竜爪山
竜爪山(薬師岳・文殊岳)・福成山・賤機山・浅間山
福田ヶ谷の茶畑から竜爪山を振り返る
【行程】 9/12(土)小雨 [竹橋22:45=(毎日アルペン号)=]
7/18(土)豪雨 曇り一時小雨 [静岡8:18=(静鉄バス)=平山9:00/9:04新道登山口9:36−穂積神社10:43−薬師岳11:20−文殊岳11:35/11:45−牛妻分岐12:22−北村三角点12:58−迷12:12−北村三角点13:27−桜峠14:40−福成山15:13−賤機山16:52−浅間山17:11−浅間神社17:28−静岡17:50/18:03=(高速バス)=東名江田20:35]
【メンバー】 隊長
○金曜日の夜に会社の同期会が静岡で開催されたので、翌日は近隣の山に遊ぶことにいたします。安倍川の低山(諸岡山92m)を訪れた時に心に残った風景として、正面に望まれた竜爪山の雄姿が忘れがたく計画を立てます。なかなか人気のある山のようですが、これだけでは物足りないとの思いから(大きな間違いでした)南に伸びる稜線を静岡まで下ることにいたします。
○徳川慶喜が愛でた庭を観ながらの宴会は盛り上がり、2次会は延々と午前1時まで続きます。それなのに朝は6時には目覚める悲しい年寄りです(若い頃は二日酔いの朝は辛かったのに!)天気予報は午前中50%・午後70%の降水確率と冴えませんが、目が覚めてしまったので朝食を摂ったら出発いたしましょう。
○40分ほどバスに揺られて平山です。途中でワイパーが忙しくなるほどの降雨を見ましたが、降りた時には小雨でした(念のためにカッパの下を穿いておきます)林道を半時間上ると正面に通行禁止の柵が現れ、右手に新道入口がありました。どうやら旧道は通行できないようです。
○いきなり茶畑のなかの急登です。林道を渡ると落ちついた登山道となりました。檜林の広い道と緩い上りで徐々に高度を上げてゆきます。やがて旧道分岐に着きましたが注意書きはありませんでした。でも次の23丁目の分岐に旧道は通行できない標示がありました・・・これはかなり不親切だなぁ。
○稜線に達すると穂積神社です。標高650mもある山の中ですが、先ほどの林道が通じ大きな神社でした。ここからは東海自然歩道となり本格的な山道となります。ところが半時間で飯場のような急な鉄製の階段が現われ、これが延々と続き嫌気が差します(というか草臥れました)雨が降り出したので傘を差して階段を登りますが、単独行の老女とすれ違います・・・こんな天気に酔狂な!!
○稜線からは少しで薬師岳です。樹林に囲まれた山頂には濡れたベンチがあり、展望はありません。GPSをチェックして先に進みます『38mのずれか?』今日の目的のひとつに買い換えた携帯電話に付いていた簡易GPSの操作習熟があります。ちょっとした付録機能ですが果たして使い物になるのでしょうか?
