愛鷹山

金時山から愛鷹連峰を望む(2010.1.10)


【行程】 9/4(土)曇り時々雨[ 熱海8:48=(JR)=三島9:02/9:20=(富士急バス)=十里木高原10:15/10:30−五丁目11:20−越前岳11:43/11:56−呼子岳12:22−割石峠12:35−蓬莱山12:42−位牌岳14:00/14:10−袴腰岳14:52−馬場平15:16−愛鷹山15:46/16:00−愛鷹600ゴルフ場17:20/18:00=(タクシー)=東名愛鷹PA18:15/18:33=(JRバス)=東名荏田19:55]
【メンバー】 隊長


○熱海で1泊の行事があったので翌日に近くの山に登ることとし愛鷹山に決めました。正直に言ってあまり期待していなかったのですが聞くと見るとは大違い、変化に富んでいて静かなとっても良い山でした。事前の情報が少なかったので前日に山口さんのHPを訪れます、ところがMML会員専用の過去記事検索にユーザー名の壁が!パスワードは覚えていたのですがユーザー名?この『開けゴマ』を求めて悪戦苦闘の隊長です。始業時間は容赦無く過ぎますが、パソコンを睨みつつ試行錯誤を繰り返します、朝からなにやら熱心な上司の姿に部下もあきれ顔です。ようやくスルーして高橋さん、熊坂さん、石黒さんの報告をゲット、ついでに愛鷹山のHPまで訪問する悪乗り振りでした。

○三島からのバスは9時20分と山に登るにしてはちと遅いのです、小雨のパラつく中グングン高度を稼ぎ十里木高原に到着です。スタートが10時半とは本日のロングコースを考えると少々不安ですが、日が長いので林道まで下れば何とかなるでしょう。NTTのアンテナ目掛けて直登の始まりです、雨は上がっていますが、上空にはどんよりとした雲が垂れ込め富士山も裾野しか見えません。ニ丁目からは樹林帯のなかの登りで道は良く整備されていますが、高度を上げるに従いガスが濃くなってきます。

○越前岳の山頂はあいにくガスで展望が得られません、ベンチで昼食にします。本日はここまで4名に出会ったのみで静かですねえ。さて呼子岳方面に下ろうとしていますと途中で抜いたカップルが到着です、「大変ねぇ、何時間かかるの?」と聞かれてしまいました、もう12時なのに「これから7時間」とは恥ずかしくって答えられませんでした。

呼子岳にて
ガスに霞む険しい稜線○道は痩せていますが笹が刈り払ってあり白ペンキマークも充実していますので迷う心配はありません、ところが本日このコースは通過者ゼロとみえて蜘蛛の巣が次々にお出迎えです。呼子岳は稜線上の尖がったコブで、これから向かう稜線がガスの中から顔を見せています、鋸岳は険しく位牌岳への縦走路はかなりアップダウンがあり厳しそうです。



この警告には少々ビビリました
○割石峠まで一気に下ると遭対協の看板が、曰く『H10年秋の長雨により縦走路は崩壊したところが多く非常に危険です、立ち入りはご遠慮下さい』ですって、う〜んこれは『事故があっても助けに行かんからね』ちゅうことかな、びびりながら前進します。ここからは草が刈り払われていませんのでカッパの下も着用します、少し登り返すと蓬莱山です。さて、いよいよ本日の核心部です、折りから雨脚も強くなり気が滅入ります『引き返すなら今だ!』という思いが心を過ぎりますが、体力、気力ともに充実の隊長は先へ進みます。

○鋸岳へは鎖とロープの連続する気の抜けない道です、ガレたトラバースが続きますが生い茂った草で足元が見えません、慎重に一歩一歩足を運びます。雨に濡れた岩場は滑り易く、ガスに覆われた谷底が呼んでるような錯覚がして思わず鎖、ロープにしがみつきますが、これらは信頼が置けないので神経を使います。西上州で鍛えた隊長には技術的に難しい訳ではありませんが、相棒がいないというのはなんと心細いことでしょう、一人で来たことを後悔しました。

○鋸岳は南側を巻きますが沢を下るところで道を間違えました。ここでいいのかなと思っていると鎖が現われホッとします、さらに下って行くと滑り易いルンゼとなります。ちょっと違うなあ『でももう少し進んで見ようかな』、『いや、戻った方が良い!』という声が心の中で交錯します。結局、先へ進むという誘惑を振り払い急な沢を攀じ登りながら戻ると、草の中にトラバースの道を発見し隊長の危機は去りました。(年の功でっせ)

○稜線を北側に乗越すと南側以上に崩壊した地点のトラバースが連続します、ここはもう鎖の強度を確認しながら頼って渡るしかありません。ようやく位牌岳に到着です(なんちゅう不吉な名前でしょう)本日の核心部を終了してさすがにホッとしました。蓬莱山から1時間20分ですが体力、神経ともに摺り減りましたので暫く休憩です。まだコースタイムでは半分も来ていませんので、気を引き締めて歩き始めます。道は見違えるほど良くなりましたが、相変わらず足元を覆う草と顔への蜘蛛の巣攻撃には参ります。

○袴腰岳を過ぎ下り終ると今度は愛鷹山への登りです、かなり足に疲労感がありますがここが最後の登りですので歯を食いしばって頑張ります。静かな樹林帯の道を辿るとやがてまわりが明るくなり山頂に到着です。雨は上がりましたがガスで展望は得られません、菓子パンを食してゆっくりと休みます。

○下りは一気と行きたいところですが、今までの無理がたたって体はガタガタです。塩見岳で傷めた右膝がなにやら文句を言い始めました、庇っていると今度は古傷の左膝がブータレてきます。これは大変だぁとペースダウンします、でもすぐに傾斜が緩くなったので膝への負担が軽くて大事には至りませんでした。(もう無理が利かない歳かなぁ)

○山頂から少し下ると水場と柳沢分岐があります、ここからはひたすら下りですが緩いので速足で歩けます。暫く行くと駿河湾と沼津市が一望にできるところがあります、ようやく雲の下に出たようです、振返れば愛鷹山の山頂はまだ雲の中です。途中で3回林道を横切ります、最初の林道は道標に導かれて左へ28M行くと下降点があります、あとの2個所はすぐ前に道が続くのですが道標もなく草が生い茂り下降点がわかり難い。この道は背丈を超える濡れた笹が両側から垂れ下がり、雨具をつけていても下着までビショビショになってしまいました。

夕暮れの愛鷹山 ○ようやくゴルフ場に到着です、携帯でタクシーを呼び東名愛鷹PAに向かいます(1850円)するとどうでしょうか愛鷹山が雲から顔を出し裾野から山頂まで伸びやかな姿を見せてくれました、富士山も肩から顔を出しています。愛鷹PAからJRの東名バスで自宅近くの東名荏田まで直行します。このルートは安い(1530円)、速い(1時間22分)でグッドです。今回の愛鷹連峰縦走は鋸岳の核心部が雨でシンドイ思いはありましたが、変化に富んだ素晴らしいコースでとても気に入りました。

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