種子島・屋久島の前岳三山

天女ヶ倉・モッチョム岳・愛子岳・太忠岳

尾之間のホテル前から朝日に輝くモッチョム岳



【行程】 11/27(水)曇り [藤が丘5:29=(東急)=たまプラーザ5:37/6:01=(京急バス)=羽田空港6:49/8:05=(JAL643)=鹿児島空港9:57/11:13=(バス)=宇宙センター12:52/13:29=登山口15:03−天女ヶ倉15:08−P15:16=西之表港15:49/16:33=(トッピー)=安房港17:28/17:34=(タクシー)=ホテル17:56(泊り)]
11/28(木)曇り時々晴れ [ホテル7:32=(タクシー)=千尋滝P7:44/8:00−万代杉10:10−モッチョム太郎11:15−神山展望台12:14−昼食12:18/12:42−モッチョム岳12:26/13:50−神山展望台14:51−モッチョム太郎15:50−万代杉16:32−登山口18:33/18:36=(タクシー)=ホテル18:50(泊り)]
11/29(金)曇り時々雨[ホテル7:33=(車)=登山口8:15/8:25−愛子岳12:40/12:50−昼食13:48/14:08−登山口17:10==ホテル18:10(泊り)]
11/30(土)曇り[ホテル6:00=(タクシー)=ヤクスギランド6:50/7:07−太忠岳11:36/12:29−登山口16:24/16:36=(タクシー)=空港17:45/19:00=(JAL3756)=鹿児島空港19:34/20:44=(JAL654)=羽田22:22/23:05=(京急バス)=市ヶ尾23:37/23:48=(東急)=藤が丘23:50]
【メンバー】 隊長、15名、シェルパ4



○種子島の島山と屋久島の前岳三山という一風変わったツアーに参加です。屋久島には中央山岳地帯の奥岳と呼ばれる一群があり主峰の宮之浦岳も含まれます。一方周辺の集落から見える山は前岳と呼ばれ昔から信仰の対象となっています。前岳三山はそこそこコースタイムがあり、日頃の鍛錬が足らない隊長には手ごわそうですが何とかなるだろうと参加を決めました。



【天女ヶ倉】238m
天女ヶ倉の三角点 hspace=10天女ヶ倉はヨガの聖地 hspace=10○フラットな種子島にあり国土地理院地形図に唯一名前の表示されている山です。もちろん三角点がありますが山頂直下まで舗装道路が通じていて登山とは名ばかりのピークハントでした。そもそも当初の予定では麓から歩いて登る計画だったのですが、飛行機とトッピーが冬ダイヤとなり島の滞在時間が短くなってしまい、時間短縮で車での登山となってしまいました(情けなぁ〜)










○駐車場からは苔むした階段を登ると拝殿がありその裏山に進むと樹林に囲まれた三角点がありました。山名表示もなく地味でそっけない山頂でした。島山100座に選ばれたならもっとそれらしい扱いを受けても良さそうですが・・・ところがこの山にはもうひとつの側面があります。ヨガの聖地だそうです。ヨガのポーズをとった石像もありそれなりに盛り上がっているようです。



○西風が強く海には白波が立つほどなので屋久島に渡るトッピーは運航されるのでしょうか。出発時間になっても天候調査の表示が消えません。ところが安房港に近づくと波が穏やかになりました。屋久島の陰になって風が弱まったようです。しかし西高東低の冬型気圧配置となり東京よりも10度も低い気温とは驚くばかりでしす。



【モッチョム岳】940m
トラックレコード ○尾之間の集落から眺める朝日をあびて輝く本富岳(モッチョム岳)の姿は神々しいばかりです。登頂意欲がいやがうえにも盛り上がります。千尋滝の駐車場まで車で入り展望台から千尋滝を眺めてから登山開始です。道は急傾斜で木の根が縦横にはびこり歩きにくいこと極まりなし。でも西上州で鍛えられた隊長は難なく乗り越えます。しかしながら素人同然の隊員たちは難渋しています。おまけに人数が多い団体なので難所の通過に思わぬ時間が掛かっています。
















神山展望台稜線からモッチョム岳 hspace=10スクッと立つ万代杉 hspace=10○約2時間で万代杉に出会いました。尾根の上に立つ立派な姿に思わず手を合わせてしまいそう。縄文杉のように柵に囲まれた過保護な姿ではなく自然体でスクッと立ち上がる姿勢は気高いものです。ここから1時間でモッチョム太郎がありました。こちらは江戸時代に試し切りされた跡が残り幹の真ん中に穴が開いていて向こう側が覗けます。どうやら中が空洞なので伐採を免れたようです。



