竜ヶ岳

足和田山から竜ヶ岳を望む(2013.1.13)



【行程】 12/23(日)曇り時々晴れ、山頂はガス [長者ヶ岳から=>本栖湖キャンプ場11:57/12:40−石仏13:30−竜ヶ岳14:30/14:40−P15:45/16:00==富嶽温泉花の湯16:42/17:30==たまプラーザ20:00]
【メンバー】 隊長、林道の鴉天狗



突然、キャンプ場の森の上に真っ白な富士山が姿を現す ○富士山を眺めに来たのに・・・長者ヶ岳ではガスで展望が得られず失意の登山隊は、下山後すぐに離脱して本栖湖キャンプ場を目指します。今度は辰年の最後を飾るに相応しい山名の竜ヶ岳に挑みます。この山は天子山塊の最北端に位置し展望抜群で、初心者向けの周遊コースがあり家族連れにも人気の山です。ただ本日は山頂部が雪雲に覆われているので、果たして富士山が眺められるでしょうか。


○駐車場で昼食を摂りテルモスのお湯を沸かし直します。既に下山してきた人がいたので、雪の状況を確認しますが・・・その人の言う事にゃ「雪は融けてアイゼンは不要。東尾根から登って分岐から北に下れ、その方が滑りにくい」とのこと。うーん、隊長の一般常識(北側斜面は氷結)とは反対ですが・・・『まぁそう仰るのなら従いましょう』


稜線から山頂を仰ぐ○出発するとキャンプ場の森の上方に、真っ白な富士山が大きな顔を出しています。何たる荘厳な姿でしょう。でも見とれている余裕はありません。登山道に入ると続々と下山してくる人々とすれ違います。高度を上げて行くと木々の間から八ヶ岳が凛々しい姿を見せてくれました。先に進むと南アルプスが白く輝き、北岳が望まれます・・『こりゃ山頂からも展望が得られるかも』期待に胸を膨らませた隊長でした。富士山の見えるベンチのあるピークまでは樹林の中の急登です。ここで正面に富士山がドーンと、でも薄いガスが掛かり少し残念な展望でした。



○ここからは軽快な稜線歩きです。ところが好事魔多し。隊長の腹具合が急に悪化してまいりました。氷点下でのアクシデントに脂汗タラ〜リ。石仏のある広場には富士山展望台がありますが、肝心の富士山はいつの間にか雲に隠れてしまいました(果かない命でした)反対に雲に覆われていた竜ヶ岳の山頂付近が眺められるようになりました。



○山頂手前までは笹のなかの急登が続きます。グチャグチャの泥道は登りにくく、下山者は滑らないように慎重に行き違います。標高が上がるに従ってガスが濃くなってきました。先ほどまで眼下にあった石仏広場も見えなくなってしまいました。強い西風とともに気温の低下が著しい。泥道はいつしか氷結し、樹木には霧氷の花が咲きます。



雪雲の中では何も見えません○準冬山装備ですからこの程度の寒さは問題ありません。手袋と毛糸の帽子で手と耳を寒さから守ります。でも冷たい風の当る左の頬は痺れてきます。ツルツルの山道なのでアイゼンを持たなかったことを後悔しつつ、ストックを操り慎重に脚を運びます。白いガスの流れる山頂は平らな広場でした。さぞかし眺望の良い所なのでしょう。



○山梨百名山の標柱の脇には「北岳・赤石岳」などを指し示す道標が立っていました。何も見えない山頂には鴉天狗の空笑が空しく響きます。ところが誰も居ないはずの山頂に一張りのテントあるじゃありませんか。耐寒訓練??・・・いいえダイヤモンド富士狙いの好事家でした(まったく物好きのもほどがある)



○いざ下ろうとしたときに突然の青空でした。南アルプス(赤石岳?)が顔を出しますが、カメラを構える前に白いガスに飲み込まれてしまいました。ほんの一瞬の出来事でしたが、素晴らしい風景を瞼に焼き付けることができました(まさに幸運を呼び込む鴉天狗の高笑い!)



○下りは滑りやすいので慎重に脚を運びます。分岐での判断は迷うところでしたが、来た道を戻らずに北側に下り周遊コースとします。こちら側は風が当たりませんから、道の表面は凍っていませんでした。薄い新雪がブレーキとなって下山を助けてくれます。急な斜面ですが、ジグが切ってあるので急傾斜ではありません。



朝霧高原からの素晴らしい夕陽を浴びる富士山○標高1200mぐらいで雪が消えると歩き易い道が続きます。こちらのルートは展望こそありませんが、西風から守られているので安全度は高いようです。やはり先人の意見は聞くものですね。最後は標識に従って山道を駐車場まで戻りました(車道の方が近いのですが舗装道路はノーサンキュー)



○ほぼ同時に下って来た登山者が2組いました。広い駐車場にはもう5台しか残っていません(おそらく1台は山頂テント組・もう1台は登山隊の後に出発の山頂テント組でしょう)帰りの朝霧高原から見た富士山は実に雄大でした。強風で雲が飛ばされ、大沢崩れの雪壁に夕陽が当たって輝いています「ひゃー松竹映画みたい」所詮、鴉天狗の感想はそんなものでしょう(悲しい〜)



○帰りには温泉を探してウロウロ(頼みの朝霧温泉が休業とは)仕方が無いので富士宮の花の湯に立ち寄ります。国道脇のビルに嫌な予感がしましたが、お湯に浸かりたいとの欲求に負けました。思ったとおり最低の温泉施設(値段が高い・循環・レジャーセンター)でしたが、1時間1000円の大枚を叩きました。東名高速は15Kmの渋滞でしたが、それでも8時には帰宅できました。富士山を眺めるという目的は不完全燃焼に終わりましたが、今年の登山は無事に竜ヶ岳で締めくくることができました。



2012年の記録へ

       
y