榛ノ木丸

榛ノ木丸〜蛭ヶ岳

榛ノ木丸の登りから蛭ヶ岳を望む



【行程】 3/18(日)曇りのち小雨 [たまプラーザ4:03=(車)=魚止橋5:57/6:25−造林小屋6:53−榛ノ木丸8:43/8:50−縦走路9:51−姫次10:04/10:12−蛭ヶ岳まで1.2K11:12−蛭ヶ岳12:23/12:50−1352P13:20−雷滝14:43−丸木橋15:40−魚止橋P16:21/16:45==たまプラーザ19:01]
【メンバー】 隊長、林道の鴉天狗




○3週間ぶりの丹沢です。もう3月中旬だというのに、自宅から見える丹沢は雪を被り白く輝いています。午後から天気が崩れるとの予報ですから早立ちとしましょう。前回の偵察で早戸川林道は奥まで入れることが確認できましたので、魚止橋から登ることにいたします。今回は榛ノ木丸を経て蛭ヶ岳に登り市原新道を下る周遊ルートです。

木々の間から榛ノ木丸を覗う○魚止橋に着くと後ろから3台の車が来て聞きます「釣りですか?」「いや山登り」「○」・・・どうも渓流釣りには同じ沢に入らないというルールがあるようです。我々が準備をしている間に喜び勇んで上流に消えて行きました。登山隊も林道をショートカットして出発です。林道終点の伝道から「大滝」の表示に従って山道に入ります。


榛ノ木丸の山頂には標識が・・・○造林小屋の先にある鹿柵が登山口です。雪が積もっていてルートが不明ですが、左の尾根に乗ると微かな踏跡がありました。脛までの積雪でしたが適度にテープがあり「お子ちゃまVルート」などと軽口も飛び出します。高度を上げて行くと背後に雪を被った蛭ヶ岳が望まれるようになります。1時間50分で山頂に到着しました。やはり雪のために時間が余計に掛かったようです。


○山頂からは西に主脈の縦走路を目指します。踏跡も無く真っ白な雪を蹴散らしながら進みます。少し下ったところの細い尾根に雪が着き危険でしたので慎重に渡ります(でもトラロープは興醒めでした)流石に縦走路には前日のトレースが入り姫次までは順調に進みます。天候悪化の兆しでしょうか、蛭ヶ岳は厚い雲の中となり姫次での大展望は得られませんでした。


蛭ヶ岳から急降下したあとの緩斜面○ここからはトレースは薄くなり積雪も多く、樹林帯の中を苦しみながらラッセルです。遅くとも12時までには蛭ヶ岳に着けるとの思惑も深雪の前に脆くも崩れ去ります。山頂直下のガレ場で3人パーティとすれ違いました。昨日はみやま山荘に泊り、今日は蛭ヶ岳を独占してきたと意気揚々です(トップは元気溌剌でしたがラストはバテバテのよう)その先で「蛭ヶ岳まで0.4K」の道標に悩まされます。歩けども歩けども0.4Kが・・・何と5本も続きます「一体全体どうなってるんじゃい」なんと姫次から蛭ヶ岳まで2時間10分も掛かってしまいました(コースタイムは1時間25分)


○山頂はガスで横殴りの霧雨でしたから小屋のベランダで昼食にいたします(ここは屋根があって無料)雷滝に下ることを告げると、小屋のオヤジの言うことにゃ「あの尾根は雪が大変だけどもう融けたから大丈夫」ガスで視界の悪い中を真っ白な広い尾根を下ります。ところが積雪は半端ではありません。腰まで埋まり急下降を続ける隊長は大きく消耗して雪とともに転げ落ちます・・・これじゃまるで冬山じゃありませんか!


○ところが1352Pの辺りで尾根が広がり、東へ下るルートを見失います。ガスが濃くなり視界は不良で、近づくまでテープが見えません。GPSで確認しながら進みますが、ハイキング用では詳細モードが無く精度が足りません。位置を変えながら何度も確認作業をし、東にトラバースして、ようやくテープを発見します。


○今度は灌木の茂みが行く手を阻みます。迂回を重ねるうちに方向が狂い知らず知らずに北に向かっていました・・・慌てて修正します。しばらくはテープに導かれますが、鹿柵が現われるとまた途中で見失います。尾根が分かれる地点でハタと考え込む隊長。滝の音がする左手か、はたまた柵に沿って右手か?この肝心な時に頼みのGPSは電池切れです。


寒々とした雷滝○結局、柵に沿って下りますが、灌木が無く通過しやすい柵の横は地面が凍っていて滑りやすく、誤って鉄条網に突っ込んだら大変です。慎重に下りましょう。柵が切れたら下にテープを発見しますが、そこからは木々を掴んでの厳しい崖の下りで雷滝に到着です。寒々とした風景の中に雪解けで水量を増した雷滝の轟音が響き渡ります。


○いきなり左岸への渡渉ですが、激しい流れは飛び石作戦を受け付けません。こうなったら濡れることを前提に水中の岩に飛び移ります。靴の中は水びたしとなり、雪の上を歩くので冷たいこと。雷平まで歩き難い河原を進みますが、早戸大滝からの遊歩道に合わされと歩き易くなります。でも次の渡渉点では激しい流れに阻止され、流れの中の岩を支点にして無我夢中で飛び渡ります。


○岩をへつっていると後ろから「コンニチハ」と声を掛けられ驚かされます。精悍な2人連れですが、こんなVルートに突然現れ不審です・・・なんと蛭ヶ岳から途中までトレースされたようです。軽いザックにワカンを下げて、足取りも軽く追い抜いて行きました。カッコイイ・・・きっと高名な丹沢Vハンターなのでしょう。


○その先の急流を渡るところで流石の鴉天狗も躊躇します。狭まった流れは轟々と渦を巻いて人を寄せ付けません。こんなところは命がいくつあっても足りません「おかしいなぁ、先行者はどうやって渡ったのだろう?」そのとき下流に丸木橋を発見し胸をなで下ろします。でも激流の上の濡れた丸木橋も十分に怖かった。


○造林小屋まで戻ると達成感でいっぱいです。最後に林道のショートカットを間違え川に降りてしまい、登り返すハプニングはあったものの何とか無事に車に戻りました。丹沢の北斜面の雪の多さは予想をはるかに上回りました。3月なのに冬山状態です。夏山ハイカーの登山隊としては、実力以上のちょっとした冒険山行だったと反省しています。それにしても苦労したけれど・・・楽しかったなぁ〜(SONYのGPSは電池の消耗が課題です)


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