丹沢鍋割山稜

大野山〜日影山〜檜岳〜鍋割山

ブッツェ峠から日影山を振り返る


【行程】 11/23(日)晴れ [たまプラーザ5:34=(東急・小田急・JR)=谷峨7:36/7:42−十字路8:37−大野山9:07/9:20−日影山11:02/11:11−ブッツェ峠11:39−秦野峠12:26−伊勢沢ノ頭13:14−檜岳13:36−雨山13:58−雨山峠14:22−鍋割峠15:09−鍋割山15:36/15:43−後沢乗越16:15−二俣16:47−大倉17:52/18:14=(神奈中バス)=渋沢18:26/18:32=(小田急・東急)=たまプラーザ19:41]
【メンバー】 隊長



○11月後半の三連休ですが、金曜日の夜まで怒涛のような仕事の波に翻弄され、身体はボロボロの風邪気味では休養しか手はありません。流石に土曜日は大人しくしていたのですが、月曜日の天気が悪いとなれば・・・日曜日に出撃するしかないじゃありませんか。幸い体調も戻りましたので(・・・本当か?)近場の丹沢へ向い大野山から塔ノ岳を目差します。

○やはり人気の丹沢です。新松田の駅前から出る西丹沢行きのバスは大混雑でした。それではとJRを選択します。御殿場線で3駅目の谷峨で降りた登山者は隊長だけでした。目差す大野山は家族向けハイキングコースなのに可笑しいなぁ。山間の冬の朝はフリースを着ても寒いぐらいですから当然か。十字路からは山道となりぐんぐん高度を上げて行きます。やがて牧場の草原となると富士山が秀麗な姿を現しました。天気が良いので素晴らしい展望です。

大野山からは富士山の絶景が広がる○大野山の山頂は公園になっていてトイレもあります。カメラを構えたオジサンが一心に富士山を狙っていました。目差す丹沢方面は遥か遠くに望まれますので、気を引締めて参りましょう。ところが道標が無いので、路を間違えて牛舎に出てしまい時間をロスします。暫くは林道を辿り、ゲートのところから三俣ダムの標識に従い山道に入ります。

○秦野峠分岐は痩せ尾根に上ったところです。少し前にも道が大きく左に曲るところがありますが直進方向に踏跡はありません。道標には秦野峠方向の表示がありませんが明瞭な道が稜線上にあります。途中に笹薮っぽいところがありますが、手入れがされていて道は明瞭です。

○ところが鹿柵にぶつかり道は途絶えます。柵を乗り越えるための脚立がありますので、これを利用するのかと思いましたが向こう側には踏跡が見えません。よく探すと少し右の柵の角に沿って進む路が見つかりました。ここから先は日影山まで柵に沿って真直ぐ進みます。

鹿柵に山頂標識(この下に三角点がある)○鹿柵のところに山頂標識が掛かり、その下に三角点もありました。平坦な山頂ですが木々が生い茂り暗くて展望はありません。ここからの下りは迷いました。少し先で鹿柵は西方向に向かって下り始めます。真直ぐ進んだ伐採跡の先にテープを発見し薄い踏跡を下り始めます。途中で心配になり木々の間から周囲の地形を確かめますが、どうしても確信が持てません。仕方が無いので登り直し山頂付近をウロウロし、他にテープの無いことを確認のうえ再度下ります。

稜線上には水源の森の杭が連なります○ブッツェ峠からは林道を渡って対岸の階段を登ります。途中で林業関係の作業道が縦横に走りますが、稜線をトレースすれば大丈夫です。広い尾根筋ですが「水源の森林 神奈川県」の杭が続きますので、ルートファインディングの楽しみは半減です。ここら辺りから木々の間から、雪を少し被った丹沢主稜の山々が望まれるようになります。

