大山北尾根

土山峠〜辺室山〜一ノ沢峠〜大山〜蓑毛

ミズヒノ頭から大山を望む


【行程】 1/11(日)快晴 [たまプラーザ5:50=(東急・小田急)=本厚木6:48/6:55=(神奈川中央バス)=土山峠7:35/7:40−辺室山8:43−物見峠9:21−一ノ沢峠10:41/10:51−県道分岐11:56−ミズヒノ頭12:24−大山13:35/13:47−ヤビツ峠14:30−蓑毛15:24/15:30=(神奈川中央バス)=秦野15:46/15:56=(小田急・東急)=たまプラーザ16:54]
【メンバー】 隊長



○大山の北尾根は魅力的な点線ルートですが、入口までのアプローチが長くしばらく躊躇していました。でも最近のロングコース踏破で自信をつけた隊長は、土山峠から辺室山を通って一ノ沢峠に至る7時間半のルートに挑戦です。ただ一昨日積もった雪の影響がどれほどあるのか、一抹の不安を抱えながらの出発でした。

○寒波の影響で凍てつくような朝でした。本厚木駅前に停まっている宮が瀬行きのバスは登山者で9割程度の混み方です・・・『こんな日にご苦労なこってす』あまりの寒さにバスのドアーが閉まらないというハプニングもありましたが、なんとか無事に出発いたしました。

○土山峠で降りたのは隊長だけでした。数日前に突然襲ってきた右膝の痛みが不安材料です、ストレッチを十分にいたしましょう(対策としてヒートテックのタイツを穿いてきました)いきなりの急登ですが、身体が温まるまでは慎重に脚を運びます。心配していた雪は思ったほど深くなく、凍りついてもいませんからアイゼンの出番はありません。

辺室山を振り返る○辺室山への最後の登りは緩い直登です。踝までの雪を蹴散らしながら一歩一歩登ります。三角点の先に山頂がありました。木々の間から周囲の雪を被った山々が青空を背景に眺められ雪山ムードは盛り上がります。遠くには朝日を受けた相模湾が黄金色に煌きます。

○物見峠から黒岩への道は崖崩れで通行止めでした。唐沢林道を通って行きます。峠で休んでいると通行止めの標識の向こうからカサカサと微かな音がしてきます「熊出没注意!」の看板を前にして、次第に近づく音に高まる緊張感!するとヨレヨレのおじいさんが鉄砲を担いで現れました『まったく、驚かすなよ』そういえば猟犬の鳴き声が聞こえてきます、誤射されないように気をつけましょう。

一ノ沢峠の大山北尾根入口○凍った林道は気が抜けません、滑らないよう慎重に進みます。物見峠から1時間で一ノ沢峠入口でした。林道を離れ急坂を喘ぎながら上るとベンチのある一ノ沢峠に到着です。一本とって息を整えたら、課題の北尾根を大山に向かいます。大きな木が茂る尾根筋は歩き易い路です。雪に覆われた地面には昨日のものと思われる下りの足跡が一つだけ付いています。

○太陽を正面に見ながら樹林帯を登ります。逆光の木漏れ日が凍った雪面を照らし、暗い林に幻想的な白い輝きを届けます。ところが次第に急になる斜面を忠実にトレースする隊長の息は上がりっぱなしです『可笑しい、こんなはずではなかったが・・・正月の不摂生の所為か?』原因は下りの足跡を辿ったので大股になり草臥れただけでした。解ってしまえば答えは簡単です、下りの1歩を登りの2歩としてリズミカルに足を出し、危機を脱しました。

鹿柵を不安定な脚立で乗り越える○ようやく札掛方面への分岐がある913Pに到着です。送電線の鉄塔が眼の前にあり、その背後にはミズヒノ頭が聳えています。ここからは潅木の背丈が低くなり展望も良くなります。ミズヒノ頭へは脛までの雪でジグを切りながらの急登ですが、数人のトレースが入り歩き易くなりました。山頂からは正面に電波塔を持った大山が遥か遠くに望まれます。また右手には塔ノ岳から丹沢山の展望が開けます。

○ここからは快適な雪の稜線漫歩の始まりです。徐々に高度を上げながら大山を目指します。途中の痩せ尾根では少し緊張しましたが、雪は柔らかく問題ありません。数人とすれ違うだけの静かなコースでした。最後の登りで鹿柵を脚立で乗越すと電波塔の裏に出ます。大山の山頂は人で混んでいました。

○踏まれて圧雪状態の滑り易い階段を慎重に下りますが、へっぴり腰のハイカーが数多くいて渋滞を起こしていました。ヤビツ峠への分岐を過ぎると人は極端に減り静かな山道が帰ってきました。まだ時間が早いのでヤビツ峠からバスに乗らず蓑毛まで歩いて下りましょう。巻き道に入ると人の気配も消え本当に静かな路でした。

○ところが下方からワンワンと犬の鳴き声が迫ってきます。突然、眼の前を鹿の群が横切ります。下の犬に気を取られていたら・・・路肩が崩れて谷底に滑落しそうになりました『おっと危ない!』咄嗟に手を突いたら尖った石で手のひらを切ってしまいました。少し前に手袋を取ったのが災いしました(どこに不幸が転がっているかわかりません)

○本日の大山北尾根は大雪の後だったのでスノーハイクを堪能できました。通いなれた丹沢ですが雪が積もれば様相も一変いたします。これからの季節は凍結に注意しつつ、静かな冬の丹沢を楽しみたいと思います。



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