山急山

そして隊長は鳥になった・・・


高岩=山急山=稲村山

【行程】 11/21(日)快晴 [(高岩から)送電線鉄塔下9:03/9:10−748P9:23−稜線(五輪岩分岐)10:00−山急山10:25/10:40−東峰10:50−山急山11:00−五輪岩分岐11:20−五輪岩11:25−748P12:04−駐車場12:16/12:23(稲村山へ)]
【メンバー】 隊長、林道の鴉天狗

○高岩で十二分にウオーミングアップした登山隊は山急山へと向かいます、バイパスが高速の陸橋をくぐる手前から右に入り少し登ってから舗装の分岐を右に入ります。ここからは道の両側から木々の枝が被さりこれでもかと車両を痛めつけます、『カリブの海賊みたい』人の車だからってノンキな鴉天狗。この間500Mぐらいなので車が可愛い人は徒歩をお薦めします、送電線の鉄塔の下で道は行き止まりで2台ぐらい駐車可能です。

○登山道は鉄塔の上で巡回路から離れ左手の尾根を登ります(趣味の悪い道標あり)少し登ると748Mのピークに出ます、エアリアの道とは少し違います。少し下って登り返したところが五輪岩の基部になります。ここから左に岩場を回り込み、支尾根を2本ほど乗越し急なザレた崩れ易い道を這い登ると五輪岩の稜線に出ます。右に行くと五輪岩、山頂は左に向かいます。岩場をもう一度左に下り気味に巻いて行きます、落ち葉のなか足場の悪いトラバースを続けると道標に導かれ登りの開始です。

山急山の山頂にて(趣味の悪い道標)
○ほんの少しの急登で稜線の西端に出ます、ここからは本格的な西上州痩せ尾根登りの始まりです。赤岩尾根以来の血の騒ぐ登りでしたが、残念ながら緊張は一箇所だけであとは簡単です。(急登には20Mぐらいのトラロープも用意されていました)山頂は低いカヤトで展望が完全ではありませんが、少し東側に絶好の展望台があります。ここからは西上州の山々と五輪岩が良く眺められます。

○ところが目の前にオベリスク風の岩峰が立ちはだかっているじゃありませんか。うーん、これは聞いていないぞ。良く見ると岩の基部まで踏み跡らしきものが続いています、これを見逃す隊長ではありません。幸い天気も良いし時間もある、ここはひとつチャレンジしてみましょう。なんとか岩の直下までは来たもののあと10Mぐらいは手掛かりも少なくちょっと無理です。取り敢えず記念写真に収まりますが、諦めきれない隊長です。

○すると突然、裏に回って見ようなんて考えが浮かびます。オーッなんと裏からは中段までの足掛かりが得られました、ここで再び行き詰まる隊長。こんどは岩場を表にトラバースするとピークへのルートが現れたのでした。開聞岳と同じようにオベリスクを一周しながら登りきったのです。狭い岩峰の上に立ち両手を広げると鳥になった・・・(やだなぁ、タイタニックの見過ぎちゃう)

○山頂からの下りは切れ落ちた岩場を慎重に通過すると、トラロープに捉まりながら崩れそうな足場をズリ降ります。岩場をトラバースしていると支尾根の向こうから『ザーッ、ザーッ』という落ち葉を踏む音が、近ごろ熊が出るなどと言う話を聞いているのでビビる隊長です。何と夫婦連れが。唖然、何たる物好き!こんなマイナーな山に登りにくるなんてー(と自分のことは棚にあげて)

五輪岩から山急山の山頂を望む
○帰りには五輪岩に立ち寄ります。コルからは尾根を忠実に辿り100Mほどで右の尾根に入ります。枯れ木があるのでそれ程ではありませんが、少し覗き込むと物凄い高度感です。五輪岩からは山急山の山頂付近にある台形の岩場がコンパクトカメラのファインダー一杯に広がります。山頂の右側には隊長の征服した東峰が認められます、鴉天狗はこの偉業を称えて『隊長ピーク』と命名してくれました。(勝手に命名するなっちゅうの)

○コルからは落ち葉のなかをズリ落ちながら下りますが落石が起き易く、他の登山者を見ただけに慎重にならざるを得ません。いやぁ道なき道を歩く醍醐味はまた格別です、でもちょっとテープの類が多すぎて折角のルートファインディングの楽しさは半減でした。駐車場に戻ると我々の車だけです、先ほどの夫婦連れの車は賢明にも分岐から50Mの所に停めてありました。さて次の目的地は稲村山です。

この報告はわたしの一名山に掲載されました。

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