皆子山

坂下付近から皆子山方向を望む



【行程】 11/26(土)曇り時々晴れ [たまプラーザ5:16=(東急・横浜市営地下鉄)=新横浜5:38/6:11=(のぞみ99)=京都8:07/8:15=(JR)=堅田8:35/8:45=(江若交通バス)=下坂下9:27−足尾谷橋9:48−ツボクリ谷出合10:25−分岐点11:09−皆子山11:44/12:04−迷12:30−トラバース道12:50−大岩13:00−寺谷出合13:40−鯖街道花折14:02/14:27=(タクシー3910円)=堅田14:48/14:52=(JR)=京都15:19]
【メンバー】 隊長




○京都府の最高峰は皆子山という1000mに満たない山で、琵琶湖の西岸にある比良山地の西に位置します。JR湖西線の堅田駅からバスが登山口近くまでありますから、始発の新幹線で参りましょう。堅田駅では精算したりコインロッカーに荷物を預けている間にバスは満員となり人があふれています『こりゃ大変だ!』積み残されたらタクシーしかありません。


○臨時バスが増便されて何とか座ることが出来ました。それにしても登山客の多いこと。人気の山だったのですね。ところが下坂下の停留所で降りたのは3人だけ。皆さんは奥の比良山系に行かれるようです。人通りの無い寂しい旧道を戻りますが、ガイドブックの記述と合いません。地形図と照らし合わせますが??近くの民家に聞きに行きますが誰も居ない。次の坂下停留所を過ぎて新道の坂下トンネルで現在位置を確認して・・・ようやく一安心です(1Kmも戻りました)


かろうじてロープで吊られたくの字の足場○足尾谷橋の手前から林道に入ります。発電所の奥から山道となり渡渉の始まりです。丸木橋があるはずの所には、激しい流れが行く手を阻みます。岩の上から覗きますと足元の岩陰に流れの上に出た石の頭が見えます。岩を抱き込むようにへつって、流れの中の石に足を置き向こう岸まで一気に跳びました。何ともはや初っ端からハードルの高い渡渉でした。



ツボクリ谷出合の渡渉点は流れの中の丸太を渡る○その後も丸木橋はことごとく流されていてトラロープだけの渡渉点です。何とか靴を濡らさずに石伝いに渡りますが冷や汗の連続でした。くの字と呼ばれ岩の横にキャットウオークのような丸太が渡してある難所は冷や冷やものです。傾いて崩れそうな足元は濡れて苔が生えて滑りやすくなっています。ソロリソロリと高度のある丸木橋を渡る時に、緊張は最高潮に達しました。



○ツボクリ谷出合の渡渉点はトラロープが張ってあり、一本の丸太が流れの中に渡っています。この上に静かに足を置いて向こう岸目指して跳びますが、あわや滑って転んで・・・こんなことなら杖を持って来れば良かった。ツボクリ谷では流れは細くなりましたが、傾斜は急になり小さな滝が続きます。何度かの渡渉を繰り返しながら高度を稼いで行くと、トチノキの大木があり小さな道標のある分岐点です。



山頂からは比良山系の盟主の武奈ヶ岳が眺められる○左に90度曲り急斜面の沢型を詰めて行きます。最後はトラロープに掴まり喘ぎながら山頂を目指します。やがて明るい山頂に飛び出しました。山頂には5人が休んでいましたが、同じバスの2人に出会って以来です。どうもこの山の人気はあまりないようです。東側は展望が開け比良山や武奈ヶ岳の比良山地が望まれます。



皆子山の山頂にて○始めは5人パーティだと思っていたのですが、話を聞いているうちに別々ということが判りました。単独行が「わざわざ東京から来たって」などと感心されていると「私も横浜から来た」とは言いだしにくいシャイな隊長でした。結局この方と一緒に下ることになりました。山頂直下に分岐があり東尾根コースと書いてありますが、どうも新設されたルートのようですからパス。



○下りは寺谷ルートを通る予定でしたが、分岐に道標が無く見落としてしまいます。後ろに付いた隊長はお気楽にも注意力散漫でした。そういえば同行者は登りでも道を間違え藪を漕いだとか・・・ちょっと信頼しすぎましたね。尾根筋をかなり下って傾斜が急になった所でおかしいと気づきます。境界杭は続いていましたから、強引に下れたかも知れませんが引き返します。こういう時には単独でない方が冷静になれますよね。


○かなり戻ってc895mのところにトラバース道があったので「下山道にぶつかるはず」と入ります。やがて上からのテープと合流し谷筋を下ります。大岩を越えてから岨道に迷い込みますが、登り出したので間違いに気づきました。沢沿いの滑りやすい道を休みなく下りて来たので脚はガタガタです。ようやく寺谷出合の丸木橋を渡り林道に出るとお散歩モードになります。

○平まで出ずに高台を走る国道を目指します。鯖街道花折という鯖寿司レストランの前でタクシーを呼びますが、到着に25分も掛かりました。時間が押していたので最後は裏道を通って駅に滑り込み何とか列車に飛び乗ります。今夜は毎年恒例の同窓会ですが、何とかギリギリで集合時間に間に合いました。お蔭さんで宇治では石臼で抹茶を挽いて飲むという贅沢をし、夜は舞子さんとお座敷遊びで『極楽じゃぁ〜』・・・こうして千年の都の夜は更けゆくのでした。


○それにしても皆子山は侮りがたい山でした。とても一般向きコースとは思われません。10年前のガイドブックを頼りましたが、バス停始め間違いが多く信頼が置けませんでした。コースの荒れ方も半端ではなく、渡渉の難度はCレベルでした。一緒に下った方は300名山を制覇されたベテランでしたが、登りでは道を間違えて強引に東尾根に出たそうです。8月に若いハイカーが下りで道を失い遭難したそうですが、さもありなんです。それなりの心の準備が必要な手強い山でした(帰って調べたら新設の東尾根ルートは良さそうでした)




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