○さらに1時間で神山展望台なる尾根に出ます。展望台とは名ばかりで木々に囲まれて景色はよろしくありません。木々の間からかろうじてモッチョム岳が望めました。少し下ってから昼食にいたします。腹が満ちたら登頂を再開です。狭い尾根を上り下りを繰り返しながら進みます。最後は3mぐらいのロープをよじ登ると狭い岩場の山頂でした。でも詰めれば何とか全員が立つことが出来ました。




○ここまで思いのほか時間が掛かってしまいました。山頂を少しの時間であとにします。下りといっても登り返しもあり木の根を避けながらの悪戦苦闘が続きます。万代杉にたどりついたのは4時半でした。もうすぐ陽が落ちます。足場が悪いなかヘッドランプでの下山は時間がいくら掛かるか見当もつきません。こうなったらGPSだけが頼りです。10時間半におよぶ行動時間で駐車場に着いた時には精も根も尽き果てました。




【愛子岳】1235m
トラックレコード ○北側から屋久島に近づくと特徴的に尖がった三角錐の頂が愛子岳です。今の天皇陛下が皇太子の時に屋久島を訪れ、飛行機から眺められて名前を聞かれたとの話があります。その翌年に愛子様が 生まれたので愛子岳にちなんで名付けられたとの噂があるようです(屋久島のガイドに信じられている伝説)



○前日のモッチョム岳でボロボロになった登山隊は空中分解となりました。予定通り愛子岳に登りたい人は隊長を含めてたったの3名とは(・・・絶句!)天気予報では風速10mの風が吹くとのこと。風が強いと山頂部の岩場は危険なので登頂を断念する場合もあるとの条件で参加です。ただお客3名に対して屈強なガイドが2名も付いて万全の体制です。











太忠岳から愛子岳を遠望 hspace=10○愛子岳の登山道は面白みに欠けます。だらだらした登りがいやという程続きます。樹林帯もヒメシャラの大木には目を奪われますがそれだけで単調な登りが8割ほどです。木々の間からかろうじて山頂部分が覗かれました。最後の2割は岩場で急登です。ロープを伝って身体を持ち上げてゆきます。時折吹く突風を岩に身体を寄せて凌ぎます。ガイドがロープをあまり使わないルートを行くので下りが心配になりながら登ります。だって濡れた岩場をクライムダウンするような技術は持ち合わせていませんから。



愛子岳の山頂から虹を見る hspace=10○突風の合間を縫って山頂に立ちました。陽が差す天気で周囲の展望もよろしい。だけど奥岳方面は雪雲の中でした。ガイドさんの説明では宮之浦岳は吹雪いているそうです。写真を撮っていたら前方の山に大きな虹が掛かっています。すると突然バラバラとアラレが降ってくるじゃありませんが目まぐるしく変わる天気に翻弄されます。さっさと下山しましょう。下山はロープを伝って一気です。先ほど心配した難所も難なくクリアでした。


○今回の登山隊は健脚で足並みが揃っているので下山もスムーズです。雨雲で薄暗くなってきましたがヘッドランプのお世話にならずに登山口まで戻りました。帰りにはアイコマートに立ち寄り島外不出の焼酎「愛子」をゲットしました。


【太忠岳】1497m
トラックレコード ヤクスギランドから太忠岳を望む hspace=10○今日は前岳三山のなかで一番登山道がしっかりしている山です。昨日休養充分な大多数の隊員は元気に出発いたしますが隊長はクタクタです。ただ飛行機の時間がありますからあまり遅く下山はできません。そこで出発を早めて朝食は弁当といたします(ホテルのバイキングは楽しみだったのですが)ヤクスギランドまでタクシーで入り、まずは石畳の遊歩道を辿ります。















天中石を見上げる hspace=10○大きな屋久杉が何本も現れモミやツガなどの大木が林立する苔むした森の中を進みます。途中の尾根筋で世界遺産の領域に入ります。ここから先は江戸時代の伐採などもなかったようです。石塚山への踏み跡を分けたら稜線上をアップダウンを繰り返しながら最後に天中石を迂回してその根元にでます。



1972.3.6○そこからロープで5mほど登り最後はカニ歩きでトラバースして台地状の露岩の上に立ちます。安定はしていますが少し傾斜があるので心が穏やかではありません。反対側は天中石との間に隙間があるのでこちらも怖い。露岩の縁を悠然とで歩き回る神経は到底わかりません。でも周囲の展望はすこぶる良く、昨日登った愛子岳が堂々たる姿を見せてくれました。



○隊長はヘロヘロになりながらも何とか無事に三座登頂を果たしました。体力の限界に近かったのですが、今回はガイドさんの助力が大きかったと思います。山と風の企画は面白いのですがマニアック。今回の企画は計画とおりに実行するにはちょっと参加資格が必要だったかも知れません。
*右の写真は52年前の雪の尾立ダムと遠くに太忠岳





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