王岳・三方分山

五湖山の下りから三方分山を望む



【行程】 1/27(日)快晴[たまプラーザ4:35=(車)=西湖いやしの里7:07/7:27−山道8:16−王岳9:40/9:53−横沢の頭10:44−五湖山12:08/12:24−女坂峠12:52−三方分山13:41/13:54−精進峠14:29−他手合浜県営駐車場15:00/15:36=(タクシー3500円)=西湖いやしの里15:45/15:53=(車)=いずみの湯16:01/17:17==たまプラーザ19:06]
【メンバー】 隊長、林道の鴉天狗



○大型寒波が来たので雪遊びがしたくて出かけます。まだ14日の降雪が残っているので、低山でも山々は白い装いです。今回の山梨百名山を求めての旅は、御坂山塊の王岳と三方分山です。この2山は別々に登られることが多いのですが、直線距離で4Km弱なので縦走してみましょう。7時には西湖いやしの里に到着したものの、気温が−10℃とは寒すぎます。靴下は冬用でしたが、靴は夏用でした(情けなぁ〜)


○林道は雪に覆われていますが一条の踏跡がありました。大きく曲がりながら高度を上げて行きます。やがて林道から外れ山道となり急登が始まります。ようやく王岳から南に派生する尾根に出ますと、そこには立派なトレースがありました。ここからは緩い直登で稜線に出ます。縦走路を右折すると王岳の山頂でした。


縦走路から振り返ると王岳が聳え立つ○快晴の青空に逆光の富士山が浮かび上がります。この雄大な景色を堪能してから縦走路を西に向かいます。ところが縦走路にはまったくトレースがありません「なんたるこっちゃ!」おまけに急斜面にはたっぷりと雪が積っているじゃありませんか。始めは膝までのラッセルでしたが、吹き溜まりでは腰まで埋まる物凄さに思わず弱気が出てしまいます。テープの類が見つからないので適当に地形を辿るのですが、白い尾根筋と見えたのは岩に積もった雪でした。


○稜線の瘤からは前方に南アルプスのパノラマが展開します。雪を被り真っ白に輝く峰々が聖岳・赤石岳・荒川岳・塩見岳・農鳥岳・間ノ岳・北岳と続き、最後は雪が着いていない険しい山肌の甲斐駒が聳えています。このように素晴らしく南アが一望できるとは、期待していなかっただけに感激ものです。振り返れば王岳の山頂が畚のように盛り上がっています・・・反対コースでなくて良かった。


三方分山からも富士山が美しい○天気は快晴ですが西からは寒風が吹きつけてきます。ザックのサイドポケットに入れたペットボトルのお茶は、凍ってシャーベット状になってしまいました。風の当る顔面は頬と鼻が冷たくなり感覚が無くなってきました「ヤバイ!」手袋を外し必死に掌で頬を温めます。深く沈み込む雪に脚を取られながら、うつむき加減で黙々と進みます。この調子で進んだら三方分山には何時に着くのやら。もしかすると途中の女坂峠からの下山も考慮しないといけません。


○ところが横沢の頭から半時間ほど進んだところで、唐突にトレースが現われました。王岳を目指したけれど途中で諦めた登山者のようです。急に足元が自由になり飛ぶようなスピードで前進できるようになりました。この結果、横沢の頭から五湖山の間はコースタイムより10分遅れでの到着です。山頂の少し先に展望の良い陽だまりがあったので昼食といたします。前方には堂々たる山容の三方分山を望み、眼下には氷結した精進湖が白く光ります。


○女坂峠からは雪道の急登ですが、トレースが入っているので楽ちんです。途中で単独行とすれ違いました(本日初の登山者です)どうも三方分山は人気があるようですが、展望はいまひとつです。樹林に囲まれた山頂からは富士山方向の展望だけ開けます。山頂でも単独行に会いました。


○山頂からは三角点ピークを越えると急傾斜の下りです。ストックで支えながら精進峠を目指します。高度を下げるに従って雪が溶けて地肌が覗いてきます。峠からはジグを切りながら下ります。始めのうちは雪が少なかったのですが、樹林帯に入ると相当の積雪が残っています。凍りついた道は危険が一杯でした。ダブルストックでリズミカルに下る隊長はスピードに乗ります。途中でアベックを追抜くともう止まりません。45分のところを25分で下ってしました(本日初めての快挙)



金網の中にはカモシカの子供が閉じ込められていた崖のカモシカを見上げる警察官たち○それにしても下界に降りた所で2回も尻もちを着く鴉天狗には、開いた口が塞がりません(滑るよと注意したのに)他手合浜の県営駐車場に着いたら15時でした。予定より1時間の遅れです。生憎、バスが1時間待ちですからタクシーを呼びましょう。30分かかるとのことでしたから、陽だまりを求めて駐車場の隅まで移動します。



○道路脇の崖を見上げて指さし話し込むオジサンと警官。どうやら動物が転落して閉じ込められたらしい。見上げると金網で囲まれたコンクリートブロックの中に・・・何と、カモシカの子供が座っています。警官の言う事にゃ「県道の管轄は県の土木課だからなぁ」と他人事のよう。本部に無線連絡していましたが・・・果たして無事に救出されたのでしょうか?



○西湖いやしの里で車の回収をしたら、いずみの湯に立ち寄り汗を流します。900円は割高でしたが、空いていたので良しとしましょう。帰りの高速は渋滞もなく7時には帰宅できました。今回は久しぶりの雪山でしたので、トレースの無い縦走路には苦労させられました。約1時間半の悪戦苦闘でしたが、終わってしまえば楽しい雪遊びでした。いまでも身体の節々に心地よい筋肉痛が残っています。





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