○一度下って登り返すと文殊岳です。こちらは南側が開けていて展望は良さそうですが、生憎ガスが流れる天気では何も見えません。林の中のベンチは濡れていませんので昼食といたします。半袖では寒くなったので、おにぎりを頬張ったら出発いたします。始めのうちは濡れた草が被さる道で、安物のトレッキングシューズには水が浸入してきました・・・『糞、これでも東海自然歩道か?』悪態をつきながら滑り易い木の階段を下ります。
○則沢への道を左に分け森の中を下ると、伐採された地点から正面に若山が望まれました。まだあんな登りがあるのかとガッカリする隊長です。ここで現在地の経緯度をGPSで測定し地形図で確認します(この機能は使えます)759Pは西側を巻きますが森谷沢への道を分け、若山の山頂手前のc800mで「←桜峠」の道標に従い左への巻道に入ります。
○急に踏跡が薄くなり心細くなります。崩れそうなトラバース道ですのでバランスを取りながら辿ります。送電線の鉄塔を通り地形図とは違い750Pに登ります。ここから南西に急降下します。やがて稜線を辿る道はケルンに導かれて北村三角点に到着です。しかし高度計の値と地形図の標高が合いません。単なる思い違いでしたが思い込みとは怖ろしいものです。
○GPSで現在地の確認を試みますが「データが取得できません」とはどういうこっちゃ・・・肝心な時に役に立たない文明の利器を呪います。仕方が無いのでベタベタにあるテープに従って西に下ります。いづれ南に向うだろうとの期待に反して、ずっと西に向う道に不安は募ります。頭上に空が認められたところでウルトラマンのスタイルでGPSをかざすと・・・あら不思議、経緯度をGETできました。
○やはり間違った道だったのでした。この100mの登り返しは辛いアルバイトでした。三角点に倒れこむように腰を落とすと、途端にスズメバチの襲来です。何故か黄色いザックが気に入ったようで盛んにせせっています。こんな山中で刺されたら大変です(一昨年に低山で刺されたことがあるので免疫ショックが心配です)静かにザックを拾って脱兎の如く逃げ出しました。
○細い赤テープが南東尾根にありましたので下ると立派な縦走路に出ました。暫く進むと稜線沿いの道は茶畑の端の道となります。このころから女郎蜘蛛の巣が頻繁に現われ隊長を悩ませます。この辺りから縦走路に作業小屋が建ち、里道が縦横に交差するので道の選択に迷います。ついに蜜柑の果樹園で路を失い、急斜面を上り稜線を目指しますが・・・稜線上には道はありませんでした。変りに猪避けの高圧線が走り危険このうえありません。
○猪の罠の檻がある所をトラバースすると階段があり、上ると眼下に第二東名工事現場が望まれる高台に出ます。工事現場の向かい側の竹薮に方向を定め下山しますが、ショベルカーがダンプに土を積む作業中で渡ることができません。現場の上で休んでいる作業員に「善良な登山者を装い」・・・って本当の姿ですが。縦走してきて渡れないとの事情を話し通らせてもらいます。
○ところが向こう側は予想に反して急な斜面で降りられません。窮余の一策で東名の橋ゲタをボルト伝いにクライムダウンし竹薮に着地します。竹林の廃屋に辿り着いたらもうこちらのものです、微かな踏跡ですが藪蚊を払いながら桜峠に着きました。ここには第二東名工事で来年の3月までは通行できない旨の看板がありました(反対側にも看板立ててくれよー)
○茶畑を登って行くと今度は西に伸びる尾根に入りそうになり、慌てて南に回りこみます。ここの稜線上にも作業小屋が多いので、迷った時には参考になりそうです。縦走路は南下しますが福成山に寄る分岐を西に向かいます。結構大きな神社があり社殿裏には三角点が認められました。
○福田ヶ谷からの林道が稜線まで上って来ているところで休みます。眼下には安倍川の流れと、堤防上には低山の諸岡山が望まれ、懐かしさに心和みます。ここに小さなダンベルを両手に持ったおじさん登場です。竜爪山から来たと聞いて驚いていました。隊長が迷った果樹園で農家の人に怒られた話など、他人事ではありません。
○すこし先の展望の良い茶畑からは竜爪山が遥かに望まれました。鯨ヶ池から浅間神社までは賤機山ハイキングコースとして道標が整備されていますから迷う心配はありません。あとは時間との勝負となってきました。明るいうちに下山できるのでしょうか。
○賤機山に近づくと縦走路沿いには何箇所もベンチが備え付けられていて、静岡市街の展望を楽しむことができます。浅間山の山頂広場には数人の人出で、文明世界に帰ってきた思いがいたします。ここまで来ればもう安心です。痛む膝を庇いながら長い階段を下って、薄暮の浅間神社に到着したのでした。
○静岡駅まで歩く途中で雨になり、バスに乗った時には雷が鳴り滝のような豪雨となりました。まさに危機一髪でした。悪運強い隊長はビール片手に駅弁に舌鼓です。今回の縦走は途中の第二東名工事で路を失うアクシデントはあったものの、ロングトレイルを無事に歩き通すことができました。肝心のGPSは現在地の経緯度の測定機能については利用価値ありですが、その他はあまり使い物になりませんでした。また藪の低山はもう少し秋が深まったほうがよろしかったようです。
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