手白沢温泉
手白沢温泉に到着
【行程】 1/23(土)晴れのち曇り [北千住8:11=(きぬ103号)=鬼怒川温泉10:00/10:15=(村営バス)=女夫淵12:01/12:37−八丁の湯14:08−加仁湯14:35−手白沢温泉15:40(泊り)]
1/24(日)曇り [手白沢温泉9:40−加仁湯10:12−日光沢温泉10:25−加仁湯10:40−八丁の湯10:48−女夫淵12:17/13:00=(村営バス)=鬼怒川温泉14:46/15:02=北千住17:01]【メンバー】 隊長、かわうその頭
○奥鬼怒の4秘湯のうち最奥にある手白沢温泉にスノーハイクに行きました。今回は他人の企画に乗るお気軽隊長です、普段の山行とコンセプトが違うので戸惑いもありますがたまには新鮮で良い経験です、ただし豪華路線が財布を直撃し痛いイタイ。3人で行く予定でしたがインフルエンザの猛威の前にあえなく普通の人がダウンし、アホの隊長と養老院から参加の「かわうその頭」の2名で催行されました。
○鬼怒川温泉からは村営バスに1時間45分も揺られてゆきます、五十里ダムなどいくつかのダムサイトを通り、途中に休憩を挟んでの長旅です。バスは補助椅子まで使う満員状態でした。女夫淵のレストランで食事後いざ出発です、黒沢林道から吊橋を渡ると自然歩道は雪道となります。
○川添いの遊歩道は工事中で通行止めなので山の中の巻道を通ります、結構雪がありへずり状に崖淵を巻く道は注意を要します、気温が高いので雪は緩んでおりキックステップで慎重に通過します。すると突然バラバラっと雪と小石が崖の上から降って来るじゃありませんか、思わず岩壁に身体を密着させて難を逃れる隊長です。あわてて見上げると、なんと岩壁に展開する数十匹の猿の群れが。悠然と食事をする母子たち、若頭がそこへ現れた邪魔者に落石の制裁を加えて来るのでした、残念ながら対抗手段を持たない我々は逃げの一手でした。(うーん、くやしい)
○八丁の湯の広場には高さ5メートルはあるカマクラが設営されていて中を覗くと炬燵がセットされてとても暖かそうでした。ここから加仁湯までは車道を通りますが圧雪されて滑り易い緩い登りです。道も半ばで加仁湯の方から「キャーッ、キャーッ」という黄色い悲鳴が断続的に聞えてきます、するとソリに2人乗りしたお嬢さんがものすごいスピードで器用にカーブを回って現れました、しかし今度は隊長に向かってまっしぐらです。こんな所でソリと衝突したくありません、道端の雪の壁に身を投げ出して危機一髪で難を逃れます。ところがもう1台新手が登場です一難去ってまた一難、雪に埋まって身動きが出来ない所に突っ込んできます、今度はヤバイ!しかし今度の乗り手はコーナーを回りきれずに手前の雪の壁に激突し堅い路面に放り出されました、痛ったそう。
○加仁湯からは林道を行く道と樹林帯の中の急な近道があります、折角きたのだから腹ごなしに、夏のコースタイムで30分なのでなんとかなるだろうという安易な考えのもとに山道を選択します。道標に導かれて急な坂道を登りはじめますが10メートルも行くとトレースが無くなりました。腰までの雪を坪足で掻き分けながら北斜面を登るとブナ平に出ます、ここは広い林の中でテープの類が一切無く非常にわかりにくいところでした、地図と磁石を頼りに進むと保安林の看板が左前方に見つかりました、平らな林のなかで左に曲がる位置が確認できて一安心です。
○ここから40メートルぐらいの尾根を乗っ越すのですが地図を見ながら歩いていると、突然穴におっこちて首まで雪に埋もれてしまいました、必死でもがきながら脱出を図りますがなかなか出られません、ようやく身体を引き上げるとなんと桟道を踏み外したのでした。積雪1メートルでは桟道があるなんて全然わかりません。直線距離でわずか100メートルほど離れた下のところを林道が並行に走っており同じ宿に向かう登山者に目撃されてしまいました。「胸までの雪をラッセルしていて大変だなあと思いました」ですって、本当に大変でしたが久しぶりに坪足探偵団の楽しい雪遊びができました。(相変わらず隊長は負けず嫌いのようで)
○手白沢温泉は山の中の一軒家で昨年新装なったばかりです。ここのコンセプトは車での送迎をしない、日帰り入浴はとらない、部屋はわずか6室で親子3代での家族だけのサービス体制です。15畳の広い部屋は床暖房(温泉のパイプ)で暖かく、下駄箱にも靴の下には暖房のパイプとは至れり尽くせりです。お料理はフランス料理風の物を箸で食すお洒落な感覚で、味もなかなかおいしく冷酒とのコンビネーションが絶妙です。
○食後はストーブを囲んで談笑しますが、山登りのグループと話しが弾みます、この辺りは山小屋の乗りです。ちょっと場違いな土建屋風の酔っ払いが目障りでしたが相手にされず部屋に引っ込みました、これも余興のひとつでした。温泉は昭和10年に先々代の兵次郎さんが発見した兵次郎の湯です、硫黄泉で55度の源泉から直接引いている非常に力のあるお湯です。露天風呂からは雪を被った根名草山(大嵐山)が真近に眺められ極楽じゃー。
○翌日は日光沢温泉まで立ち寄ります、こちらは古い木造の温泉宿ですが冬季閉鎖です。帰り道で再び猿の襲撃を受けますが、こんどは心の準備も出来ています、フラッシュ攻撃で目くらましをかまし1本取る隊長です。真っ赤な顔で怒る猿を尻目に意気揚々と下山します。珍道中、奥鬼怒の秘湯手白沢温泉グルメの旅はこうして終了しました。