毛無岩

支尾根から毛無岩


4月17日 毛無岩=桧沢岳=天狗岩・烏帽子岳

4月18日 諏訪山=笠丸山

【行程】 4/17(土)晴れ [たまプラーザ2:30=三軒茶屋3:00=練馬IC3:45=下仁田IC5:06=道場駐車場5:45/5:55−造林小屋6:25−相沢越7:07−毛無岩7:37/7:55−巻道分岐8:11−尾根下降点8:45−駐車場9:15/9:20(桧沢岳へ)]
【メンバー】 隊長、林道の鴉天狗

○3月の連休の西上州は吹雪に会い登山隊の命運もこれまでかと危ぶまれましたが、今回は天候にも恵まれ晩春の山旅を楽しんできました。下仁田ICを下りると鍬柄岳が黒々と右前方に迫ってきます、本日は天気は良くなりそうなので西上州の山々と対面するのが待ち遠しい限りです。

○鄙びた山村は満開の桜に飾られ晴れやかな姿を見せています。四つ又山、鹿岳の稜線が段々明るくなる空にシルエットを浮かび上がらせます。やがて雨沢にさしかかると前方に大岩の奇峰が聳えたち、振り返えれば小沢岳が特徴のある穂先を天に向かって突き上げています。「久し振りに帰ってきたよ」と心のなかでつぶやく隊長です。

○道場の駐車場には一番乗りです、もう完全に明るくなっていますので出発しますが、最近の激務と昨日の深酒で身体はだるく目が覚めません。重い足取りで落ち葉に埋もれた荒れた沢沿いの道を歩んで行くと「ああ、西上州に戻って来たんだなぁ」と感慨深いものがあります。

○沢から離れ西方に巻きながら急登をつめてゆくと相沢越に着きます、ここには荒船山から黒滝山への稜線の明瞭な道があります。東に数十メートル行った所で巻き道との分岐があり、いよいよ上級コースに足を踏みいれます。

稜線上のコブ毛無岩
○ピークを一つ越えると毛無岩が眼前に姿を現します、南側が大きく切れ落ちていますが北側は潅木に包まれているようですので何とかなりそうです。ところが取り付いてみますと、わずか50センチほどの狭い岩場の両側がスッパリと切れており高度感溢れる稜線です。一歩一歩慎重に足を運びますが、次第に高度を稼いでいくと恐怖心が湧きあがってまいります。ただここの潅木はしっかりと根付いているので捉まっても安心です。天気も良く風も無いのでルンルン気分の隊長です。

○山頂からは西上州の山々がほとんど眺められます。烏天狗が双眼鏡を持ってきたので(たまには誉めてつかわそう)前回登った山を一座一座ゆっくりと同定してゆきます。金鶏山、大桁山、物語山、御堂山、稲含山、小沢岳、立岩、鍬柄岳(大岩・碧岩だけは立岩の陰で見えません)浅間山の雪はほとんど消えかかっていますが、八ヶ岳は真っ白です。妙義山、荒船山、鹿岳、四つ又山など昨年秋から急速に親しみを増した山々が我々を迎えてくれます。

○さて十分に景色を楽しんでから下ります。岩場はたいしたことありませんが、潅木の中の急な下りは滑りそうです。「あっ!ラクッ」という烏天狗の悲鳴に振り向きかけた隊長は足元が滑りバランスを崩して身体は空中に投げ出されます。思わず目の前の枝を左手で掴んだのですが、悲しい50肩にズッキーンと電流が走ります。「痛ったーい」隊長は目の前が真っ暗になり身動きができません。

ヤシオツツジと立岩
○鴉天狗の証言では落とした岩がまさに身体に当たる寸前に隊長が空中に跳んで間一髪難を逃れたように見えたのでした、その割には背中から着地して動かなくなったので不思議だなあと思ったそうです。まったく岩を落としておいて不思議だなあはないだろう、九死に一生を得た隊長でした。

○道場までは支尾根を下ります、ここはヤシオツツジが沢山ありますが気の早い数本の株が花を咲かせています、連休には見頃になりそうです。桃色のツツジの向こうには西上州のドロミテと呼ばれている立岩が美しい岩肌を見せてくれます。駐車場には車が2台停まっていましたが山中では誰にも会いませんでした。

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