日本国と粟島

日本国・稲荷山・八幡山・小柴山・逢坂山・籏崎岩・日和山

粟島から日本国を望む(2022.6.5)

6月3日 日本国
6月4日 稲荷山・八幡山・小柴山
6月5日 逢坂山・籏崎岩・日和山



【行程】 6/3(金)曇りのち時々小雨[たまプラーザ6:27=(東急・JR)=東京7:25/7:48=(とき305)=新潟9:55/10:12=(貸し切りバス)=小俣登山口12:36/12:53−蛇逃峠14:39−日本国15:08/15:20−蛇逃峠15:44−蔵王堂登山口16:45/17:08==瀬波温泉18:15(泊り)]
6/4(土)晴れ[瀬波温泉8:26=(マイクロバス)=岩船港8:35/8:45=(タクシー)=塩谷9:00−稲荷山9:04/9:18=野澤屋9:48==岩船港9:57/10:30=(フェリー)=粟島内浦港12:05/13:03=(マイクロバス)=あわしま牧場13:07−矢ケ鼻展望台14:00/14:20−八幡山14:46−八幡鼻15:01−八幡山15:15−釜谷15:55/16:32=(マイクロバス)=背中平16:39−小柴山17:03/17:12−背中平17:32==釜谷17:40(泊り)]
6/5(日)曇りのち晴れ[釜谷発8:03=(マイクロバス)=背中平(北パノラマ)8:13−逢坂山8:58−展望台9:50/9:58−牧平10:02−籏崎10:35−籏崎岩11:18−11:51−内浦港12:06/13:00=(フェリー)=岩船港14:35/14:47=(貸し切りバス)=新潟15:57/16:22=(新潟交通バス)=東堀通十二番地16:44−日和山16:52−東堀通十二番地17:04=(新潟交通バス)=新潟17:26/17:44=(とき340)=東京19:52/19:57=(JR・東急)=たまプラーザ20:47]
【メンバー】 隊長、中村氏、男3,女10、シェルパ、ガイド


○中村みつを氏の超低山シリーズも回を重ねて泊りがけで番外編へ。前回の飛島はコロナ禍で欠席でしたが、今回の粟島は是非ともご一緒したいと思っていました。それにしても長いツアー名です「中村みつをさんと歩く超低山シリーズ【特別企画】日本海に浮かぶ孤島・イワユリ咲く粟島ハイキングと粟島を望む日本国(555m)登頂3日間」・・・このセンスは隊長とは相容れません。


○旅の詳細が書いてある旅のしおりが届き行程を見ていると隊長の頭に閃きが!『せっかく中村氏の案内で超低山に行くのですから新潟県の最低峰に立ち寄りましょう』という提案を旅行社にいたします。その山は粟島に行くフェリーが出る岩船港から5Kmほどの塩谷にあります。するとアルパインツアーさんでは快く取り上げてくださり手配をしてくれました。


○新潟駅に着くとツアー一行が待っていました。隊長は注意書きを読み飛ばして昼食を持参していませんでしたが、集合場所が駅弁売り場の隣だったので事なきを得ました。初っ端から躓く不安な出だしです。ここから山形県との県境近くまで2時間近くも車で移動します。


【日本国】にほんこく555m
トラックレコードお揃いのヤッケ ○まずは日本国の登山口に到着です。この山は山形県と新潟県の県境にあり山とか岳とかが着かない独特の名称です。おまけに標高が555mと縁起の良い数字なので覚えやすい。ガイドはこの山を愛し登山道の整備をしてこられた小島夫妻です。お揃いのヤッケを着た姿は神々しくもありました。


















日本国登山口のゲート○登山口には立派なゲートが架かり、山頂まで2.7kmの登山道には100mおきに道標が置かれています(これらの整備も小島さんたち)良く整備された道は歩きやすく快適です。ただ天気がいまひとつで今にも振り出しそうな雲行きです。カッパを着ての出発となりました。




○一人体調不良者がでたので蛇逃峠から奥様ガイドと先に下ってもらいます。本体は山頂を目指します。そこから半時間で待望の山頂です。山頂の展望台は老化が激しく使用禁止で再建中でした(残念!)それでも小さな休憩所もあり快適な山頂でした。あいにくの天気で眺望はありませんが登頂の喜びはひとしおです。平日にもかかわらず地元の若者が3名登ってきました。元気な声で挨拶されると眩しいくらいです。








登頂証明書に貼られた日本国の切手と日本国麓局の消印三角点と山頂標識○蛇逃峠まで戻り蔵王堂への道をとります。こちらの道は少しワイルドで滑りやすい。100mおきの道標もありません。登山口の近くに蔵王堂というお堂が建っていました。登山口には車が迎えに来ています。500円払うと登頂証明がもらえます。はがきに住所を記入して投稿ポスト入れるのですがガイドさんが手配師なので一括してお願いします。(後日右のように素敵な日本国の切手と日本国麓局の消印のついた登頂証明書が届きました)




○本日の宿は瀬波温泉です。日本海沿岸の笹川流れを南下してゆきます。すると明日行く粟島が目近に見えます。隊長が唯一登れなかった超低山の鳥越山の直下をトンネルで抜けます・・・懐かしい。









【稲荷山】いなりやま15.3m
砂浜から稲荷山を望む○粟島へのフェリーは10時半なので朝の時間を利用して隊長の提案した新潟県の最低峰を目指します。岩船港までは宿の送迎車で行きジャンボタクシー2台に分乗します。塩谷の街でガイドの野澤さんをピックアプして町はずれの稲荷山登山口に到着です。赤い鳥居が立ち並ぶ階段が登山口です。












