雨飾山

尾根から雨飾山


【行程】 8/9(日)快晴[信濃大町13:31=南小谷14:25/14:30=(バス)=小谷温泉−熱泉荘(泊り)]
8/10(月)
晴れ[熱泉荘6:25=登山口6:40/6:50−荒菅沢7:50−笹平分岐8:50−雨飾山9:03/9:45−笹平分岐9:55−中ノ池10:15−雨飾温泉11:18−山口12:58/13:14=根知新道13:28−根知13:33/14:01=南小谷14:44/14:51=(スーパーあずさ10号)=新宿18:36]
【メンバー】 隊長(単独行)

○北アルプス中央部の西銀座、裏銀座から無事下山した登山隊は、山中で予備日を消化しませんでしたので、これを利用して雨飾山に登ることにしました。そもそも今回の企画は若いもんに中年オジサンの心意気を示すと言う副題つきのとんでもないしろものです。若いもんに説教しても埒があきません、こうなったら自ら手本を示すしか道はありません。次のコンセプトで登ることにします。
・麓の温泉に前泊する
・山を越えて違う世界へ下りる
・炎天下の林道を延々と歩く

○高瀬ダムから小谷温泉に予約を入れたのですが、1番山に近い村営雨飾荘は人気があるのか、一人旅のお客はあっさり断られてしまいました。10円玉の手持ちも少なくなったので思い切って1番遠い熱泉荘にTELしたところ、快い返事をいただきました。バス停は終点の2つ手前で降りるのですが、なぜか終点の小谷温泉まで乗ってしまうボケ隊長です。お陰で300Mほど歩いて戻るはめに陥りました。

○熱泉荘は空いていてとても静かでした。隊長のほかは中年の夫婦の登山者のみです。当然サービスが良く快適な温泉ライフが楽しめました。もちろん温泉もゆったり一人で入ることができ、食事も心のこもった山の幸づくしをお部屋でとることができ、お酒の追加もあっという間に持ってくるというサービスぶりです。さらに朝は登山口まで車で送ってくれました。(頼めばいつでも送迎してくれるそうです)

○登山口には小谷観光連盟の
雨飾山登山の認定証の発行依頼書があり、これに記入し500円を支払います。(ミーハー的だなあ)さて、朝の清々しい空気のなかをいざ出発します。木道をだらだらっと下ってから一気に登りに入ります、急な上りがしばらく続きますが、やがて緩やかになり荒菅沢に到着します。ここで冷たい水を補給し一休みとします。

○気持ちの良い沢でのんびりとしていると、突然右足の脹脛に刺すような痛みが走りました。何事かと見ると、なんと大きなアブが厚手の靴下の上から食いついているじゃありませんか!あわててアブを振り払いますが、敵はしぶとく付きまといます。ここでストック使い免許皆伝の隊長は、ストックをハエたたきの代わりにしてアブめがけて振り下ろします。1回、2回と失敗しましたが、3度目の正直とばかりにエイッと力を込めて振り下ろされたストックの柄が見事アブを捕らえ、哀れアブは一個の屍と化したのでした。うーんストックにこんな使い方があるとは隊長も今の今迄知りませんでした。

○さてここからは急登の連続ですが、少し頑張ると見晴しの良い岩場の登りとなります。ここで朝日の主催している30名ほどの団体に追いつきました。この人達は後ろにも注意を払い、順繰りに追い抜かせてくれたのですが、隊長は全員を追い抜くのに息が切れてしまい、もうバテバテです。団体さんが休んだ少し上で休憩をとります。
山頂から後立山連峰

山頂にて
○稜線に出ると緩い登りのあとに最後の登りがあり、山頂に到着します。天気が良く北アルプス(後立山連峰はもとより槍、穂高まで)がくっきりと見え、火打山、焼山、黒姫山などの頚城山系の山々、戸隠山、高妻山など最近親しくなった山が全部眺められます。残念ながら低い雲が北側にかかり日本海は見ることができませんでした。

○充分景色を堪能した頃にようやく団体さんが登ってきました。マナーは悪くないのですが狭い山頂に大人数というだけでもノーサンキューです、さっそく下ることにします。笹平の分岐を北にとり雨飾温泉へと向かいます。ゴロゴロした浮き岩の歩きにくい急降下の道が中ノ池まで続きます。ナイロンロープが要所要所に張ってありそれなりに道は整備されていますが、小谷温泉からの道と比べると遥かに玄人好みです。

○中ノ池を過ぎると痩せ尾根上の激しい下りが待っています、もう勘弁してと泣きが入る頃にようやく雨飾温泉の庭に出ました。ここの造りは明るい光のなかにも重厚な歴史を感じさせる建物です。しばしこの素晴らしい建築物を内外から眺めまわしてから林道歩きに踏み出します。

○昔は山から下りると必ず長く苦しい林道歩きが待っていたものです。オールドタイマーのノスタルジーでしょうか?今回はタクシーを呼ばずに2時間の炎天下の林道歩きに挑戦です。(若者よ、おじさんの根性を見ておくれ)しかし林道のほとんどが舗装されているため足の裏には豆ができてしまいました。やっとのことで山口のバス停についた隊長は自己満足に浸ってしまいました、でもバスのお客は隊長だけでしたし、無人の根知駅からJRに乗ったのも隊長だけというなんとも寂しいルートです。

1998年の記録へ

百名山の記録へ