丹沢山

早戸大滝〜丹沢山〜不動ノ峰〜白馬尾根

不動ノ峰の登りから丹沢山を振り返る



【行程】 4/8(日)曇りのち晴れ [たまプラーザ3:59=(車)=魚止橋5:45/6:18−丸木橋6:54−雷平7:23−早戸大滝8:13−瀬戸沢出合分岐9:00−瀬戸沢の頭9:42−丹沢山10:19/10:30−不動ノ峰11:14−鬼ガ岩11:39/12:02−雷平13:02−造林小屋13:44−魚止橋P14:06/14:23==たまプラーザ16:40]
【メンバー】 隊長、林道の鴉天狗




○丹沢には幻の滝があるという。早戸川の奥にある早戸大滝へは一般ハイカーも訪れますが、この季節はまだ登山道の整備がなされていません。幸い前回の丹沢行で雷平から下流を通過しましたので様子は分かっています。渡渉があるので沢の水量が心配ですが、新緑になると滝が見えなくなるとのことですから出かけましょう。今回のコースは大滝見物のあとに瀬戸沢の頭に登り、丹沢山から不動ノ峰を経て鬼ヶ岩まで主脈縦走路を進みます。そこからVルートの白馬尾根を下り雷平に周遊します。

幻の早戸大滝○天気予報では晴れですが気温は低いとのこと。通い慣れた早戸川林道を詰め魚止橋に車を停めると・・・辺り一面真っ白です。どうも昨日の夜に新雪が降ったようですが「4月初旬に雪でっか?」まったく思ってもいない展開です。寒々とした沢沿いの登山道を辿りますが、桟道は薄く積もった雪のため滑りそうです。


○最初の丸木橋に半時間で到着です。轟々と流れる沢の上に架かる丸木橋は、何度渡っても嫌なものです。対岸に着いてほっとした時に後ろから悲鳴が聞こえます。何事かと振り向くと、鴉天狗が丸木橋の上で仰向けにひっくり返っているじゃありませんか!雪で滑ったようですが、何と器用に狭い丸木橋から落ちなかったのでしょう。本当に油断は禁物です・・・落ちたらただでは済みますまい。


○トラロープに助けられてへつった後の渡渉点では大きな流木を渡ります。前回よりは水量が少ないとはいえ靴を濡らしての渡渉は勘弁して欲しい。次の丸木橋は健在ですが橋までに流れを越える必要があります。ここは渡らずに右手の矢印に従いへつって先に進みます。雷平の渡渉点の丸木橋は流されていますが、残った木を伝って対岸に渡ります。少し先に白馬尾根入り口を確認し、早戸川を詰めて行きます。


○ここから何度か渡渉を繰り返しますが、どうしても足を濡らさないと越えられない場所がありました。ここで隊長はおもむろに秘密兵器を取り出します。あら不思議!ビニール袋で靴を包みこむと、濡れることなく難なく流れを越えて行きます。耐久性こそありませんが手品のような手際の良さです(相棒も吃驚!!)


○最後の渡渉を終えると大滝の入り口です。まずは滝壺を目指しましょう。水の中の岩に乗って見上げると、首が痛くなるような高見からゴォーッと滝が流れ落ちています。周りは雪が残り寒々としていますが、滝の落ち口から朝日が差し神々しいまでの景観でした。


○トラロープのある急傾斜を攀じ登ります。痩せ尾根の途中からも滝壺へのロープが垂れていますがNGです。この季節は木々の葉が落ち迫力のある滝の全貌が望まれ、しばし声も無く見とれてしまいました。更に登って行くと滝の落ち口で大滝新道と分岐します。我々はテープに従い高度を上げて行きます。


不動ノ峰の稜線から雲上に顔を出す富士山○雪が積もっているので足元に気を付けながら急斜面を登ります。尾根は狭くテープがべたべたですから下りでも迷う心配はありません。ただ瀬戸沢の頭直下の急登は、北側斜面で凍っていましたから、下りではアイゼンが欲しいところです。縦走路の手前で新しい鹿柵に行く手を阻まれます。柵の無い斜面にはバリケードが連なり、短い脚を精一杯伸ばしながらハードルのように跨いで突破しました。


瀬戸沢の頭への尾根から白馬尾根と蛭ヶ岳が望まれる○縦走路に出るとようやく人に出会います。丹沢山の山頂では20人ぐらい休んでいました。ここからの下りも気の抜けない積雪でしたが、良く踏まれているのでノープロブレム。不動ノ峰の登りは陽が当たり雪は残っていません。天気は晴れているのですが、気温が低く冷たい風が体温を奪います。まずは白馬尾根への下山路を確認してから鬼ヶ岩で昼食といたします。目の前には蛭ヶ岳が迫り、雲の上には真っ白な富士山が眺められる贅沢な展望台でした。


○白馬尾根は鹿柵の間を下ります。驚いたことについ先ほど通過した単独の足跡が残っていました。始めのうちこそ凍って滑りそうでしたが、良く締まっているので踏み抜くことは無く、快適に下ることができました。その名の由来の通り草原も白銀の世界ですが、鹿柵に囲まれては興醒めです。でも青空に浮かぶ周囲の山々の展望は素晴らしい。


憧れの白銀の雪原は鹿柵で興醒め○やがて樹林帯に入り高度を下げて行くと、標高1100mあたりから立派な作業道となります。ジグを切りながら下ると木々の間から河原が見えてきました。鹿柵のドアーを潜ると雷平です。往きには真っ白だった河原も、雪が溶けて明るい日差しが降り注いでいます。沢の水量は朝より減っていましたので渡渉も軽々でした(本当か?)もうここまで来れば一安心です。熱いコーヒーで一息いれましょう。


○今回は4月というのに新雪を蹴っての雪山ハイクとなってしまいました。でも雪景色のなかの誰も居ない幻の早戸大滝は迫力満点でした。広い白馬尾根はトレースのお蔭で迷うことなく下れて拍子抜けです・・・折角のVルートですからもう少し楽しみたかったと、相棒からは贅沢な悩みも聞かれました。頬に受ける風はまだ冷たいのですが、早戸川では春の息吹を感じます。隊長は充実感に浸りつつ鼻歌まじりに車に戻りました。


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