大無間山

唐松谷の頭から大無間山を望む



【行程】 6/6(土)曇りのち雨 [たまプラーザ1:15=(車)=田代登山口4:53/5:20−小無間小屋7:46−小無間山9:39/9:49−大無間山11:29/11:51−小無間山13:12−小無間小屋15:00/15:10−登山口16:35/16:43==民宿「ふるさと」16:47(泊り)]
【メンバー】 隊長、関の三本松



○大無間山は隊長が高校生のころから憧れていた南アルプス深南部の山です。登山道は比較的整備されているようですが、田代からの道は往復13時間で累積標高差2400mを越えるハードな日帰りです。ここは体力勝負ということですから、相棒には若い関の三本松君が良いでしょう。

○行程は大きく3つに分けられます。第一ステージは小無間小屋までの樹林帯の道で普通の登り3時間です。第二ステージは小無間山まで鋸歯のアップ・ダウン2時間です。第三ステージは大無間山までの緩い登り2時間半です。これの往復ですから半端な心構えでは実現は難しいと思います。陽の長い6月に早立ちで挑戦いたしましょう。

○夜半にたまプラーザを出発しようとしましたが「隊長〜、渋谷ですが電車が動いていません!」三本松君から悲壮な電話が掛かります。結局30分遅れで出発しましたが、悪い時には東名も30分の事故渋滞で、おまけにナビに導かれた国道362は40Kmも遠回り・・・・隊長は血走った目で明るくなった井川湖畔の細い道を飛ばすのでした。それでも何とか5時前には田代に到着できて一安心。お蔭で暗くて登山口が判らないなどということもなく、林道登山口の200m先の広場に駐車して出発です。

○天気予報は猫の目のようにクルクルと変り、気圧の谷が通過する合間を縫っての決行となりました。ただし気温は低めですから6月の登山としては好都合です。林道から階段を上がると神社からの路を併せ登山届けの小屋がありました。小さな道標に導かれ登山道を進みます。植林地帯を通過し樹林帯を登ると尾根道となり、小無間小屋のある1796Pまでひたすら登ります。

可憐なコイワカガミの群落がすごい小無間山の登りからP1を振り返る○前方が明るく開けると三角点のあるピークです。ここまで標高差1100mともう一山登った気分です。山頂広場からは遥か遠くに大無間山が望まれ、行程の長さに溜息が出てしまいます。三角点の向こうに小さな水色の小屋が建っています。思っていたよりしっかりとした避難小屋でした。ここから山のステージが変り鋸歯の大きな上下となります。小無間山までに3つのピークを越えて行かなければなりません。

○急激な下りが始まると、眼前の緑のピークは見る間に高く聳え立ちます。まだまだ先は長いのでゆっくりとしたペースで進みます。路傍に咲く可憐なコイワカガミの群落が心を和ませてくれます。3つ目のP1を越えると前方には小無間山が大きく立ちはだかります。まず左側が大きく抉られた薙ぎです。瘠せた稜線を進み鞍部を越えると今度は右側が急峻なガレで崩壊しつつあり、足下に気をつけながら登ります。

○岩場を過ぎると樹林帯の中の急登となります。わずか300mほどですが疲れた脚には非常にキツイ登りです。小さな山頂は樹木に囲まれて展望はありません、小休止して息を整えます。ここに水とゼリーをデポして置きましょう。ここから大無間山までは樹林帯の中の緩やかな登りが続きます。シラビソの中を進むと突然展望が開けます。唐松谷の頭でした。大きな崩壊ガレの縁に立つと前方に大無間山が大きく眺められます。

振り返れば唐松谷の頭と小無間山が望まれる静かな山頂にて○二重山稜を過ぎ山頂への登りから振り返ると、頂まで薙が迫まった唐松谷の頭と小無間山が望まれます。山頂手前で北側の展望台に出ますが山々の山頂付近は雲が広がり見えません。やがて寸又からの路を合わすと待望の山頂です。樹林に囲まれ展望はありませんが、南アルプス深南部らしい静かな頂でした。一等三角点に座り周囲の小鳥の囀りを聞きながら食事をします。そうは言っても帰りのことを考えると長居はできませんから早々に山頂を後にいたします。

○帰りにはガスが出始めて景色はありません。小無間山ではデポしたゼリーで元気を回復して鋸歯に向かいます。往きに登ったのが信じられないような急斜面を下ると、途中に縦走装備のグループが休んでいました。小無間山でテントを張るのでしょか?我々が日帰り登山と聞いて驚いていました。

○鋸歯を越えて小無間小屋に着いたら脚はもう歩行を拒否しています。でも此処まで来ればあとは明るいうちに下るだけです。暫く休んでいましたが、一面のガスで展望はありませんし雨粒が落ち始めましたので、饅頭を食べて息を整えたら下りましょう。結構な雨音で降って来ましたが樹林帯なので余り濡れません。カッパも着けずにグングン下ります。

○ところが今日は足慣らしもせずに新しい登山靴です。登りは快調でしたが、下りになったら爪先が痛い!暫くは我慢していたのですが、ついに我慢できないほどの痛さです。スパッツを着けていれば以前の靴なら紐が解けることは無かったのですが・・・スパッツを外してみたら靴紐が解けているじゃありませんか。これじゃ痛いはずです『こんなに我慢するんじゃなかった』・・・・哀れ小指の外側にできた豆がつぶれて痛くて歩くどころじゃありません。

○それでも痛い脚を引きずりながら強引に下ります。長い長い下りでしたが、やがて植林帯になると登山口は近くです。林道に出ると強い雨足に遭いますが、車まで歯を喰いしばって辿り着きます。そのまま田代の民宿「ふるさと」へ直行しました。ここは地産地消のジビエ料理です。山菜の天婦羅や行者ニンニク、山女の塩焼きは当たり前ですが、まさか鹿肉の刺身や熊肉を食べることになるとは思いもよらず。温泉で汗を流し乾いた咽にはビールが進みます。

○憧れの大無間山への日帰りプランは無事に終了いたしました。同行の三本松君には今回も感謝です。ここは行程が長く標高差が大きいので、日の長い季節が吉でしょう。それでも余裕があれば避難小屋泊りを推奨します。やはり身体にダメージが残るような企画には無理がありますね・・・大いに反省です。



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