鳳凰山

賽の河原から地蔵岳オベリスク


【行程】 9/17(金)曇り[新宿23:55=(アルプス)=]
9/18(土)
快晴のち曇り[=甲府2:08/2:17=(タクシー)=夜叉神峠入口2:58/3:10−夜叉神峠4:10/4:27−杖立峠5:42−山火事跡6:25−苺平7:02−南御室小屋7:24/7:34−薬師小屋8:28−薬師岳8:35/8:45−観音岳9:08/9:35−賽ノ河原10:18−オベリスク基部10:35/10:50−賽ノ河原11:00/11:50−鳳凰小屋12:12(泊り)]
9/19(日)
晴れのち曇り[鳳凰小屋6:43−五色滝7:20−白糸滝7:48−鳳凰の滝8:23−南精進ヶ滝9:01−川添い道分岐9:45−青木鉱泉10:14/12:30=(山梨中央交通バス)=韮崎13:45/13:58=(あずさ62号)=新宿15:36]
【メンバー】 隊長、林道の鴉天狗、シェルパ1号


○いよいよ鴉天狗が百名山完登ということで、登山隊ではお祝いの山行をすることになりました。とにかく皆が行き易い山を残しておくのがお祝いをしてもらえる条件です、そうでないと一人寂しく孤島で完登を迎えることになってしまいます。隊長は鳳凰山には2度登っていますが相棒のお祝いですから久し振りに燃えました。(でも結果は不完全燃焼です〜)

○甲府からタクシーで夜叉神峠入口についたのは3時です、空を見上げると満天の星空でしたので天気の良いうちにと懐電片手に出発します。仮眠を取り上げられたメンバーからのブーイングを抑えてのスタートとなりました。樹林のなかを広い道を登りつめると夜叉神峠です、ベンチで朝食にしますが暗いのでまるで食べた気がしません。

観音岳から北岳を望む
○南御室小屋からまさかの急登を一気に駆け上がると稜線の『ガマの岩』に到着です、目の前に白峰三山がワイドに展開し素晴らしい眺めです。ここからは白い砂と緑の這松のプロムナードを夢心地で薬師岳の山頂に向かいます。薬師岳からは北岳のピラミダルな雄姿を中心に千丈岳から荒川岳、赤石岳まで南アルプスの展望台の名に恥じない大パノラマでした。

百名山完登の儀式
○観音岳ではいよいよ百名山完登の儀式の始まりです、何事かと見守る登山者を前に颯爽とたすき姿で登場です(選挙運動みたい)隊長の友情フラッグも加わるとまるで漫画ですが、本人は満足しているようなので、まあいいか。厳かに写真を撮るとゼリーを食して登頂祝いです。苦節29年間の挑戦はようやく実を結びました。(パチパチパチ)

○賽ノ河原から地蔵岳を見ると実に立派です、27年前にオベリスクのてっぺんを極めて以来の再開です。今回はMMLワッペンを着けての訪問ですので特に力が入りましたが・・・。オベリスクの基部で登り口が良くわからず裏に回りますと、なんと遭難碑が!あわてて表に戻り岩を一枚登るとチムニーにロープが垂れ下がっています。身軽なシェルパはスルスルと登ってしまいましたが、隊長は過去の記憶より遥かに厳しい現実に言葉がありません。試みにザイルにしがみついて全体重を懸けてみますと、少し先の方で伸びた芯のような物が見えるじゃありませんか。急激に萎える隊長の闘志『南無三、稲○大明神!』技術も無い、腐ったロープに命を預ける度胸も無い、無い無いづくしの君子は危うきに近寄らずでした。

○ところが馬鹿者はどこにでも居るんです、ほら、あなたの隣にも。ということで命知らずの鴉天狗がヨタヨタと登って行くではありませんか。隊長は絶句!「ええぃ、死にたい奴は人に迷惑掛けずに逝ってくれ」やはり失う物の無い者は強い、妻子の顔がちらつく隊長はとても独身の真似はできません。それにしても27年前は良く登ったなぁ、さして困難だった記憶も無いし、歳は取りたくない、ああ嫌だ。(あとで鳳凰小屋で聞いたところ昨年2回も残置ロープがプッツンしたそうです・・・ああ恐い)

○鳳凰小屋は樹林のなかの気持ちの良い環境です、ここのところお客がなかったので昼から宿泊客が3人も来て大喜びです。百名山完登と聞いて今夜は宴会と決まりました。この日は15人ほど宿泊客が来て、俄然張り切る小屋のスタッフです。キノコ採りが流行っていて採ってきた物を小屋の前で分別します、おおっマツタケが!今年は不作ですが昨年は1日に数十本も採れたそうです。早速、キノコ汁を作ってもらい登山隊もご相伴に預かります、ホッペが落ちそうなおいしさでした。

鳳凰小屋の恐怖宴会
○宴会は食事の後に炬燵を囲んで始まりました、小屋のスタッフも総出で15名ぐらい集まりました。まずは百名山完登のお祝いです、晴れがましい鴉天狗の顔は輝いていましたっけ。N里大病院ご一行の中にノリノリ看護婦さんがいて場を盛り上げますが、最後は酒乱と化し一同唖然、茫然。楽しかった宴会は一転修羅場となり『鳳凰小屋の恐怖宴会』として末永く語り次がれて行く事でしょう。(OH、テリブル)

○翌日はドンドコ沢を滝見物をしながらゆっくりと下ります、御座石鉱泉への尾根道に比べると少し荒れていますが南アらしい静かで変化に富んだ道です。途中の滝はいずれも素晴らしい迫力で、なかでもガスの掛かった鳳凰の滝は水墨画の世界でした。青木鉱泉の手前で山添いと川添いの分岐があります、廃道になっていた昔の川添いの道がダムの工事で復活したようです。途中で川に下りると無粋な砂利道となりますが時間は大幅に短縮となります。

情緒あふれる青木鉱泉
○青木鉱泉は昔ながらの建物で情緒溢れる山の宿です、ここでお風呂に入り食事にします。料金がちと高いのが気になりますが、百名山完登のお祝いの前には些少な事は飛んでいってしまいます、ついでにおアシも飛んでいきました。(入浴1100円、馬刺し5切れ1000円)どうも青木鉱泉と御座石鉱泉+鳳凰小屋との間に確執があるようで悪口を言い合っているのは残念でした、お互い助け合えば良い周遊ルートになるのですが。

○バスの乗客は朝から我々3人だけ、御座石鉱泉から1人乗車しましたが、これじゃ赤字と嘆く運転手さん。「インターネットで調べて来た」と言ったところ、「初めてそういう人に会った」と感激されてしまいました。この調子ではこのバスもいずれ廃線になる運命でしょうか。単独行ではタクシー代は馬鹿になりません、存続を切に望みます<皆さん利用しましょう。

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