タスマニア島

オーバーランド・トラック

オーバーランド・トラックからMt.Ossaを望む



【行程】 2/19(水)晴れ [たまプラーザ14:10=(バス)=成田第2T15:34/19:10=(QF80)=]
2/20(木)曇り [=メルボルン7:41/11:53=(QF2283)=ロンセストン12:59/13:20=(バス)=市内(ホテル)13:40]
2/21(金)晴れ一時雨 [ホテル6:43=(バス)=事務所7:00/7:52=ワルドヘイム小屋10:05/10:49−クレーター湖11:55−マリオンズ・ルックアウト12:55−キッチン・ハット13:55/14:48−スコット小屋分岐16:16−バンブラフ小屋18:18]
2/22(土)快晴→晴れ [小屋9:05−分岐10:00−ウィル湖10:25−分岐11:00−ウィンダミア湖12:27/13:13−展望台14:05−パインフォレスト小屋16:13]
2/23(日)快晴 [小屋9:00−ペリオンクリーク9:42−旧ペリオン小屋13:15/14:21−ペリオン小屋15:46]
2/24(月)曇り [小屋8:16−水場9:23−ペリオンギャップ10:50−日本庭園11:37/12:12−バルコニー13:02−稜線13:36−Mt.Ossa14:11/14:33−日本庭園16:16−ペリオンギャップ16:56−ギアオラ小屋18:43]
2/25(火)快晴 [小屋9:03−デュケイン小屋10:20/11:00−分岐11:45−ダルトン滝12:08−ファガッソン滝12:22−分岐12:48/13:25−デュケインギャップ15:18−ウィンディリッジ小屋16:25]
2/26(水)雨 [小屋8:36−橋9:39−パインバレー分岐10:42−ナルシサスベイ12:16/13:15=(船)=シンシアベイ10:42/14:43=(バス)=ホバート17:40]
2/27(木)曇り→快晴 [ホテル9:55=(バス)=ホバート空港10:17/11:40=(QF1584)=シドニー空港(市内観光)13:33/21:30=(QF25)=]
2/28(金)快晴 [=羽田5:00/6:05=(バス)=たまプラーザ7:05]
【メンバー】 隊長、男5、女4、TL、現地ガイド2



ワラビーがお出迎え ○「オーストラリアのタスアニア島にあるオーバーランド・トラックは世界中のハイカーが一度は歩きたいと憧れるロングトレイルです。ここを貸切ロッヂに泊まりながら5泊6日で65kmを踏破します。」といううたい文句に釣られて隊長は参加することにいたします。トレイルへの入山者は1日60人に限定されていて一歩通行だそうです。ますますスペシャル感満載で期待は高まります。



【一日目】
クレドールマウンテンを望む○メルボルンでプロペラの国内線に乗り換えてロンセストンへ。とてもきれいな街並みでした。次の日はまずツアー会社の事務所に立ち寄り身支度です。そこから2時間で登山口です。嬉しいことに小形カンガルーのワラビーがお出迎えです。歩き始めて1時間強でクレーター湖です。そこから登りとなり1時間でマリオン・ルックアウトです。クレイドルマウンテンには雲が少し掛かりますが、見渡す限りの草原と森林に圧倒されます。それにしても風が冷たく秋の身支度ですが身体が冷えてきます。




荒野に聳え立つバーンブラフ○すこし下ってキッチンハットで昼食です。小さな避難小屋ですが積雪時には2階から出入りするようです。ここからクレイドルマウンテンへの道が分岐しています。見上げる柱状節理のギザギザの岩肌が目に突き刺さるようです。今日は強行軍でバンブラフ小屋に着いたのは6時を過ぎていました。でも日没が8時なので全然問題ありません。




貸切ロッヂのバーンブラフ小屋○貸切小屋は一般ルートから外れて見えません。定員は14名と小さいけれど温水シャワーや乾燥室など充実した造りです。温水シャワーは5分間しか利用できません。タイマーを押して身体を洗い洗濯をするのは慣れないと難しいのですが、すぐに要領を覚えました。料理は2名の現地ガイドが作ってくれます。ワインが飲み放題なのは良かった!夜中には満天の星空に暫し我をわすれそう。南十字星など教えてもらいました。






【二日目】
狸に似たウォンバット原野の中を木道が貫く○まずはウィル湖にサイドウォークです。分岐に荷物をデポしますがカラスの悪戯防止のためザックカバーをしておきます。湖ではバーンブラフを眺めペンシルパインを愛でます。分岐に戻り整備された木道で高層湿原を歩きます。ウィンダミア湖の湖畔で昼食です。ここにウォンバットの巣があり狸のような愛嬌のある姿を見せてくれました。樹林帯を抜けると今日の宿のパインフォレスト小屋です。







