鶴ヶ鳥屋山
笹子峠〜大洞山〜大沢山〜清八山〜本社ヶ丸〜鶴ヶ鳥屋山
縦走路から鶴ヶ鳥屋山を望む
【行程】 4/10(土)曇り時々晴れ [たまプラーザ5:51=(東急・JR)=笹子7:56/8:58=(タクシー)=矢立の杉上9:08/9:10−笹子峠9:32−中尾根ノ頭10:02−カヤノキギラノ頭10:41−大洞山10:51−摺針峠11:06−ボッコノ頭11:43−大沢山12:27−1445P12:53−縦走路13:31−清八山13:47−本社ヶ丸14:16−送電線鉄塔14:50−鶴ヶ鳥屋山15:50/15:58−林道横断16:22−林道16:54−初狩17:37/17:39=(JR・東急)=たまプラーザ19:49]
【メンバー】 隊長、関の三本松
○中央高速の渋滞で眺めた鶴ヶ鳥屋山の存在感が忘れがたく、何時かはと機会を狙っていました。どうせ行くならと笹子峠から八丁山までの赤破線の稜線を経由しての大縦走を計画します。コースタイムで10時間45分ですから健脚の関の三本松君に同行願うことにいたしましょう。
○新年度に入ってバタバタの残業続きで休まる暇はありません、必然的に朝早くの出発は避けることとなり笹子駅に着いたのは8時となってしまいました(掟破りの遅立ちです)ところが駅前にはタクシーの影も形もありません「可笑しいなぁ、以前にはあったのに」って何年前?焦る隊長は大月から車を呼びますが・・・到着したのは何と9時でした(情けなぁ)
○どうにも無駄な時間を過ごしましたが、何とか車中の人となり順調に県道を辿りますが・・・何と言うことでしょう、矢立の杉の少し上でゲートに遮られます。この16日から交通規制は解除になるそうで、1週間早かったのでした。1.3Kmほど余分に歩くこととなり、益々計画遂行の可能性は遠のいて行きます。
○レトロな隧道の手前から山道に入ります。いきなり急な登りですがすぐに笹子峠です。新しい立派な道標の前で先行者が休んでいましたが、甲斐大和の方向に下山して行きました。ここから暫くは急登で息が上る隊長です。ぐんぐんと高度を上げて行きます。中尾根ノ頭は木が伐採されて展望が良くなっていました。遠くに雪を被った奥秩父の峰々が望まれました。
○カヤノキギラノ頭までは葉の落ちた雑木が生える瘠せ尾根を、適度なアップダウンで辿ります。ベンチで休む単独行を抜き、その先で急な単独行と擦れ違いましたが、後は誰とも会わない静かな藪山です。コースは破線となっていますが、藪は酷くなく踏跡もしっかりしていて、要所には新しい道標があるので何の問題もありません。大洞山の下りから藪の縦走路、右からボッコノ頭、中央に大沢山、奥には三つ峠山、左に雪を見せる本社ヶ丸
○ところが摺針峠を越えボッコノ頭へ向う途中で、前方でガサガサと音がします。ポコに立つと10mくらい先の山道を大きな黒い動物が横切るところでした。一瞬、熊かとおもいましたが、大きな猪でした。体長1.5mはあろうかと思われる巨大猪はドッドッドッと轟音を残しながら悠然と山を駆け下りて行きました。山で猪に遭遇したのは初体験でしたが、もう少しで出遭い頭となり、今から思うとかなり冷や汗ものでした。
○女坂峠からの登りは少し悪く、滑り易い落ち葉の路を慎重に3点確保で身体を持ち上げながら通過いたします。1445Pには送電線の鉄塔があり、巡回路が笹子から清八峠への道に通じているようです。少し先のピークからは巡回路で藤野木へ下れます。1531Pの東斜面は沢山の立木が生木を裂いたように折れていて異様な光景です。どうも大雪による雪害のようです。この倒木を避けながら進みます。
○ようやく1時半に縦走路に飛び出しました。笹子峠からここまでコースタイムで5時間強のところを80%の4時間です。この先5時間40分もありますが、この調子で行けば何とか明るいうちに下山できそうです。清八山からは360度の展望で、生憎富士山は雲の中ですが正面に三つ峠山、西には黒岳と釈迦ヶ岳が望まれます。ここに何処から湧いて出たのか単独行のヘロヘロおじさんが到着し、ゼイゼイと息を弾ませています。
○本社ヶ丸は1630mあり本日の最高峰です。北側斜面には雪がびっしりと確認されましたので、緊張しながら向かいましたが縦走路には残っていませんでした。疲れた脚に鞭打って一歩一歩登りますが疲労はピークに達しています。手前に幾つものニセピークがあり、なかなか山頂に着きません。精神的にも辛い登りでした。
○鶴ヶ鳥屋山までは150分の道標があります。何とか2時間で着ければ予定通りの縦走コースが取れそうです。流石に縦走路は道が良く判断に時間が掛かるような場所はありません。快調に飛ばして90分で到着してしまいました。今度は地形図で2段登りを確認していましたので騙されずに頑張れました。中高年のなかでは健脚の隊長も三本松君と一緒だと唯のヨボヨボおじさんです、歳は取りたくありませんが仕方がありません。
○急な下りですが歯を喰いしばって一段一段下ります。木々の間から林道が認められてからが長く辛い下りでしたが、時間にすればほんの10分ほどでしょうか。初狩への難路を分け植林帯を下ると沢を越えて林道に出ました。近ヶ坂橋から車道を辿りリニア実験線を潜れば初狩駅です。三本松君が携帯で検索したら5分後に電車があり、その後は40分待たなければなりません。決死の覚悟で踏み切りから操車場を走り抜け無事に間に合いました。
○本日の計画は立案者の隊長の準備不足が原因で、遅立ちやタクシー待ちのハプニングがありました。それにも拘らず、同行の三本松君の健脚に助けられ、また天気にも恵まれて長いルートを完登することが出来ました。人の少ないこのルートは晩秋や早春には、得がたい静かな山旅を約束してくれることでしょう。
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