黒部峡谷「下の廊下」
黒部ダム〜阿曾原温泉〜欅平
最大の難所別山谷出合の雪のブロックを乗り越える
【行程】 | 10/14(土)曇り [たまプラーザ8:49=(東急・JR)=新宿9:29/10:04=(あずさ55)=信濃大町13:40/13:47=(タクシー)=扇沢14:11/14:30=(トロリーバス)=黒部ダム14:46/15:00−ロッジくろよん15:45(泊り)] 10/15(日)曇り一時小雨 [ロッジ4:25−黒部ダム4:50−ダム下橋5:30−内蔵助分岐6:25−別山谷出合8:45−白竜峡9:36−十字峡10:33/10:55−半月峡11:58−東谷吊橋12:38−仙人谷ダム13:00−阿曾原温泉小屋13:23(泊り)] 10/16(月)小雨 [小屋6:30−折尾滝8:10−大太鼓9:10−蜆谷10:22−下降点11:03−欅平11:50/12:49=(黒部峡谷鉄道)=宇奈月(宇奈月温泉)14:06/16:30=(富山地鉄)=新黒部(黒部宇奈月温泉)16:49/17:26=(はくたか572)=東京20:00=(JR・東急)=たまプラーザ21:00] |
【メンバー】 | 隊長、K原リーダー、男2、女2 |
○黒部峡谷「下の廊下」に行ってきました。この道は黒部ダム建設時に深い黒部の峡谷の岩壁を這うようにして造られました。冬の雪で桟道が流されるので、雪解け後に整備して僅か1か月ぐらいの間しか通ることができません。難度の高い絶壁の道を通るのと、小屋の予約などのわずらわしさからツアーへの参加を決心いたします。隊長は海外ツアーへの参加はありますが、国内ツアーへの参加は初めてとなります。
○ネットで調べるとアルプスエンタープライズが参加者を募集していました。日程の都合がよいので申し込みをいたしましたが・・・自分で行くのに比べるとやはり料金が高い!もう目をつぶって清水の舞台から飛び降りる心境です。ところが今年は例年よりも残雪が多く9月中旬になっても開通の目途が立ちません。ようやく10月6日なって開通です。我々の出発は14日ですから何とか間にいました。
○新宿駅でガイドと待ち合わせです。参加者は5名とのこと。残席少々とのHPの表示は?これで本当にペイするのでしょうか?疑問は尽きません。新宿からは男性3名で女性2名は信濃大町で合流です。初日は黒部ダムから少し歩いてロッジくろよんで泊まります。ここは山小屋というより旅館風です。個室で風呂も使えます。明日に備えて簡易ハーネスの使用訓練を行い・・・緊張感は増すばかり(天気予報も雨だし)
○弁当を使い4時半にロッジを出発です。暗い中ヘッドランプで黒部ダムに着き、ダム下の橋を渡り左岸に出ます。内蔵助分岐まではまぁ普通の登山道です。ここからいよいよ険しい桟道の始まりです。真新しい丸太の桟道と梯子が随所に架けられています。高度感あふれる岩壁に張られたワイヤーを左手で握りながら慎重に脚を運びます。
○天気予報では雨でしたが何とか曇り空です。濡れた岩場は勘弁願いたい。いよいよ最初の核心部の別山谷出合です。ここは大きな雪のブロックが残り梯子で乗り越す必要があります。念のため6本爪のアイゼンは持ってきていますが使わずに済めばありがたい。梯子を上って雪渓に出ますとロープが渡してあります。雪は堅いけれどスプーンカットに乗れば、ロープに掴まりなんとか踏ん張れました。
○ところが恐れていた雨が降ってきました。慌ててカッパを着用しますが、脚の動きが制限されて視界も遮られるので歩き難いこと甚だしい。そして岩壁をくり抜いて造られた道は高さが低いのです。登山隊で一番長身の隊長は岩に頭をぶつけること数度(ヘルメットがあって本当に良かった!!)ラッキーなことに雨は1時間ほどで上がりました。
○十字峡の手前の広場で昼食をとり、十字峡を見に道を外れて山道を下ります。大岩の上にロープで乗ると、眼下に十字峡の全体が眺められました。水量の多い流れが三方向から合わさり下流へ流れて行きます。大迫力の絶景ポイントに参加者は皆感激です(やはりガイドツアーの醍醐味でしょう)道に戻って十字峡吊橋を一人ずつ渡ります。半月峡を眼下に眺めるとやがて東谷吊橋です。こちらは少々長いので慎重に渡ります。
○やがて青緑色の水を湛えた仙人谷ダムに到着です。ダムの上を通ってダム施設内の道を進みます。途中トロッコ軌道と交差したり高熱隧道を通ったりと面白い経験をしました。ここから水平道まで半時間の登りです。最後は阿曾原温泉まで下ります。ここの露天風呂は源泉掛け流しの野趣あふれる温泉です。早い到着でしたので湯船はほぼ貸切状態でした。温い湯船につかると緊張感が融け、疲れが吹き飛ぶようでした。
○小屋は悪天予報のため大量のキャンセルがあり、定員の2倍から1.2倍ほどとなり余裕です。ただ夜半から降り出した雨は次第に強くなり、ダッダッダッダと屋根を叩く音に生きた心地はいたしません。朝になっても小降りにはなったものの雨は降り続きます。カッパを着ての出発です。本日も気の抜けない道ですので緊張感を保ちながら歩きましょう。
○折尾滝の先で砂防堤内トンネルを通過します。場合によっては泥水が膝まで溜まっている可能性もありましたが、数日前に浚えてくれていて大丈夫でした(ラッキー)いよいよ最大の核心部である大太鼓の通過です。コの字形にくり抜かれた岩壁は足元から200m下まで切れ落ちていて見るだけで膝に震えがきます。
○トロッコ列車の汽笛が聞こえてくると欅平は近い。しかし鉄塔の下降点から270mの下りが待っていました。でも最後は根性で何とか乗り切りました。下界では視線が熱い・・・きっとドロドロの濡れ鼠で駅舎に入った我々は観光客から見れば異邦人なのでしょうね。それにしても濡れた身体に雨のトロッコ列車は寒いのなんの、我慢大会でした(風邪を引きそう)
○ついに念願かなって「下の廊下」を歩くことができました。紅葉には少し早かったのですが黒部ダムから十字峡あたりまでは十分見ごたえがありました。すこし雨にはなりましたが始めの予報よりは随分とましな天気でした・・・きっと隊長の念力が利いたのでしょう。憧れの阿曾原温泉にも入れて大満足のツアーでした。ツアーリーダー始め同行の方々ありがとうございました。
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