南アルプス南部縦走

蝙蝠岳〜塩見岳〜烏帽子岳〜小河内岳〜荒川岳〜赤石岳

塩見小屋から塩見岳・天狗岩を仰ぐ



【行程】 8/11(日)晴れ [たまプラーザ5:00=(車)=畑薙第一ダム臨時P10:08/12:00=(リムジンバス)=二軒小屋ロッヂ13:32(泊り)]
8/12(月)快晴 [二軒小屋3:25−蝙蝠岳登山口3:50−中電施設5:05−C20556:17−C23657:31−徳右衛門岳8:33−稜線9:54−蝙蝠岳10:38/11:00−縦走路12:51−塩見岳東峰12:37−西峰12:49/12:59−塩見小屋14:43(泊り)]
8/13(火)快晴 [塩見小屋4:57−本谷山6:18−三伏山7:04−三伏峠7:20−烏帽子岳8:16−前小河内岳9:00−小河内岳9:38−板屋岳12:03−高山裏避難小屋12:53(泊り)]
8/14(水)快晴のち曇り [高山裏避難小屋4:58−水場5:19−C27306:40−荒川前岳7:53−荒川中岳8:05−荒川小屋9:11−大聖寺平9:44/9:58−小赤石岳11:09−赤石岳11:46−赤石小屋分岐12:06−富士見平13:35−赤石小屋14:00(泊り)]
8/15(木)晴れ [赤石小屋5:47−歩荷返し6:15−樺段7:08−椹島7:59/10:24=(リムジンバス)=臨時P11:19/11:30==白樺荘11:38/12:36==たまプラーザ18:34]
【メンバー】 隊長、林道の鴉天狗


1日目(畑薙第一ダム==二軒小屋)
○今年の夏休みは南アルプス南部の未踏峰を狙います。なかでも百高山の蝙蝠岳と烏帽子岳・小河内岳は外せません。そこで東海フォレストのリムジンバスを利用して二軒小屋〜塩見岳〜三伏峠〜荒川岳〜赤石岳〜椹島の周回ルートといたします。ところが二軒小屋までバスに乗るためにはロッヂに宿泊する必要がありますが、ちょっとリッチな料金設定で年金生活者にはちと痛い。素晴らしい西洋料理風のコースでしたが中途半端感は否めません。ただ食前酒に出た5年物の山ブドウのお酒は秀逸でした。

2日目(二軒小屋〜蝙蝠岳〜塩見岳〜塩見小屋)
翼を広げたような蝙蝠岳(小河内岳付近から)○蝙蝠岳までは長丁場なので朝早く出発です。見上げれば満天の星空でした。橋が通過できなくて登山口までのアプローチが変更になっていました。ところが隊長の98年のエアリアと同じじゃありませんか。ただ旧に復しただけだったのでした。登山口で林道を外れ急登が始まります。ヘッドランプを頼りに道を探りながらゆっくりと登ります。


○初めの計画では秋の山行に備えて久しぶりのテント持参と考えていたのですが・・・荷物が重くなるので小屋泊り軽量カモシカ登山に変更です。さらに駐車場ではシュラフとガスコンロ・コッフェルをザックから抜いて替わりに水を多めに持ちます(この暑さですからね)しかし火器を持たない南アルプスって・・・隊長の常識では有り得ません。


○軽量化を図ったとはいえ10数キロの荷物が肩に掛かります。ようやく周囲が明るくなった頃に中部電力の施設が現れます。山麓からモノレールが通りプラットホームまである豪華版でした。登山道は脇の階段を上がります。ここからは原生林の中の長い登りが続きます。


○徳右衛門岳の手前に水場への分岐があります。昨晩泊まった登山者に冷たい水が得らると教えてもらいます。気温が上がってくると、風の通らない樹林帯の道は茹だるような蒸し暑さです。ようやく森林限界を越えて稜線に出ると涼しい風が吹き上げてきます。ここまで来れば目指す蝙蝠岳までは指呼の距離ですから、疲れた脚にも力が戻ってきます。


○蝙蝠岳からは南アルプスの山々が遠くまで望まれました。塩見岳へは岩稜地帯をいったん下り登り返します。途中の二重山稜の凹部では上からの熱射と無風に悩まされます。縦走路からは登山者の姿も増え道も良くなります。最後の苦しい登りで西峰に立ちました。そこには360度の大展望が待っていました。でも足場が悪いので広い東峰に移って休みます。


