菰釣山

菰釣山・畦ヶ丸

縦走路から菰釣山を望む


【行程】 3/21(土)晴れのち曇り [市が尾7:10=(富士急高速バス)=山中湖畔8:50/8:55=(タクシー3770円)=山伏峠9:10/9:15−大棚ノ頭分岐9:48−石保土山10:22−樅ノ木沢ノ頭11:05/11:27−ブナノ丸12:06−菰釣山(南峰往復)12:30/12:55−菰釣避難小屋13:10(泊り)]
3/22(日)雨 [小屋6:43−中ノ丸7:16−城ヶ尾峠7:53−忘路峠8:32−畦ヶ丸9:12/9:31−善六ノタワ10:00−下棚分岐10:43−西丹沢自然教室11:15/12:00=(富士急湘南バス)=新松田13:14/13:53=(小田急・東急)=たまプラーザ15:09]
【メンバー】 隊長、菱縞の紋次郎



○三連休の後半を使って、予てから懸案だった菰釣避難小屋に泊ってきました。前回は日帰りのカモシカで東海自然歩道を東から西へと走破しましたが、今回は菰釣避難小屋に1泊で西から東へと向かいます。ただし縦走装備なので山中湖畔の平野からではなく、標高1100mの山伏峠からといたします。

本日も秀麗な富士山が望まれた○市が尾から高速バスで山中湖まで行き、タクシーで山伏峠まで入ります。トンネルの手前で降りたのですが、ホテルが休業中なので路が判然といたしません。うろうろした末に鳥居の所から続く道に入ります。神社を越えると稜線上の登山道に出てホッとしました。送電線の鉄塔付近から富士山の秀麗な姿が眺められます。大棚ノ頭を右に巻くと縦走路に出合います。

○急坂を石保土山まで登りますと、あとは標高差100m足らずで大きなアップダウンはありません。前方に特徴ある双耳峰の菰釣山が現在地とほぼ同じ高さに望まれます。時間もたっぷりあるのでノンビリムードで歩きます『それにしても肩に喰い込むザックが重い』・・・半年振りの縦走ザックでした。

存在感のある御正体山○汗ばむ陽気ですが頬に当たる春風はひんやりと心地よく、木々の間から周囲の山々が眺められる気持ちの良い縦走路でした。どっしりとした御正体山が、他の山を圧倒するような存在感で望まれます。ブナノ丸から最後の登りを登り切ると展望の良いと菰釣山の山頂です。ところが先ほどから雲が広がり富士山は見えなくなっていまいました。

この山頂標識は悪筆の極致だ!○時間があるので三角点のある南峰まで脚を伸ばします。笹のなかの踏跡を辿れば数分で三等三角点です。山頂標識はあまりの悪筆に紋次郎さんも吃驚!北峰に戻り休んでいましたが、陽が陰ると途端に寒くなります・・・雲が出て来て展望もイマイチだし早々と小屋に下りましょう。

○小屋に着いたらザックが5つ転がっています『オイオイすこしは整頓しておけよな』やがて遠くの水場から水を背負った中高年の5人組が登場します。元気なお喋りに我々はタジタジとなり小屋の片隅で静かに杯を傾けます。でも1時半から宴会じゃ酒が足りませんぜ。

○6時になったら食事は終わり、酒も切れたので寝るしかありません。ところがお喋りが止むどころか盛り上がり始めます『誰もあんたの不倫話なんか聞きたかねぇよ』「もう少し静かにしてください!」紋次郎さんの一声で幕となりました(6時半のことです・・・ここから長い夜の始まりです)

○本当に久し振りの冬用シュラフですが、どうもファスナーが上りません。ものすごく掴み難いし肩が窮屈です。暗がりのなかで不審ではありますが、何とか肩を入れて睡眠開始です。朝になったら原因が判りました。何と上下を間違えていたのです。どおりで足の先が涼しいはずです(情けなぁ〜)

○朝起きると夜半に降り出した雨は止んでいました。ところが出発の直前にガスが出て雨が落ち始めました。カッパの上下にスパッツという完全防備で出発いたします。ブナ沢乗越から中ノ岳の手前までは笹が被り雨具は大正解でした。でも次第に強くなる雨脚に隊長のムチベーションは低下の一途です。

○時々ゴーォーという強風が吹き抜け、ブナの大木を大きく揺らします。こういう時の避難小屋は有り難いものです。畦ヶ丸の小屋に入って休憩しましょう。熱いスープを飲んで生き返ります。当初の予定では屏風岩山に南下するつもりでしたが、一番安全な善六ノタワ経由のルートで下山することにいたします。

○尾根筋を下ると右手からの嵐のような強風が雨を叩きつけます。悲しいことに隊長の12年もののカッパは雨が滲み込んできます。それでも善六ノタワを過ぎると横殴りの雨はかからなくなりました。水量を増した西沢の滝は迫力を増し、丸木橋の下にはゴォーゴォーと渦を巻いて水が流れます。

○今日は一人の登山者にも会いませんでした。この天気でしたら当たり前ですね。雨の中でバスを待つ人々は、縦走組みばかりで日帰りの人は皆無です。それでも丹沢湖でハイキングの大団体が乗ってきたのには驚かされました(まったく、この天気に何処に行ってきたのかしらん?)

○久し振りの1泊山行でしたが、翌日は強雨となってしまいました。どうも隊長は春の雨は冷たくて好きではありません(・・・早くカッパを買えって)それでも丹沢の避難小屋泊まりでは、新しい楽しみ方の発見がありました。こうやって経験してみると、無駄の極致のような近場の山小屋泊りもまた乙なものでした。



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