山頂のお稲荷さん○この山は北前船が盛んだったころに藩の番所が置かれていたので「番所山」と呼ばれていました。番所が無くなってからは稲荷が山頂に祭られたことから稲荷山と呼ばれるようになりました。地元の有志の方々の尽力によって2012年に国土地理院の地形図に山名が掲載されるようになり新潟県の最低峰となったのでした。







稲荷山の登頂証明書○隊長は2012年に訪問してから10年ぶりの再訪となりました。稲荷山は昔と変わらず砂浜の脇に佇んでいます。ただ山頂の展望台は危険につき登頂禁止となっていました。砂浜に下るルートにはハマナスやヒルガオが咲き乱れ昨日の山にはないお花畑感を醸し出しています。




○山頂からは塩谷の古い町並みが良く見渡せます。北前船で栄えた当時の様子がそのまま残っています。ガイドの野澤さんは塩谷の味噌と醤油を造る老舗の若旦那です。何代も続くお店は国の登録有形文化財になっています。帰りに野澤屋さんの味噌づくりを見学して登頂証明をゲットしました。






【八幡山】はちまんやま100.6m
トラックレコード○岩船港から粟島へはフェリーに乗ります。小さな島なので小さな船かと心配していましたが654tもある立派な船でした。海も穏やかで快適な船旅でした。内浦港で昼食をとり車であわしま牧場まで移動し、そこから車道を歩き始めます。ほとんど車が通らず(草刈り作業の軽トラだけ)ストレスを感じさせない路です。










八幡山と八幡鼻を望む○矢ヶ鼻展望台で休憩。昨日の日本国や雪を被った飯豊連峰が望まれます。ここから八幡山が目の前に聳えます。流石に島山100選に選ばれただけあって堂々たる山容です。登山口まで急な坂道を下ります。麓までたどり着くと急な階段が始まりました。約60mの標高差を一気に登るのは息が切れます(マスクのせいかも)山頂には八幡さまのお堂が建っていました。







○山頂からの展望はありません。三角点を確認して260m先の八幡鼻の展望台まで足を延ばします。この道は2日前の下見では草がぼうぼうの藪漕ぎだったそうですが、ガイドの川原さんが懸命に刈ってくれて快適でした。しかし一度下って登り返すのは辛い・・・帰りはもっと辛かった!






【小柴山】こしばやま265.6m
トラックレコード山頂の粟島灯台○釜谷まで歩き宿に落ち着きます。一休みしてからもう一山登りましょう。粟島の最高峰小柴山です。背中平まで車であがり灯台まで1000段近い階段を上ります。幸い一段の高低差が小さくそれほどの負荷はかかりません。標高差106mですから軽い軽い。広い山頂には白亜の灯台が建っていました。この粟島灯台は日本で2番目に明るい灯台だそうです。そして待望の一等三角点が芝生の真ん中にありました。

















【逢坂山】おおさかやま235.2m
トラックレコード逢坂山の三角点○本日は島の北半分を縦断するパノラマ新道のハイキングです。背中平まで車で送ってもらい山道へ入ります。小さなアップダウンを繰り返すと逢坂山に到達です。三角点はあるものの山頂らしさのない山でした。すこし先にある展望台の方が景色も開け風も通って気持ちの良いところでした。牧平からは車道を歩き海岸沿いを南下します。






















【籏崎岩】はたざきいわ6m
トラックレコード可憐なイワユリの花○籏崎の砂浜で食事としますが生憎波が高い。昨年波にさらわれて死亡事故があった由。岩場に移動します。するとオレンジ色のイワユリが咲き乱れています。そして魅力的な岩山が目の前にあらわれました。そうすると我慢できない登山隊。おっかなびっくり岩山に取り付きます。なんとか山頂付近まで登り満足そうな顔で写真に納まります。海の向こうには月山や鳥海山が雪を被った見事な山容を見せています。






【日和山】ひよりやま12.3m
道の脇に聳える日和山○岩船港からは貸し切りバスで新潟に戻ります。ここで解散となりみなさんとはお別れです。ただし隊長の山旅は終わりません。もう1山新潟市の低山を目指します。バスで20分のところにある山でこちらも北前船の観天望気に使われていました。隊長は2019年に朝日新聞の新潟支社の取材を受けたのですが、その時の低山特集の記事に稲荷山とともに日和山が載っていました。以来訪問のチャンスを待っていたのでした。







○バス停で降りてからグーグルマップでナビをセットしようとしてうまく行きません。普段使い慣れていないものだから困ったもんだ!あげくの果てに違った対象をセットしてしまい道を渡って右往左往の大失敗。何とかセットすると今度はスムーズに導かれます。前方に木が茂った高台がありどうやら日和山らしい。






山頂の住吉神社山頂にある方角石○階段の下に日和山の看板がありました。長い階段を登ると高台には住吉神社の小さな社殿がある殺風景な場所でした。何か違和感がありますが木々に覆われていない背景が空の社殿のせいでした。しかし脇には方角石が置かれ歴史を感じさせます。




○この方角を知るための「方角石」と湊に入る目印の「山頂の松の木」と航海の安全を祈る「住吉神社」の三つが日和山の宝と呼ばれていたようです。松の木は何代目かでしょうが今でも三つの宝物は健在です。もっとも砂丘が隆起して海は望めなくなってしまいましたが。


○これにて低山徘徊の山旅は無事に終了です。天気にも恵まれ初期の目的を十分に果たすことができました。最後に日和山を追加したのはいかにも隊長らしい行動でしたね。中村みつをさんとの低山巡りは日帰りとはまた一味違った山旅となりました。また新潟県の最低峰を加えることによって低山ファンのみなさんにもより楽しんでもらえたのではないかと思っています。


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