高妻山

八丁ダルミから高妻山


【行程】 6/13(土)曇り時々雨 [東京6:20=(新幹線)=長野8:01/8:18=(バス)=戸隠キャンプ場9:23/9:30−帯岩11:00−一ノ不動11:16−五地蔵山12:04/12:30−高妻山14:00/14:15−五地蔵山15:21−一ノ不動15:58−滑滝16:31−戸隠キャンプ場17:42/17:48=長野19:00/20:00=東京21:24]
【メンバー】 隊長、林道の鴉天狗

○今回は、車ではなく公共交通機関を利用しての挑戦となりました。長野は新幹線を利用すると1時間半ほどで着きますが、それでも登り出しは9時半です。コースタイムで8時間10分と長いのですが最終バスは18時33分と遅くまであり、夏至も近づき日が長くなったので、なんとか日帰りが可能です。

○長野からバスに乗ったのは15名ほどですが、途中の戸隠山、飯綱山で降り終点まで残ったのは我々と6人パーティでした。彼らは一ノ不動に泊るそうです。どんよりとした雲が標高2000メートル付近までかかっています。展望の点からは残念ですがこの天気が幸いし、9時半からの登り出しにもかかわらず暑さには苦しめられませんでした。

○沢に沿って登ってゆくと、やがて前方に帯岩が眺められる。(樹林の緑のなかに岩の帯が横切っている)滑りやすい一枚岩をトラバースするがステップが切ってあり心配していたほどのこともなく、あっけなく通過しました。雨中での石鎚山の鎖を経験した我々にはもはや恐いもの無しでしょうか?悪場を越すと氷清水の水場があり、あまりの美味しさに思わず軽量化を忘れ2リットル近くも水筒に入れてしまいました。

○一ノ不動から先が本日のメインテーマです、気持を引き締めて登り始めます。三文殊あたりからガスの中に入り視界が利かなくなります。ここで戸隠猿軍団の登場です、登山道からわずか数メートル奥でなにやら物色中です。バサッバサッという音に樹林越しに姿を追っていると、下山してきた人が朝の7時半から同じ所にいると教えてくれました。よほど気に入った食べ物でもあるのでしょうか。

○五地蔵山で昼食をとり再び登り出しますが、時折り小雨が混じるようになってきました。天気予報では曇りのち雨でしたので、もう展望は無理か思っていましたが、八丁ダルミを過ぎた頃に突然ガスが流れ、高妻山がそのピラミダルな雄姿を見せてくれました。諦めていただけに感激ひとしおです。足もとの路傍には、シラネアオイが雨にぬれて薄紫の可憐な姿で我々を慰労してくれます。しばらく花を見ているうちにまたガスが出て高妻山は見えなくなりました。これが本日唯一の高妻山との対面となりました。

ようやく着いた山頂はガスでした
○しかしここからが高妻山の本格的な登りでした。ネマガリタケを切り開いたような急登が続きます、しだいに傾斜を増すので最後はタケの根を掴んでの必死の登りとなります。ようやく登り切ると道は北に曲がり岩稜を少し行くと頂上に着きました。あいにく展望は利かず風も強さを増して来ましたので早々に切り上げます。

○ タケのなかの急な下りは雨で滑りやすく緊張の連続でした、何回も尻餅をつきそうになりながら転げるように下ります。よくこんなに急な坂を登ってきたものです。(と、いつも思いますが)帰りにはさすがに猿の群れはもういませんでした、もう寝ぐらに帰ったのでしょうか。

帯岩のトラバースを下る
○雨中の下りの鎖場はそれほどは心配はしていなかったのですが、ここの鎖はナゼかヌルヌルと滑ります。相棒の鴉天狗が帯岩のトラバースでツルっと滑りハッとさせられました。うーん馬鹿な奴め命が惜しく無いのか、悪条件のなかでは「より慎重に」が基本中の基本でしょうが。これはMMLの報告に書こうなどと余計なことを考えていたら、今度は隊長が鎖の最後で足を滑らせ肘をしたたか打ち付け、しばらく小指から先がしびれて涙が出そうでした。(うーん天罰か?)

○天気も良くなかったので予定より早いタイムで行動した結果、最終一本前の17時48分のバスに間に合いましたが、乗客は我々だけと淋しい限りです。今回は遅発ち長い行動時間でしたが、ピストンでもあり夏に向けてのトレーニングの意味も込めて、若干の悪天の中でも決行してしまいました。まあまあの成果と少々の不安を残す結果となりましたが、あと一月の間に精進したいと思います。このあと長野で蕎麦をさかなに酒を飲み、新幹線で寝ながら帰路につきました。このあたりは車では得られない贅沢でした。

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