雌阿寒岳

雌阿寒岳・阿寒富士

阿寒富士から雌阿寒岳を望む


【行程】 5/10(金)曇り [札幌23:30=(スターライト釧路)=]
5/11(土)曇り [釧路5:52/7:50=(レンタカー)=野中温泉9:20/9:25−五合目10:15−雌阿寒岳11:00/11:10−分岐11:20−阿寒富士11:46/11:51−分岐12:06−五合目12:31−オンネトー13:07−野中温泉14:00/14:40=巾着山へ]
【メンバー】 隊長


火口壁から白い噴煙があがる(赤沼) ○3年前の北海道ツアーでは登山禁止で涙を飲んだ雌阿寒岳でしたが、規制解除との報に接し早速まいります。札幌からは夜行バスで釧路まで行きレンタカーを利用してのお手軽企画です(しかし両夜行とは・・)夏山ハイカーである隊長の転勤を祝うかのように今年の北海道は例年に無く雪解けが早く、山が呼んでいる状態です(お待たせしては申し訳ない)
 
○野中温泉登山口からはエゾマツの原生林を登ります、木の根が階段状になり体力に任せてグングン高度を上げて行きます。3合目からは這松のなかの道ですが両側のバッサリと刈り取られた松の枝は無残でした。羅臼岳でも感じたことですが道を整備する思想が間違っているのでは、多少の歩きにくさも原始性を残す北海道の山に来たら我慢できるのではないでしょうか・・心を痛めながら先に進みます。

山頂にて ○五合目辺りからは岩稜地帯です、振り返れば緑の原始林が山裾に広がり雪を詰めたまだ若い沢が所々に白い筋を引いています。『ああ、こんなにも美しい景色だったのか』3年前にガスの雄阿寒岳から垣間見た荒涼とした印象とは大違いです。道は9合目まで一気に登ります、下ってくる二人連れの「向こう側の景色に感動した」との言葉に励まされ、疲れの出始めた脚にムチが入ります。

○ジェット機のエンジンを思わせる轟音と白い噴気が火口壁から立ち上る様は活きている火山を実感させます。硫黄の匂いに怯えつつも強い風に救われ山頂を目指します。カップルがいるだけの静かなピークでした、百名山人気もちょっと時期を外せばこのようです、地元ならではの機動性発揮でした。ところが「札幌から来た」といったら驚かれ隊長は絶句・・全国的に人気の山なんですよ。

山頂から阿寒富士と青沼 ○時間も早いのでザレた道をオンネトー方面に火口を半周しながら下ります、前方の阿寒富士が次第に圧し掛かるように存在感を高めてきます。分岐から山頂を目指し直登しますがザクザクの火山は隊長の足を捕らえます、一歩一歩ストックにすがりながら強引に身体を前に進める作業を繰り返します。冷たい風のなかで大汗をかきながら山頂に辿りつきました、呼吸が苦しいって、それはスピード違反でっせ。この一等三角点からの展望がまた素晴らしい、白い噴煙を上げる爆裂火口を頂く雌阿寒岳が大きな存在感で隣に鎮座しています(先に登っておいて良かった)

○オンネトーコースは五合目から二合目にかけて雪が少し残りますが気温が高く問題ありません。こちらの道はあまり手が入っておらず両側から生い茂る這松が隊長の行く手を阻むような気持ちの良い環境ですが、ピンクのテープがベタベタと雰囲気を壊します。

こんな所に水芭蕉の群落が! ○オンネトーから車道はパスし湖岸を伝い野中温泉に至る散策の道をとります、青い湖面に不思議を感じながら静かな山の中に入ります。この時期は誰も歩かない道のようで雰囲気はありますが少々寂しいものです、熊に怯えながら雪で途切れがちな踏み跡を辿ります(テープが懐かしい)野中温泉の手前には水芭蕉の群落があり、思いもよらない可憐な白い花の歓迎に疲れも吹き飛びました。

○野中温泉には宿が三軒ありますが「正しい温泉」に目覚めた隊長は躊躇無く一番鄙びた宿に向かいます。やはり勘は大当たり、源泉が流れっぱなしの風呂からは硫黄の臭いが強烈に上ってきます、誰もいない木の湯船に沈み「ごくらく、極楽じゃぁ」洗い場にはシャワー、水道の影も形もありません、沢の水を引いてあるだけでした。こんな素晴らしい温泉がたったの200円ですって涙が出そうな嬉しさです。



2002年の記録へ

百名山の記録へ