上武国境
赤岩峠〜天丸山〜帳付山〜南天山
1510pより帳付山、倉門山、大山
【行程】 12/5(日)曇り時々晴れ[たまプラーザ23:25=三軒茶屋0:00=練馬IC0:49=花園IC1:30=小倉沢(仮眠)3:21/5:35−赤岩峠6:43/7:02−雁掛峠7:25−1443p7:52−1510p8:40−六助9:08−大山分岐10:10−大山10:28−倉門山11:00−天丸山分岐11:08−天丸山11:21−分岐11:42−馬道のコル11:55−帳付山前p12:30/12:55−帳付山13:25−ブドー沢の頭14:52−滝谷山15:52−1562p17:02−1550p17:42(彷徨)18:37−1538p19:12(不時露営)]
12/6(月)快晴[1538p7:00−峠7:52−南天山8:16/8:35−西ノ肩8:46−沢出合9:35−広河原沢10:16−林道10:38−大黒11:06−小倉沢11:35/11:48=観音蕎麦=いこいの村=花園IC15:50=練馬IC16:35=三軒茶屋17:25=たまプラーザ18:25]【メンバー】 隊長、林道の鴉天狗、シェルパ1号
第1部 激登編(赤岩峠〜帳付山〜滝谷山)
○この春に品川の怪しげな居酒屋で隣に座ったおじさん(西上州の大ベテラン)が話し掛けて来ました。「赤岩峠からこうやってグルッと南天山まで周遊出来るんですよ」「・・・・・」まだまだヒヨッ子の隊長は大先輩に返す適当な言葉が見当たりません。だってエアリアには長〜い赤の破線が続いているんです、当時の登山隊の実力ではちょっと難しいコースです。しかし無言の中にも闘志を掻きたてられた隊長は密かに挑戦の機会を伺っていたのでした。(悪魔の囁きって魅力的ですねぇ)
○この付近は10月の集中豪雨で道路がかなり被害を受けています、R299は片側通行が何箇所かありましたし、八丁林道は路肩が崩壊していて通行にかなり神経を使いました。本日は長丁場なので小倉沢を暗いうちに出発しますが、5月に赤岩峠まで登っているので道もわかり安心です。ところが途中の新しい崖崩れの跡で作業道に続く踏み跡に迷い込んでしまいました。戻るのも面倒なのでガレ場から植林帯を直登しますが、次第に急になる傾斜に悪戦苦闘が始まります。赤岩峠に着いたときにはもう息が上がってしまいました、ここで朝食としますが食欲の無いまま無理矢理腹に詰め込みます。
○いよいよ県界尾根の縦走です、登るにつれて背後の赤岩岳が大きく迫ってくるようです。大ナゲシへの良く踏まれた巻き道を右に分け落ち葉の中を黒木立へ直登します、下りでは南へ伸びる支尾根へ誤って入らないように注意がいります。雁掛峠は笹が生い茂り道祖神が寂しく置き去りにされています、上州と武州を結ぶ峠道が生活の道として存在していた往時が偲ばれます。
○笹が少々煩くなってきましたが快調にピークを越えて行きます、1510pの登りは急な岩場となり手掛かりを求めてテープを探し回ることが再三でした。振り向けば大ナゲシの天を突くような景観が素晴らしく疲れも吹き飛んでしまいます。ピークからは強引に西に向かいます、急坂を転がるように下りますが防火帯で尾根上が刈り払われているので楽ちんです。
○六助(最低鞍部)からは南と北から林道が近づいてくるのが眺められます、群馬県側の方が元気が良いようですが静かな峠を林道が跨ぐのは勘弁して欲しいものです。ひと登りで1545pで、ここからは痩せた岩稜の通過となります。展望はすこぶる良いのですが足元に気を付けないとトンデモナイことになってしまいます。倉門山から大山へは鞍部まで下りてから登り返します。「きゃーきゃー」という奇声が岩峰の上から聞こえてきます、悪い予感がしましたが、よじ登った山頂にはおばさん4人組みがいらっしゃいました。とにかく遮るもののない大展望ですから嬌声は普く周囲に響き渡る訳です。(でもピリカラ田楽をもらったから悪口は言えません)
○稜線に戻り暫く行くと天丸山への分岐に出ます、天丸山は山火事で登山注意となっていますが、登った人の報告では危険は少ないようですので挑戦してみましょう。岩峰の基部までは笹が煩いのですが良く踏まれています。基部からはテープに導かれて岩に向かいます、結構小潅木が残っているので助かります、高度感もあまり無くあっけないほど簡単に登れました。山火事の結果山頂の展望は抜群で360度遮るものはありません、これから向かう帳付山の遠いこと、更にその先を考えると気が遠くなりそうです。またしても静かな山の頂きに轟き渡る奇声はさっきの4人組みでしょうか、大山の下山路付近から聞こえてきます。まったく〜
○馬道のコルからは急な登りを潅木に捉まりながら稼ぎます、次は細かい登り下りを繰り返しながら痩せた尾根を辿ります。大岩を右から巻きシャクナゲのなかを稜線に戻ると岩稜の前ピークまでもう一息です。途中で2人連れとすれ違いましたが、なんだか疲れた顔です『それほど厳しいのか』と心配になります。岩の稜線からは帳付山が真近に望まれ周囲の展望も良いので昼食とします。隊長は少々時間が気に掛かります・・・
○帳付山には思ったより楽に登れました。山頂は樹林で展望は利きませんが、西方に数メートル行くと見晴らしの良い展望台があり諏訪山の美しい姿を眺められます。さて、微妙な時間となりましたが天気も良いので前進することにしました。(大きな判断ミスです)
○山頂から少し戻った地点から苔むした広い稜線に足を踏み入れます、一歩前進しただけで今迄の道とは厳しさが全く違うのに驚ろかされました。踏み跡は消え去り、潅木は稜線上に伸び放題、笹は背丈以上に伸びて行く手を阻みます。稜線上に何回となく現れる岩峰は越えれば良いのか回れば良いのか、テープのほとんど期待できない中で的確な判断を下せる訳がありません、勢い確認に時間が掛かります。ブドー沢の頭までで歩き易かったのは1609p近辺の15分だけでした。なんとここまで1時間半も掛かってしまいました。
○さきほどと同じ思いで滝谷山まで辿りついた時にはもう4時です、到底明るいうちには下界に戻ることは出来ません。取り敢えず登山隊恒例の登頂ゼリーを食して気持ちを落ち着けてから善後策を検討します。ここから県界尾根を別れて東に向かいますが、1538pの先で南天山へ向かう稜線と南に向かう主稜線が分岐する地点がポイントとなりそうです。稜線上なので5時半から6時まではなんとかシルエットで山の形が確認できるでしょう、兎に角、先を急ぎましょう。