白馬岳

白馬岳〜旭岳〜清水岳

清水岳から旭岳と白馬岳を望む



【行程】 9/7(土)曇りのち雨 [新宿22:54=(毎日アルペン号)=]
9/8(日)小雨のち晴れ [=猿倉5:18/5:52−白馬尻6:56−c22009:35−避難小屋10:24−村営山頂小屋11:31/14:41−白馬岳15:11/15:18−村営山頂小屋15:42(泊り)]
9/9(月)快晴[村営小屋6:47−旭岳肩7:13−旭岳7:34−肩7:57−清水岳9:25−不帰岳避難小屋11:07−最初の沢13:15−名剣沢登山口14:46−祖母谷温泉15:03(泊り)]
9/10(火)晴れのち曇り [祖母谷温泉8:18−欅平9:09/9:37=(黒部峡谷鉄道)=宇奈月温泉10:59/12:07=(富山地鉄)=新魚津(JR魚津)12:48/12:59=(はくたか13)=越後湯沢14:51/15:00=(とき328)=東京16:20=(東京メトロ・東急)=たまプラーザ17:06]
【メンバー】 隊長、林道の鴉天狗


1日目(猿倉〜白馬岳)
いたる所にクレナスがあり雪渓上は歩けない ○今回は秋の遠征前に足慣らしで白馬岳を目指します。相棒のたっての願いで黒部側の祖母谷温泉に降りるプランとなりました。都合の良いことに百高山の旭岳が縦走路から外れたところにありますので立ち寄りましょう。夜行バスで新宿を出た時には小雨が降り出し、明日の予報も芳しくありません。土曜日の夜なのにお客は8人だけとは寂しい限りです。


○猿倉に着きましたが雨がパラパラ落ちてきます。加えて昨晩はバスの冷房が利き過ぎていて体調がいまいちです。そんなわけで出発のモチベーションが上がらないままダラダラと時間が経過して行きます。重い腰を上げて歩き出し白馬尻で朝食にします。外のベンチにいたら小屋のニイサンが「中で食べろ、お茶もあるし」ご厚意に甘えて楽をさせてもらいました。


○雪渓は思ったより少なく、またクレバスを避けて右岸の巻道を通らされたので、雪渓上を歩いたのは正味50mぐらいでした(情けなぁ〜)日曜日なので下ってくる人は多かったのですが、登りはほとんどいません(こんな天気じゃね)標高が上がるにつれて雨脚が強くなり気温も低下してきます。幸い風はそれほどでもないので助かりました。


○葱平の避難小屋は新しくなっていました。数人が座れば一杯になる小ささです(管理部屋が別にある)火器は使用禁止ですって、でも火が使えない緊急避難小屋って有り得ない。落石注意の看板が多い地帯を慎重に通過すると、いよいよ最後の壁です。これを登り切ると村営頂上小屋です。本日の一番乗りでした。


強力伝のモデルとなった展望表示盤○何故か乾燥室のストーブから離れようとしない鴉天狗。見ればズボンがびしょ濡れじゃありませんか。カッパの劣化による雨水の浸透と綿パンツによる相乗効果でした(なんで北アルプスに綿パンツ?)併設のレストランでまったりしていると、窓の外では俄かにガスが晴れ渡り白馬岳の山頂が見渡せるようになりました「すわっ出動だ!」隊長の号令のもと空身でアタックです。


縦走路分岐から旭岳を望む○ガスを吹き飛ばした強風が冷たいけれど、何のその。山頂からは周囲の山が次々と望まれ、展望は諦めていただけに嬉しい誤算でした。でも若者に新田次郎の強力伝を語るオジサンになったら、こりゃもうおしまいですね。縦走路の分岐からは立ちはだかる旭岳を前に、明日の登頂を誓う隊長でした。


○夜中に頭痛で目が覚めた。おかしいなぁ2700mで高山病?どうもバスの冷房で風邪を引いたようです(その後2日間も悩まされました)村営山頂小屋は従業員のホスピタリティの良さで定評があります。雨で客が少なかったこともあったのでしょうか、ゆったりとした山小屋生活ができました。ただ朝食が6時からってアルプスの山小屋として遅くない?


2日目(白馬村営小屋〜旭岳〜祖母谷温泉)
旭岳の山頂、右の大岩の方が若干高そうだが・・・君子危うきに近寄らず○さて本日がメインとなります。まずは旭岳を目指します。縦走路は肩を通過しますので、そこから稜線沿いに登ります。始めは左側を巻きますが稜線に上がってからは薄い踏跡を辿ります。本日は朝から快晴です。澄んだ大気のお蔭で遠く槍・穂高まで北アルプスの山々がクリアに遠望できました。山頂には標識はなくケルンが積んでありました。最高点は離れた大岩の上ですが、ちょっと登るのに苦労しそうです。こんな所で怪我でもしたら大変です。今回の合言葉は「大事の前の小事にかかわるな」ですから当然パス。


○清水岳までは嫋やかな緑の稜線散歩です(小旭岳の巻き道だけは藪が被り朝露でズボンがびしょ濡れ)お花畑はピークを過ぎていますが、池塘の脇には松虫草や花の落ちたチングルマが風にそよぎ薄秋色の楽園でした。清水岳の山頂は縦走路から数分のところですから踏跡をたどります。


正面に剣岳を眺めながらお花畑を行く贅沢な路○清水岳の下りはお花畑と池塘が点在し、正面には剣岳の鋭い姿が望まれる気持ちの良い路でした。不帰岳避難小屋は立派な建物です。すぐそばに水場があります。ここから祖母谷温泉までは4時間の長丁場です。百貫山の大下りを終わると小沢を6本越えます。道はおおむね整備されていますが、沢を渡る地点が崩れているのと大きな倒木が何本かありロープが掛けてありますが越えるのに一苦労です。


○名剣沢に降りると河原を渡り林道に出ました。硫黄の臭いが強くなり鉄橋が見えてくると祖母谷温泉です。内湯は独占状態、露天風呂も先客は1人だけの極楽です。お湯は力のある硫黄泉で肌にピリピリ浸みるようです。平日なので宿泊客は6人だけ。ここではゆったりとした時間が流れています。夕食時にはNHKの取材の話しで盛り上がりました(にっぽん百名山スペシャルの華恵さん)


3日目(祖母谷温泉〜欅平)
○翌日は地獄谷温泉で源泉に触れ(熱い!!)欅平までのんびりと歩いて、トロッコ列車で黒部峡谷を下ります。トンネルの中は涼しいを通り越して寒いじゃん、慌ててフリースを羽織ります。宇奈月での接続が悪かったのですが、お蔭で電力館を見て白海老丼を食し地ビールで乾杯です。最後は観光モードとなってしまいましたが、白馬岳から祖母谷温泉までは静かで印象深い素晴らしいルートでした。巷では『一度やったら止められない』と云われている平日登山でしたが・・・どうやら病み付きになりそうです。




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