南丹沢縦走

高松山〜檜岳〜鍋割山〜塔ノ岳(金冷シ)

1086P直下から高松山方向を振り返る


【行程】 12/28(日)快晴 [たまプラーザ5:34=(東急・小田急)=新松田7:03/7:20=(富士急湘南バス)=高松山入口7:30/7:34−ビリ堂9:03−高松山9:24/9:34−西ヶ尾9:54−林道秦野峠10:58−1086P下11:33/11:57−伊勢沢ノ頭12:23−雨山13:08−雨山峠13:29−茅ノ木棚沢ノ頭14:01−鍋割山14:40/14:48−金冷シ15:29−駒止茶屋16:25−大倉17:02/17:08=(神奈中バス)=渋沢17:23/18:22=(小田急・東急)=たまプラーザ19:28]
【メンバー】 隊長、関の三本松



○今年最後の山だからロングコースを歩きたい、となれば体力抜群な「関の三本松君」の出番です。南丹沢の高松山から秦野峠を経て塔ノ岳まで12時間弱の計画です。後半部分は11月下旬に通過し様子はわかっていますが、高松山から秦野峠までは未知の破線です。でも先週ABちゃんがGPSを持ってジダンゴ山へ抜けたようですので、隊長の技量をもってしたらは軽いものでしょう(って本当か?)

○通い慣れた始発電車の旅も、年の瀬が押し迫ると乗客も少なく寂しい限りです。それでも朝帰りの若者達に混じって、中高年ハイカーがちらほらと散見されます。高松山入口でバスを降りると地図に従ってミカン畑の林道を登ります(地図には無いがトイレから直登のルートが出来たらしい)林道終点からの山道は良く整備されたハイキングルートです。

高松山からは雄大な富士山の姿が望まれる○ビリ堂からひと登りで高松山の肩です。秦野峠への道を分けコチンコチンに凍った路を登ると草原になった山頂でした。南に進むにつれて箱根の山々、愛鷹山と展望が開けます。やがて雪を被った富士山が雄大な姿を現しました。完全な冬型の気圧配置ですから寒いけれど雲ひとつ無い快晴です。

縦走路から高松山○秦野峠へは鹿柵に沿って進みます。柵が切れたところを北進すると小さな道標があり、八丁への路を分け右に下ります。樹林帯の尾根道は落葉が積りカサカサと乾いた音が付いてきます。アップダウンを繰り返しながら進むと送電線の大きな鉄塔を潜ります。煩いほどテープがありますから迷う心配はありません。

○ジタンゴ山への分岐に出ると一般道です。林道まで急降下して左折すると林道秦野峠でした。ここからは鹿柵に沿って急登ですが、すぐに両側に柵が迫り情けない道となります。やがて痩せ尾根となると日影山からの路を併せます。ここからは秦野峠に回らずに眼の前の山を直登しましょう。前回はここで道に迷い下ってきた「ここは何処?」オジサンに出会いました。

○少し険しいけど路はありました。次第に急になる傾斜とグズグズの土に足を取られ息が弾みます。脚が上らなくなったので、1086P直下の風の当たらない草原で昼食といたします。眼下には高松山からの尾根が黒々と続き、送電線の鉄塔がアクセントとなります。遠くには相模湾がキラキラと光りを反射させて至福の一時を演出いたします。

○伊勢沢ノ頭からは山道らしくなり、葉を落とした木々の間から檜洞丸や蛭ヶ岳の主稜が望まれます。雨山峠までは薄暗い路で北側斜面の下りは硬く凍り気を抜けません。雨山峠からの急登で前回は脚が攣って大変でしたが、焦らずに一定のリズムを心掛けたら難なく通過できました。鎖場の手前で本日初めて人に出会いました・・・鍋割山まではこの2人だけです。

クリアな視界のなか蛭ヶ岳が間近にあった○鎖場の岩は乾いていたので簡単でしたが、雪が着いて凍ったら難度は高くなるでしょう(念のために軽アイゼンは持参しました)鍋割山への登りではガレ場から蛭ヶ岳がクリアに望まれます。午後になってから空気は一段と透明度を増したようです。ようやく辿り着いた鍋割山ですが、いつもは人で溢れているベンチも2人だけとは寂しい限りです。

○まだ時間がありますのでもう少し先まで進みましょう。ここからの路は丹沢のメインルートですから木道と階段のハイウエイとなります。早足で小丸を越えて金冷シに着いたら3時半でした。塔ノ岳が間近に迫りますから三本松君に「ここで待ってるから塔ノ岳まで行ってきたら」「・・・いやもう下りましょう」彼の足だったら15分で往復できると思いましたが・・・きっと縁が無かったのでしょう。

○こうなったら日没との競争です。大倉尾根を一気に下りましょう。展望に優れる尾根からは周囲の山々が望まれますが、ゆっくりと堪能する時間はありません。赤い太陽が山影に沈んだのは4時35分でした、あとは残照があるうちに出来るだけ下ります。ここで5時過ぎのバスに間に合う可能性が出てきたので益々鞭が入ります。

○ようやく大倉高原分岐です。右も左も大倉まで2.3Kmの板が道標に貼り付けてありました。貴重な時間を割いて地図を見たら、どう考えても右の小屋経由の道は大きく回りこみ同じ距離とは思えません。誰の悪戯かわかりませんが、山の道標に手を加える行為は明らかに犯罪でしょう。登山隊は当然ながら左の路を選び、薄暗い林の中を飛ばします。

○ゆっくりと下る登山者たちを蹴散らしながら舗装道路に出ました。ここからは更に早足でバス停を目指します。明るい広場にバスの姿を認めた隊長は思わず走りよります。寒いのに汗びっしょりで、まったく何をしているのやら(いっこうに学習効果のない隊長です)

○本日は今年の締めくくりに相応しいロングコースを歩くことが出来ました。同行の三本松君に感謝です。高松山から鍋割山までの間は人の姿も稀で、出会ったのは鹿ばかりという静かな山旅をすることができました。こんな楽しい思いをさせてもらいましたので、隊長の丹沢通いももう少し続きそうです。



2008年の記録へ