西丹沢縦走

畦ヶ丸〜菰釣山〜高指山

木々の間から菰釣山を遠望


【行程】 12/6(土)晴れ時々曇り [たまプラーザ5:34=(東急・小田急)=新松田7:03/7:20=(富士急湘南バス)=西丹沢自然教室8:28/8:38−善六ノタワ9:52−畦ヶ丸10:34/10:43−大界木山11:24−中ノ丸12:15/12:25−菰釣山13:15/13:23−油沢ノ頭13:52−石保土山14:40−高指山15:34/15:43−平野16:17/17:25=(京王高速バス)=新宿20:04/20:08=(JR・東急)=鷺沼20:48]
【メンバー】 隊長



○先週に続いて西丹沢です。実は畦ヶ丸で会った煙を吐くオジサンから、菰釣山を経て山伏峠まで縦走したとのメールをいただきました。この情報を負けず嫌いの隊長が見逃すはずはありません・・・さっそく挑戦することにいたします。西丹沢から平野まではコースタイムで10時間15分ですが、日の短い12月ですから16時半には下山したいものです。バスの到着が8時半ですから、休憩を入れてコースタイムの8掛けが目標タイムです。路は東海自然歩道で整備されていますから迷う心配はありません(・・・って本当か?)

○12月の新松田は先週までの喧騒が嘘のような静けさです。もちろん臨時バスが出るなどということもなく8割がたの乗客でした。西丹沢では登山届の提出とトイレ待ちとで思わぬ時間を使い、少々焦り気味にスタートです。まずは釣橋を渡って西沢沿いの路を進み、畦ヶ丸に直登します。

○沢を離れるとグイグイと急坂を電光形に登り高度を稼いで行きます。気温は低いのですがゼイゼイと呼吸が荒くなると汗が噴出します(ってペースが速くない?)善六ノタワを越えたところのベンチで着替え中の汗かきオジサンをパスすると、山頂まではもう一息です。先週同様にガスの流れる山頂でしたが、今回は誰も居ませんでした。

○モロクボ沢ノ頭で白石峠への道を分けると、その先は未知の縦走路です。木々の間から菰釣山のツインピークスが遥か彼方に望まれます『遠い!』前途多難ですが根性を入れて頑張りましょう。大界木山を越えると気持ちの良さげな城ヶ尾峠です。ここまで4時間15分のところを3時間6分ですから結構良いペースです。小さなアップダウンを繰り返しながら縦走を続けます。

明るい菰釣避難小屋○菰釣避難小屋は新しくて明るく清潔でした。大きなガラス窓が印象的ですが、果たして冬は寒くないのでしょうか?ベンチで休み栄養補給してから菰釣山の登りに備えます。標高差は150mぐらいで急坂でもないのですが、流石に疲れた脚にはこたえます。無理をしたら攣りそうですから、騙し騙し歩幅を小さくして力を入れないで登ります。

これから縦走する尾根の向こうに最終地の光る山中湖が・・・遠い!○山頂からは西に大きく展望が開け、裾野まで雪を被った富士山が正面に聳え立ちます。麓には山中湖が日の光りを受けて銀色に反射しますが『あそこまで行くのか〜』思わず溜息が(情けなぁ〜)畦ヶ丸からここまで誰にも会いませんでしたが、ようやく単独の女性に遭遇しました。山伏峠から入り西丹沢へ抜けるそうです。それにしてはノンビリしているようですが、果たして無事に下山できたのでしょうか?

縦走路からは御正体山が間近に望まれる○西に傾きかけた陽の光りを受け、明るい稜線を下ります。順調にタイムを稼いで行きますが、石保土山までのコースタイムが厳しくて短縮できずに焦ります。脚に鞭が入り巡航速度を上げると、前方に登山者を発見!あっと言う間に追い抜きました。ところが山伏峠分岐を過ぎ安心してベンチで休んでいると、ザッザッと枯葉を踏む音がして先ほどの単独行がかなりのスピードで掛け抜けて行きました・・・呆然と見送る隊長でした。

○カヤトの稜線をゆっくりと登ると最後の山「高指山」です。正面に聳える富士山の肩には傾いた太陽が鈍く輝き、纏わり着く雲を照らします。眼下には山中湖が大きく広がり、火山灰の原野には逆光を浴びたススキが風にそよいでいます。頑張った甲斐があって時間に余裕ができたので、テルモスでココアを作り暫し時を忘れて佇みます。先ほどの単独行の方は、何と同じバスで大滝橋から登り縦走してきたそうです。隊長の少し先を歩いていたのですね・・・無茶苦茶な計画を考える馬鹿は他にもいたんです。

○山頂からは平野バス停への近道がありました、まだ明るいので躊躇なく利用します。途中で自然歩道と合流し、別荘地の中を通り平野バス停には明るいうちうに到着です。新宿行の高速バスが1時間後にありましたので予約をいれます。さて時間をつぶそうと思って周囲を探しますが、冬枯れの寂しい避暑地には開いている食堂や喫茶店はありません。日が沈むと身体の芯まで冷える寒さが襲ってきました。最後はコンビニに避難して立ち読みで暖をとる情けなさです。

○今回は少々の無理を承知の計画でしたが、無事に貫徹することができました(結果はコースタイムの75%)道は良いのですが途中のアクセスが不便ですので人の少ないエリアです。もし西丹沢と平野を結ぶ稜線を時間内に歩き通す自信があれば、素晴らしい静かな山旅が貴方を待っています。



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