【三日目】
1917年建築の旧ペリオン小屋○右手にペリオン・ウエスト(1560m)、左手前方にMt.オークリー(1368m)を見ながらボタングラスの原野を歩きます。1917年建造の旧ペリオン小屋で昼食です。100年以上前に建てられたとは思えないような立派な造りです。避難小屋として開放されています。ここから銅山跡に向かいます。小さな坑道は30mぐらいで行き止まりですが中には洞窟コオロギがいます。新ペリオン小屋の近くの河原で化石を探して遊びます。結構な数の化石が散見されました。








【四日目】
二つの岩峰の間を登って山頂手前の稜線に出る○いよいよ山旅のハイライトです。タスマニア島の最高峰Mt.Ossa(1617m)へ登頂の日です。天気は高曇りで暑くなく寒くなく登山には最適の温度でした。ペリオン・ギャップに荷物をデポして軽装でピストンです。新しくなったグレーチング木道をグングン登ります。平らな地点に日本庭園と呼ばれている綺麗な苔で覆われた植生が現れます。ここで昼食といたしましょう。岩の上でお湯を沸かして朝に自分が作った弁当をいただきます。



○いよいよ核心部分です。2つの岩峰の間を目指して急な岩場を登ります。両手両足を使って登る部分もありますが、ガイドのキラはクライマーなので心配無用です。的確な指示を受け登山隊はスイスイと登ります。ところが稜線が近くなった時にいきなり雨粒がポツンポツンと落ちて来るじゃありませんか。こりゃ大変だ!本降りになったら登れない!!



岩に埋め込まれた山頂標識○稜線に出ると奇跡的に雨は止みました。ここからは緩い登りで山頂を目指します。最後の岩場を登ると待望の山頂でした。山頂標識は岩に打ち込まれたマークのみです。若干の寂しさもありますが郷に入っては郷に従えです。高曇りの山頂からは360度の大展望が得られました。見渡す限り人の気配が感じられない大自然の間只中です。



夕陽に赤く染まるカテドラル○ヘトヘトになってギアオラ小屋に着いたのは6時43分でした。シャワーを浴びて寛いでいたらダイニングから正面に見えるカテドラルの岩壁が夕陽に赤く染まります。ウルルでも赤い岩壁を鑑賞しましたが、それよりも一段と輝いていました。カメラマン氏は生憎シャワー中です。慌てて呼びに行きますが果たして間に合うのでしょうか?少し蔭になりましたが何とか間に合ったようです。



【五日目】
○今日は快晴ですが森の中の道が多いので暑くはないでしょう。百年以上前に建てられたディケイン小屋に立ち寄ります。ハンターの住家として活用されていましたが毛皮需要が減って観光に使われたようです。ここから国立公園の最古の森といわれる美しい樹林帯の道となります。この自然をより身近に楽しむために一人づつになって暫く歩きます。森の息吹が直接感じられる貴重な体験でした。



○分岐からダルトン滝とファガッソン滝に立ち寄ります。かなり迫力のある滝ですが日本の滝と比べると大したことはありません。デュケイン・ギャップで休んでいると前方から話声が近づいてきます。「あれぇ一方通行じゃなかったけ!」・・・パークレンジャーのパトロールでした。



【六日目】
○初めての本格的な雨です。カッパの上下を着て出発します。群れた木道を黙々と歩きます。途中で一般小屋のハイカーと抜きつ抜かれつでナルシスベイのナルシサス小屋に到着です。ここで昼食としますが小屋は混雑しているので外で食べます。我々は1時の船を予約してあるので安心ですが、一般の人は3時半以降の船となるようです。





ビジターセンター前にハリモグラがお出迎え○シンシアベイまで船に乗りビジターセンターでお土産を求めます。雨が上がった庭先には可愛いハリモグラがお出ましでした。ホバートまで3時間バスに揺られてホテルで縦走の垢を落とします。旅の完走を祝って乾杯です。分厚いサーモンを食してタスマニアを堪能します。



○翌日は昼にホバートからシドニーへ移動。午後の空時間は観光にあてます。ホバートは曇っていましたがシドニーは快晴で観光日和でした。遊覧船で湾内を一周しました。セールGPのヨットレースも見られて感激です。



○憧れのオーバーランド・トラックに思い切って出かけて正解でした。天候にも恵まれてMt.Ossaにも登れましたし、雄大な自然を堪能することができました。現地ガイドの2人やツアーリーダーに助けられ、メンバーとは和気藹々の楽しい山旅でした。

2020年の記録へ