丹沢主脈

鍋割山〜塔ノ岳〜丹沢山〜蛭が岳〜焼山

鬼ガ岩から富士山と蛭ヶ岳


【行程】 2/21(土) 曇り一時雨 [渋沢8:16=タクシー=四十八瀬林道ゲート8:50−二股9:20−後沢乗越10:11−鍋割山11:23/11:57−金冷ノ頭12:50−搭ノ岳13:10(尊仏山荘泊)]
2/22(日)
快晴、1300M以下は曇り [搭ノ岳7:40−丹沢山8:40−蛭が岳10:30−姫次11:58/12:30−焼山14:05−焼山登山口バス停15:45/16:19=橋本17:25]
【メンバー】 隊長、林道の鴉天狗

○渋沢からタクシーで二股まで入る予定でしたが、運転手が何を勘違いしたのか西山林道から入らずに四十八瀬から入ったため二股の手前1.5キロ地点のゲートでおろされました。(皆さん気を付けましょう)二股には20台ぐらいの駐車スペースがあり4台が停まっていました。後沢乗越までの杉林は伐採中でチェーンソーの唸り声と木が倒れる地響きがしています。登るにつれてだんだん近くなり遂には登山道の上に切り倒された木がゴロゴロころがっています。ほとんど通らない登山者には注意を払っていないようでしたので木が倒れてこないかとひやひやしながら通り過ぎました。

餌をねだる雄シカ
○後沢乗越から鍋割山まで雪はほとんど気になりませんが頂上には雪がつもっていました。ここから金冷ノ頭までは結構雪がありましたが気温が高いこともあって坪足探偵団の我々はズブズブです。小丸では鹿のつがいに会いました。登山客に対する警戒は少なく雄は立派な角を振りながら近づいてきます(雌は遠巻きに見ている)こわごわエサを出すとなんと手から食べるではないですか。こんなに慣れているとは、25年前の丹沢では鹿の姿を遠くに見ただけでも話題だったのに。

○金冷ノ頭からはメインルートで人がたくさん降りてきます。搭ノ岳はガスで何も見えず、明日に期待して尊仏山荘泊りとします。ストーブの前で休んでいると次ぎから次ぎへと蛭が岳を諦めて尊仏山荘に変更するパーティが出てくるではありませんか、おまけに山荘には公衆電話(衛生通信)があり宿のキャンセルも思いのまま、本当に便利になりました。(ちなみに持参したDOCOMOは範囲外でした)

塔ヶ岳の御来光
○さて翌日は雲海の中からのご来光となりました。ズボラして小屋の窓からご来光を拝みます(ご利益が減少しないでしょうね)やはり気がひけて外に出ると雪をかぶった富士山がピンクに染まり輝いていました。その隣には南アルプスが聖から北岳まで丸見えです。雲海は1300メートル付近にあり丹沢山や蛭が岳が頭を出しています。朝飯が終わってゆっくりしていると小屋のオジサンが「今日は天気が良いし冷え込みで雪が締まっているから主脈を縦走しないともったいない」と盛んに勧めるのです。隊長はその気にさせられ、ついに主脈縦走に踏み出すことになりました。(危険、危険)

蛭ヶ岳から正面に富士山を望む
○今日の雪は良く締まりアイゼンが小気味良い鳴き声を出しています。(ツルツル天城山で懲りた隊長は早速軽アイゼンを購入したのです。そうなると使ってみたくなるのが人情でしょう=今回の山行となりました)丹沢山から蛭が岳への稜線は青空に霧氷が煌き蛭が岳、振り向けば搭ノ岳が雲海から聳え立つ、気分は8000メートルかな。(オーバーな!「空へ」の影響でしょうか、感動したなぁ)

○蛭が岳からは雪が多いが良く締まり快適な下りです。途中から雲の中に入りガス時々雪の天気となるが姫次につくやいなやピーカンが訪れ昼飯とします。ここで関西方面から来た10名ほどの団体と会うが驚いたことに焼山の登山口に12時20分にタクシーを待たせているとのこと。(その時は12時25分でタクシーは勝手に帰るだろうと喋っていた?)おまけに「ここからは東海道自然歩道だから整備されているので2時間で下れる」などとリーダーらしき人が皆に伝えている。(アルパインガイドで夏道2時間40分)まったくピッケルなど装備は大変立派だがバテバテ隊員も混ざりいささか心配になる人々です。

姫次で寛ぐ
○さて貧弱装備のミ〜ハ〜登山隊はアイゼンを利かせながら快調に樹林帯を進みます。ツルツルの氷ではないのでアイゼンは必携ではありませんが装着したほうが確実に早く下りられます。青根への道は細いトレースがありますが大平、平丸などへは全くありません、やはりメインルートは安全確実です。

○ようやく焼山に着くと高さ10メートルぐらいの鉄塔が立っていました。(30年前に来た時には無かったなぁ)展望台に立つと麓の町が眺められ里心がつき早く下りたくなります。200メートルほど下ると雪も少なくなりアイゼンをはずします、しかし樹林帯に入ると重く柔らかい雪が現われ坪足探偵団となります。この前の大雪で痛めつけられた木々が倒木となって道を塞ぎしばしば股まで雪に埋もれながら迂回をしいられる。なかなか辛いけれど天城に比べればトレースもあり精神的にも心強いものがありそれほどの疲労感はありません、隊長の膝は調子上々です。

○林道に出るとバス停までは一直線。(1.3キロ)停留所前にある神社にこの山行の無事を感謝し、向いの酒屋でビールを買い乾杯、さらに神社の裏には公衆便所があり長いバスの旅の前に膀胱を空にできる。なんと至れり尽くせりのバス停でした。いやぁ隊長が今度はワカンが欲しいと言い出しました。いわく「坪足探偵団はもういやだ!」(実はワカンをザックに付けたカッコイイおねえさんがいたそうな)

1998年の記録へ

百名山の記録へ