○本日は悪評高い塩見小屋に泊まります。狭い小屋に30名詰め込み、仮設小屋に20名入れます。そのため小屋の前は大混雑です。夜も汚い寝具と人いきれに悩まされ十分な睡眠がとれませんでした。昔はこんな軟じゃなかったのに(歳はとりたくないなぁ)唯一の救いはトイレが携帯式になったことでしょうか。これなら天場を復活しても良さそうなものです(確かキャンプ禁止はトイレ問題だったと記憶しています)

3日目(塩見小屋〜三伏峠〜高山裏小屋)
富士山の裾野は雲の中(烏帽子岳手前から)縦走路から烏帽子岳を振り返る○さて翌朝は朝食をとってから出発です。昨日の疲労感から計画を短縮して高山裏小屋までとします。まずは三伏峠までは意外に長い道のりでした。峠からは予想以上の急登で烏帽子岳に到達です。前方には前小河内岳と小河内岳が連なります。避難小屋のある小河内岳からの富士山の眺望は絶品だそうです。ここからは奇跡的に麓まで見晴らせる絶好の撮影スポットなのです。残念ながら天は味方せず下部は雲海に隠れていました。


○下って行くと樹林帯に入りますが、それほど蒸し暑くなく快適に飛ばします。高山裏避難小屋には1時前に到着ですが、まだ中岳までは3時間半もあるので泊まることにしましょう。名物親父がいろいろ話かけてきます。だんだんと宿泊客も増えて最終7名となりましたが、ここに来るのはテント泊の登山者が多いようです。水場は遠いのですが小屋の親父が親切にも分けてくれるのでした(ところが只より怖いものはない・・・哀れ隊長は腹を下して七転八倒の苦しみでした)

4日目(高山裏小屋〜荒川岳〜赤石岳〜赤石小屋)
○翌日のハイライトは荒川岳への600mの急登です。暑くなる前に登り切ってしまいましょう。山頂直下で陽の光が差し込みますが爽やかな風に助けられ荒川前岳に無事登頂です。ザックを背負ってゼイゼイ言っているのに、シャッターを押してあげる鴉天狗は良い人ですね。今日は空気が澄んでいて遠くまでクリアに見渡せます。しばし荒川岳からの大展望を堪能します。ここからの赤石岳は実に堂々たる山容です。小平地から中岳をピストンして荒川小屋に向かいます。途中のお花畑は鹿避けの柵で見る影もありません・・・何だか悲しいね。


ガスがでると雷鳥が現れる荒川岳の下りから赤石岳を望む(この時までは快晴)○大聖寺平から小赤石岳への登りは半端ではありません。小赤石岳が3081mもあるなんて気付きませんでした(オイオイ地図を読めって)でも曇り空になり炎天下ではありませんから、顎は出ましたが何とか登り切りました。ガスが出てきて展望は難しい状況ですが、そのかわりに雷鳥が姿を現しました。椹島分岐にザックをデポして山頂を目指します。


○生憎の天気で展望は得られませんでしたが、15年ぶりの山頂は静かに登山隊を迎えてくれました。他にはオジサンが一人いるだけの寂しい頂でした。本日の宿は赤石小屋です。大倉尾根を下りますが、富士見平までの長いこと。なかなか小屋に着かず疲労困憊でした(どうやら朝方の下痢が利いているようです)

5日目(赤石小屋〜椹島)
○本日は椹島まで下るだけです。3時間半の行程ですが体調も戻りましたからバスに間に合うように余裕で下りましょう。軽快な足取りで下りますが、それは最後の30分で一変します。ものすごいスピードで抜き去った2人連れにくらいつきます。壮絶なスピードで下るわけは?(どうやら8時のバスを狙っているらしい)椹島に飛び込んだ時にはバスの発車直前でした。


○何とバスにはあと1人しか乗れないとのこと。我々は諦めて後から来た単独行に譲ります。ところが数え直したらあと1人乗れるとか『ふざけんな!』結局2時間半も椹島でぼけっとすることになりました・・・高齢の方との話が面白かったけどね(負け惜しみ)帰りには新しくなった白樺荘で汗を流します「昔は無料だったんですよね」混雑する露天の浴槽で昔談義に花が咲く。


○お盆には珍しく天候に恵まれた5日間でした。快晴続きなのに午後から雷や夕立もなく安定していました(下界では猛暑とゲリラ豪雨だったようですが)赤石岳だけは午後から雲の中でしたが他は全て視界良好でした。おかげで初期の周遊計画を全うすることができました。でも個人的には体力・気力の衰えを痛感する山行となりました・・・もうテント持参は無理かなぁ(情けなぁ〜)




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