稜線の東側にある雪の上をシュプールに沿って歩いて行きます、すると突然日が差してきて雪の反射で眩しい世界となりました。周りを見渡せばいつしか青空のもと雪の残った山々が遠望されます、振り向けば空沼岳が稜線上にチョコンと顔を出しています。

○道は次第に厳しくなり笹との格闘が始まりました、笹藪を抜けると北面は雪の急斜面です、下を向いてハァハァと息を弾ませステップを切って登ります。ところが俄かにかき曇り霰が降り出しました、ようやく辿りついたピークからは前方の雲の中に札幌岳が薄っすらと眺められます。振り向くと池が?ヒョウタン池でしょうか、地図と一致しません。

○ところが萎えた心には冷静な判断力はございません『ガイドブックの道は間違っている』というお粗末な結論が導かれてしまいました(嗚呼、情けなぁ〜)「取りあえずそう言う事にして前進だー」しばらく歩くと小さなヒョウタン池が縦走路に現れました、すると先程の池は?真簾沼だったのです、道理で大きいはずです。

○ここで本日の縦走路で初めて人に出会いました、万計沼から札幌岳を往復だそうです、こちらはお気軽縦走です。しかし人気のコースが聞いて呆れる寂しさです、道は笹が生い茂り、雨も加わり身も心もボロボロでした、こんな時には人に会うのも良いものですね。

1197pから札幌岳 ○札幌岳への最後の急坂は歯を食いしばって登りますが、冷風とともに霰が襲い掛かってきます。荒天の山頂はやはり誰もいません、目を凝らして縦走路を眺めていますと気のせいかガスが薄くなったようです、粘ること10分で一瞬ガスが切れ四方の山々が視界に飛び込んできました。この幸運もカメラを出した時には終了でした、しっかりと瞼に焼き付け山頂を後にいたします。

○ここからは極端に道が良くなりますが天候は悪化の一途です、急坂を下っていると霰がドンドン降り注ぎ、周りの笹薮に落ちる音は滝のようです。足元は見る見るうちに真っ白に変わり山路は濁流の通り道となります。こんな天気なのに登ってくる完全装備の物好きが一人、道の端を流れに入らないように伝っています。靴の中で足が泳いでいる隊長は放心状態のまま泥水の流れをバシャバシャと進みます『馬鹿な男だ、いずれ主もこうなるものを』

○冷水小屋からは傾斜も緩くなり森林浴を楽しみながらゆっくりと下ります、美しい森林の中の散歩道は隊長の心を蘇らせます。登山口から半時間で豊平峡温泉です、源泉100%ですが料金が1000円と高く混んでいるのでちょっと評価は落ちます。でも冷え切って疲れた身体に温泉は効きました。それにしても本日は人気の縦走コースにしてはきつかった、天気も急変し北海道を甘くみたらアカンとの警鐘となりました(ガイドブックを良く見たら人気の二山を結ぶ縦走路でした)



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