神山

冠ヶ岳から神山を望む



【行程】 12/10(土)晴れのち曇り [たまプラーザ6:52=(東急・小田急)=小田原8:29/8:50=(箱根登山)=強羅9:48/9:51=(ケーブル)=早雲山10:00/10:11−c1150m11:17−大涌谷分岐11:52−冠ヶ岳12:42/13:21−神山13:42/13:53−防ヶ沢分岐14:26−早雲山分岐15:39−早雲山17:24/17:30=(ケーブル)=強羅17:40/17:53=(箱根登山)=小田原18:53/20:54=(小田急・東急)=たまプラーザ22:23]
【メンバー】 隊長、林道の鴉天狗、八兵衛、ガンジー




○鴉天狗の300名山完登を祝して箱根の神山に登ります。先週の土曜日が大雨で一週間の順延となったものです。昨日も雨でしたが1月下旬なみの冷え込みで郊外では雪となり、当然ながら山には積雪があったものと推測されます。小田急線から望まれる丹沢山塊の山々は白い冠を頂いています。晴れ渡った青空が300名山完登を祝福しているような快晴ですから、地表は霜で真っ白な冬の朝を迎えています。


真正面には雪を被った富士山がくっきりと○隊長は防寒対策はいうまでもなく、積雪対応ということでおニューの登山靴にスパッツ着用と万全な装備で臨みます。ところがお気軽八兵衛さんの足元は・・・「タウンシューズとはどういうこっちゃ!!」隊長からの「簡単な山だから」との甘言に釣られたなどと言い訳していましたが「地図も見ていないとは、大タワケ者!」と一言のもとに切って捨てられました。



正面に冠ヶ岳の険しい山頂が望まれる○ケーブルカーの早雲山駅に着いたらもう10時でした。すこし出足が遅かったのですが、コースタイムが4時間半と短いので問題ないでしょう(本当に?)急な傾斜の尾根道ですがジグを切ってゆるゆると登って行きます。稜線に出ると雪を被って真っ白な富士山が真正面に望め、箱根の外輪山も明神岳から金時山まで雄大な眺めです。標高1000m付近から道は雪で白くなり、木々の枝先に着いた霧氷が融けて氷の欠片が降り注ぎます。



冠ヶ岳分岐ではしゃぐ登山隊のメンバー・・・この時点では元気溌剌○早雲山の分岐を見落として大涌谷分岐まで来てしまいました。北側斜面に積もった雪は凍って滑り易くなっていますから下りでは通りたくない道です。急傾斜の道は高度を上げて行くに従い、風が当たるようになり急速に気温は低くなります。冠ヶ岳の分岐からは痩せ尾根の細い道を5分で山頂でした。木々の間から少しだけ展望が得られましたので、風は少々寒いのですが昼食といたしましょう。



神山の登りでは背後の冠ヶ岳が眼下になる○神山へは分岐まで戻って大きく登り返します。背後にある冠ヶ岳の枯れた山頂が眼下になると傾斜が緩くなり山頂に到着です。前回は低い雲が垂れ込め暗い印象の頂でしたが、陽光が溢れるとまた違った趣です。厳かななかにも晴れがましい相棒の300名山完登のセレモニーが終わると山頂を後にします(みなさんお騒がせしました)防ヶ沢分岐では「駒ヶ岳からロープウエイで下りたい」との隊員たちの希望を粉砕し、計画通りお中道を辿ります。ここから1時間40分ですから4時過ぎには下山できるでしょう。



○雪の状態も問題なく早雲山分岐までは順調に進みます(コースタイムの1.3倍以上でしたが、この先の地獄に比べたら可愛いものでした)ここから下りますが八兵衛さんに一気にブレーキが掛かりました。この時点ではわずか45分のところを1時間45分も掛かるとはお釈迦様でも気が付くめえ。日暮れて道遠し。眼下に家々の明かりが広がりますが歩みは遅々として進みません。



○ライトを持っていない八兵衛さんは一体全体何者だったのでしょう。彼の場合は『昔取った杵柄』という言葉は死語なのでしょうか。K.H.C.OBという栄光は地に落ちました。隊長のヘッドランプを貸して足元を照らします。ところが「八兵衛さんザックを鴉天狗に預けて」という指示は無視され暗い沈黙が登山隊を覆います。後ろから空身の女性が混じったパーティが追い抜いて行きましたが・・・ショック!


○幸いなことに丸い月が外輪山から上り辺りを照らしてくれます。おかげで隊長は小さなランプでも何とか下ることができました『そういえば今日は皆既月食だったんだ』(それまでには下山しよう)ようやくネットが繋がりケーブルの最終が19時5分と判明して、多少気分は落ち着きました。樹林帯のなかの道は暗いので慎重にルートを探しながら下ります。ちらちらする先行パーティの明かりが頼りです。満身創痍で何とか早雲山駅に下山すると、先行したパーティから無事の下山を喜び、声を掛けられ恐縮いたします。

○小田原に着いたら駅前の居酒屋で宴会に突入です「鴉天狗の偉業達成を祝して乾杯!」あとは本日の反省モードで八兵衛さんをちくちく弄ります。新鮮な魚介類を肴に話の弾む登山隊でしたが、お疲れの見える隊長は少しのお酒ですぐに酩酊する始末。あっという間に楽しい2時間は過ぎ、またの再開を約してお開きとなりました。やはり腐っても300名山でした。箱根の神山を馬鹿にしていた代償は高くついたのではないでしょうか。八兵衛さんが仲間の信頼を取り戻すため次回の飛躍に期待したいものです。




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