笠取山

雁峠からの笠取山を望む



【行程】 10/8(土)曇りのち晴れ [たまプラーザ5:34=(東急・JR)=塩山7:50/8:10=(甲州市市営バス)=新地平9:13/9:19−c1450m10:38−雁峠11:31−分水嶺11:45−笠取山12:10/12:18−水干12:35−笠取小屋12:54/13:13−作業平13:55−1.5Km14:17=(タクシー)=犬切峠14:21−落合15:08/15:38=(山梨交通)=塩山16:30/16:32=(JR・東急)=たまプラーザ18:52]
【メンバー】 隊長、仕立て屋ぼん




○体育の日の三連休は天気が良さそうなので、仕立て屋ぼんを誘って奥秩父の笠取山に出かけます。隊長は学生時代に登りましたが、山頂直下の水干はパスしました。今回は実に40年振りの再訪となります。雁峠の嫋やかな草原と倒れそうな笠取小屋には思い出が一杯です。ネットで調べると落合までのバスが走っていることを発見し、これなら帰りの足は確保できそうです。新地平から雁峠への通る人も稀な秘密のルートを使えば面白い山旅となるでしょう。


○三連休の初日というのに山へ行く人の姿は多くありません。中央線は大混雑で座れないことを覚悟していたのですが、ちょっと肩すかしです。塩山からの小型バスも数人立っているだけ、乾徳山登山口で3分の1は降りました。驚いたことに新地平では我々の他に6人も降りたのです。あのマイナールートが何時の間にメジャーに昇格したのでしょうか。


○皆さん縦走ザックですが脚の速いこと。休んでいたら次々と追い抜かされます。林道は広川に沿って緩い登りです。次第に路面が荒れて雨で抉られるようになり歩きにくくなります。沢の音が大きいと思っていたら、意外に水量が多く水も少し濁っています。前に来たときには難なく渡れた沢も迫力のある流れとなっています。


○渡渉点では隊長が手本を見せても、仕立て屋ぼんはバランスが悪く足が出ません「ほら、ここで飛んで!」「ダメ、ダメ・・・」ちょっと恐怖心が湧き上がると一歩が踏み出せなくなります。数十メートル上流まで飛び石を探しますが適当な場所がありません。最後には落ちていた木の枝を差し出して、何とか流れを越えることができました。


○樹林帯に入ると道の傾斜は次第に急になります。まだ紅葉には少し早くのですが、シーズンには美しい錦絵の世界になるでしょう。この辺りで荷物の大きい登山者たちを次々にパスして行きます。高度を上げて山腹をトラバースして行くと草原を登ります。水場を過ぎると待望の雁峠でした。正面には笠取山がピラミダルな姿を見せてくれ、意外に大きな標高差にショックを受けます。


分水嶺には三角柱(荒川・富士川・多摩川)が建つ分水嶺には三角柱(荒川・富士川・多摩川)が建つ○小高い丘の上に多摩川、富士川、荒川の分水嶺がありました(実に不思議なスポットでした)この辺りになると流石に登山者の数が増えて来ます。さあ笠取山へは直登です。僅かに130mですが登山者を抜きながら一気に登り切ると・・・息は切れ切れでした(情けなぁ〜)ピークからは300度の大展望で、奥秩父の縦走路が西に見渡せましたが、残念ながら富士山は雲に隠れていました。でもここは肩だったんですね、山頂は奥にありましたが木々に囲まれて展望はありません。


○そのまま東に下りて巻き道を戻ります。途中に多摩川の源頭となる水干(みずひ)がありました。苔むして湿った岩の間か水干は雰囲気のあるスポットですら染み出るような一滴が東京都の水源となります。そう思って眺めると何やら神の宿る場所のように感じられます(昔は鳥居がありました)先ほどの分水嶺といい水に関する探訪の旅となりました。


○笠取小屋までは木を敷き詰めた道が続きますが堅くて歩きにくい。小屋は新しくなって車が入れるようになっていました(建て替えた小屋がボロボロの納屋になっていて年月を感じさせます)小屋の前のテーブルで昼食を取りながら下山ルートを確認します。バスは3時半ですからあと2時間半で下らなければなりません。ところがコースタイムは3時間半です。おまけに同行者は下りに滅法弱くて・・・トホホ万事休す。


○下りの道は緩い傾斜のハイキング道でしたから、騙しだましスピードに乗ることができました。作業平の登山口には大きな駐車場があり20台以上の車が停まっています。こちらがメジャーな登山口だったのですね。ここから舗装道路を2時間下りますが持ち時間は1時間半です。なんとか時速6Kmをキープしてぎりぎりでしょうか。


○1.5Kmほど来たところで前方に信じられない光景が!空車のタクシーが停まっているじゃありませんか・・・思わず駆け寄る隊長。残念ながら迎えの車でした「でもその前に落合まで乗せてくれませんか?」「時間がないよ」ここで隊長は諦めたのですが、仕立て屋ぼんは恐るべき粘りを見せます「じゃあ行けるところまででいいからお願いします」結局、犬切峠までの1.5Kmを乗せてもらいます。


○落合のバス停には22分前に到着です。バス停前の酒屋でビールをゲットし乾杯です。普段は柳沢峠までですが、本日は落合まで運行されています。バスに乗り込み発車を待ちますが、時間になっても運転手が現れません。電車の接続もありイライラしていると「あれ〜お客さんいたの!」なんと8分遅れで出発です(もちろん途中で遅れは回復しましたが、まったく呑気なものです)


○午後1便しかないバスに乗り遅れたらタクシーを呼ぶしかありませんでしたが、悪運強くタクシーを山中で捕まえることができました。それにしても仕立て屋ぼんの粘り腰には感服いたしました。隊長にもあれほどの根性があれば違った人生があったのかも知れません。終わりよければ全てよし。天気にも恵まれ水源をめぐる山旅は成功裏に終了しましたとさ。




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