高妻山・乙妻山

乙妻山から高妻山を望む



【行程】 6/29(土)曇り [たまプラーザ12:20=(車)=戸隠キャンプ場入口18:40(泊り)]
6/30(日)曇り時々晴れ [戸隠キャンプ場入口5:20−弥勒尾根登山口5:43−六弥勒7:48−九勢至8:37−高妻山9:37/9:45−乙妻山10:39/11:10−高妻山11:58−九勢至12:36−六弥勒13:19−登山口14:29−駐車場14:52/15:14=神告げ温泉15:25/16:10=たまプラーザ20:45]
【メンバー】 隊長、林道の烏天狗



○高妻山は百名山を巡っていた時に訪れましたが、その時には奥の乙妻山までは行けませんでした。東京を朝一番の新幹線で出たのでは日帰りは難しいし、天気も悪かったので次回に残しておいたのでした。あれから13年経ちますが、乙妻山への登山計画は高妻山の登りの苦しさを思い出すたびに白紙に戻されるのでした(情けなぁ〜)


○ところが最近になってショートカットルートが出来たとの情報を入手いたします。地形図を見ると五地蔵山に突き上げるルートです。たいして楽になるとは思えませんが試してみる価値はありそうです。相棒の強い希望もあってトライすることになりました。今度は早朝から登るべく山麓に前泊といたします。土曜日の昼から出発しても現地到着は夕刻となります。観光地の週末とはいえお店はほとんど閉まっています。食堂探しであっちこっちフラフラと草臥れました。


可憐なシラネアオイが満開○翌朝は暗いうちから登山者が出発して行きます。一般的な帯岩ルートが崖崩れで通行止めなので、高妻山へは弥勒尾根ルートだけとなります。牧場から渡渉して尾根に取り付くと意外と緩やかで歩く易い登りが続きます。新緑のブナ林を森林浴しながら高度を上げて行きます。相棒の調子が出ませんのでトップを交代しますが、登山隊の標準スピードに達しません。あっさり単独行に追い抜かれてしまいます(悲しい〜)


○山頂が近くなると傾斜が急になります。気温も上がってきてブヨの大群がまつわりつき極めて不快です。虫除けスプレーの効果は薄くあちこち刺されてしまいます。他の登山者の防虫ネットが羨ましい。休憩から30分も歩いたところで前方におばさん団体が苦労しています。虫が煩いので休むに休めず已む無く抜き去ります。もうすぐ山頂かとニセピークに騙されて1時間20分も歩いてしまいました(この無理が祟って後半バテました)


○稜線上はガスで今回も山頂からの展望は期待できそうもありません。でも前方に立ちはだかる高妻山の姿が見えないので助かりました。鞍部では風に揺れるに咲くシラネアオイの可憐な花に心が洗われます。壁のような急登を登り切ると緩やかな稜線となり十阿弥陀を過ぎると山頂です。生憎のガスで展望はありませんから一休みしたら先を急ぎます。


○道は急に細くなり急な傾斜の下りとなります。登山道の脇にはコイワカガミが群生していて脚の踏み場に困るほどです。キレットでは谷から涼しい風が吹き抜け生き返ります。稜線を下って行くと雪渓に出ます。対岸に渡ってから谷を辿るように登ります。ガスの中では踏み跡も薄く帰りのことを考えると心配です。


乙妻山の山頂はガスのち晴れの大展望○雪渓が切れて急傾斜を登ると待望の山頂でした。展望はありませんが記念写真に納まります。暫くすると単独行が到着です。するとどうしたことでしょう。急に周りのガスが晴れ遠望が利くようになりました。まずは雨飾山、続いて焼山、火打岳が雲の間から姿を現します。残念ながら妙高山はお預けでした。


高妻山の登り返しから乙妻山を振り返る○今度は反対側の雲が晴れ始めました。高妻山の鋭い山容が望まれ・・・息を飲みます。でも帰りの登り返しを考えると溜息が出ます。思わぬ展望を堪能できた登山隊は意気揚々と下山します。心配していた雪渓は晴れていれば踏み跡も明瞭で何の問題もありません。流石に高妻山の登りは脚に来ましたが短い区間です。


○高妻山に戻ると再びガスに覆われて展望はありません。わずか1時間あまりの幸運だったようです。結構な登山者が高妻山に登っていたようです。我々が下る間にも次々とすれ違います。もう気温も上がり汗だらけで登ってくる人たちは気の毒でした(やはり早起きは三文の徳)


○帰りも弥勒新道を下りますが、聞いていたほどは滑ることなく歩き易い道でした。そういえば13年前は高妻山の最後の急登は、根曲り竹の上を滑りながら大変な思いで通過したものでした。でも今では登山道上に竹は無く通過に支障はありません。やはり歩くことによって道は造られるのですね。


○湿度の高い日でしたので蒸しぶろ状態に苦しみましたが、何とか1時間10分で登山口に下りました。家族連れで賑わう牧場やキャンプ場を通り駐車場に戻ります。案内所で日帰り温泉情報をもらい中社へと向かいます。神告げ温泉は残念ながら塩素臭い循環でしたが汗を流してさっぱりとします。


○何とか13年前のリベンジを果たしました。やはり乙妻山は前泊しないと難しかったようです(体力が落ちているから尚更ですね)午後から崩れるとの予報でしたが、乙妻山では奇跡のような展望が得られ登山隊の運の強さには驚かされます。帰り道では長野市内から雨で、上信越道では豪雨に見舞われるなど大変でした。それにしても乙妻山は素晴らしい山でした。本当に高妻山だけでは勿体ない。


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