小笠原(父島)

躑躅山・飯盛山・振分山

洲崎の海岸から飯盛山を望む



【行程】 3/1(木)雨のち曇り [ペンション7:17=(車)=小港8:05/8:50==躑躅山登山口9:04−朝立岩11:28−ガジュマル12:35/13:35−小港登山口14:44−駐車場14:50/15:12==ペンション15:27(泊り)]
3/2(金)晴れ [ペンション8:05−村役場前8:12=(村営バス)=扇浦海岸8:25−洲崎E8:51−飯盛山8:58/9:04−E9:10−登山口9:24−振分山9:33−登山口9:38−扇浦海岸9:53/10:15=(村営バス)=10:20−(海洋センターなど)−二見港14:00/15:30=(おがさわら丸)=]
3/3(土)晴れのち曇り [=竹芝15:30]
【メンバー】 隊長、TL、S夫妻、N夫妻、A、K、Y



躑躅山(朝立岩)
朝立岩を仰ぐ ○父島に戻るとペンションに直行です。今度の宿は街中なので観光に便利です。夜にはナイトツアーでオガサワラオオコウモリやヤドカリを観察します。ところが翌日になると雨が降っているじゃありませんか。雨の中のトレッキングは気持ちが盛り上がりません。嫌々カッパを着て出発します。今日は躑躅山周辺を歩きます。まずは小港海岸へ向かい散策後、登山口まで移動です。



○幸い雨は弱まりました。躑躅山は山頂付近の岩場でオガサワラノスリが営巣中なので5月まで立ち入り禁止です。ですから南側の中腹を巻きます。朝立岩を見に稜線に上がりますが、物凄い強風に吹き飛ばされそうになります。



巨大ガジュマル○こんな天気ですから千尋岩はパスして巨大ガジュマルまで脚を延ばします。戦前の街道跡を歩きジャングルのなかに1本だけ残った電柱に驚き、道端に放置された車の残骸を確認します。ガジュマルは山中のサトウキビ製造所跡にあります。人間が移植したものが大きく育ち、さらに実生するようになり爆発的に広がる気配を見せていますが、いまだ対策は取られていません。



○沢沿いに下ると尾根筋に朝立岩が望まれます。戦前のわらび畑は今も生きています。かなり強い植物なのですね。舗装道路が見えてくると小港海岸の駐車場です。ここから車で宿に帰ります。最後の最後にスコールが襲って来て、せっかく乾いたカッパが濡れてしまいました(残念!)


飯盛山50m
飯盛山の凹型山頂部○低山ハンターとしては是非とも登りたい山でした。50m未満のリストから外された50mの山です。隊長はいつかは挑戦したいと思い続けていたのでした。最終日は2時まで自由時間なので出かけましょう。扇浦までは村営バスが利用できます。バス停から舗装道路を約1Kmで洲崎です。ここは日本軍の緊急飛行場があった場所で現在の飛行場計画地です。



○昔は海で対岸には野羊島がありました。今では地続きで野羊山となっています。この野羊山の付け根の辺りに目指す飯盛山はあります。昔は79mの尖がった岩山だったようですが返還後に採石事業で先頭部が削られました。頂部は凹型に削られ見る影もありません。



○海岸に面した崖は絶壁でとてものぼれる壁ではありません。野羊山に連なる稜線沿いを藪を分けながら登ります。最初のうちは急登で木に掴まれながら必死に身体を持ち上げます。やがて緩やかな道跡にでて左手に回り込むように山に向かいます。藪を少し分けると待望の山頂でした。円形の頂部は凹型に削られていますから外輪部を周遊してみましょう。向こう側まで進みますが5mほどの壁を降りることが出来ません。



○仕方がないのでこちら側に戻って凹み部分に降り立ちました。眼下には白波を立てる海岸線が望まれ迫力のある眺めでした。さすがは東京都第二位の低山です。苦節十数年の末に得られた登頂に満足した隊長は慎重に下ります。


振分山99m
振分山西峰の電波塔海から見た振分山○まだ時間があるので行きがけの駄賃として99mの低山に立ち寄りましょう。こちらは双耳峰ですが片方の頂には電波塔が建っています。そこまでは車道が通じているのです。先ほどバスを降りた扇浦への道の峠部分から道が分かれています。未舗装の道を登って行くと倒木に行く手を阻まれますが、歩行者は脇を通れます。



○右に大きく回ると電波塔に達しました。テレビの中継所でした。双耳峰の東峰が少し高いようなので藪を分けます。始めは歩き易い林でしたがあと10mは熱帯植物が生い茂り大変な苦労をさせられました。とくに外来種のリュウゼツランが1本だけ道の真ん中に生えていて棘があるので慎重に掻き分けながら進みました。



海上自衛隊の飛行艇○山頂は広場になっていますが周囲を木々に覆われ展望はありません。そこへいきなり爆音が轟きます。海上自衛隊の水上飛行艇が離着陸訓練に来ているのでした。急病人などの対応で飛行場のない父島では欠かすことのできないツールなのでしょう。



○楽しかった小笠原ともお別れです。見送りの小舟が20隻以上も追随してきます。デッキに立った人々が一斉に海に飛び込むパフォーマンスに拍手喝采でした。かなり波の荒い湾外までお見送りが続き名残は尽きません。本当に幸せな時間を過ごすことができたパラダイスでした。



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