○秦野峠手前の868P近辺は左側が抉れた痩せ尾根で、疲れた脚に緊張を強いられました。上り切ったところで「雨山峠・林道秦野峠」の道標に出合い本日の核心部は無事に完了です。あとは一般道を歩くだけですから、体力と時間の続く限り前進いたしましょう・・・とはいえ計画を大幅に上回る時間が掛かっています。

○大野山からここまで誰にも会わない静かな山旅でしたが、さっそく単独行と出会いました。秦野峠に向かって山道を下り始めると、左上のザレた坂から地図を片手に下って来ます。挨拶を交わすと「ここは何処?」状態です・・・大丈夫かいなこの人は?どうやら1086Pから「水源の森林」の杭に誘われて分岐に気付かず直接下って来たらしい。

○なるほど1086P付近の尾根筋には鹿柵があり、道は柵の少し東側にあります。道は南に下りますが、柵沿いに歩いているとそのまま西に下ってしまいます。この先は歩き易い道ですが尾根の両側に鹿柵のある気分の良くない道となります。伊勢沢ノ頭からは山道らしくなり、木々の間からは檜洞丸・蛭ヶ岳が大きく望まれるようになります。

○雨山峠への最後の下りは朽ちた木の階段が左に下っています。一方テープは真直ぐ下るようです。迷った末に階段を下り始めますが廃道に近い荒れようでした。そうするとテープの尾根を上ってくる登山者の姿が「ヤッホー、何処から来ました?」「ユーシンから」「雨山峠と通りました?」「通ってません」・・・『おかしいな、ユーシンからだったら通るはずだがなぁ??』登り直すのも大儀なので、半信半疑で荒れた痩せ尾根を下ると雨山峠でした。

○峠では雨山橋からの登山者が上ってくるところだったので、休まずに急登に取り付きます。「痛い!!」突然、大腿四頭筋が攣りました、右を庇っていたら左も痛い!どっと冷や汗がでます。この先には鎖場もあり、こんな所で動けなくなったら大変です。少し休んでから、負荷を掛けないようにソロリソロリと参りましょう(情けなぁ〜)

○鎖場は脚に負担を掛けないように、普段とは逆に上半身を使って登ります。花崗岩の滑り易い岩場に鎖が掛けてあります。登りは問題ありませんが、下りでは滑らないように慎重に脚を置きます。少しヤバイなと思った時には、両脚ともに滑り出し身体は前に投げ出されてしまいます「ウワーッ」必死で木の枝にしがみ付き事なきを得ました・・・翌日は上半身が痛い。

鍋割山への登りから蛭ヶ岳・丹沢山を望む○秦野峠まではコースタイムの短縮が儘ならない隊長でしたが(丹沢のタイムは厳しい)一般道に入ってから、ようやく調子が出てきたようです。出発から秦野峠まで4時間44分も掛かり先行きに不安がありました。でも秦野峠から鍋割峠までは1時間の短縮となり、何とか明るいうちに下山する目処がつきました。

○鍋割山への最後の登りは標高差200mですが、疲れた脚には堪えます。俯いて地面を見ながら一歩一歩進みます。やがて傾斜が緩くなりますが、ここからがまた長く感じられました。ようやく着いた山頂には登山者が溢れていました。小屋泊まりの人たちでしょうか、まったく緊張感の無いお休みモードです。

鹿たちがお見送り・・・白いハートのお尻が色っぽい○さて明るいうちに下山するなら、そろそろ縦走を終わらなければなりません。緊張モードを保ち小屋を後にいたします。後沢乗越から二俣への道は良く整備されているので少々暗くなっても安心です。少し下ると鹿の群れに見送られます。彼女らはいつでもダッシュで逃げられる体勢で、顔だけ後を振り返りお尻を見せています・・・ハート型の白いお尻が色っぽい

○残照のなかを二俣に到着です。何人かの登山者も休んでいました。どうやら上で遭難者が出たようで、警察の車も出動していました。ここからまだ長い林道歩きが1時間あります。次第に暗くなる周囲では遅れた紅葉が薄い光に浮かび上がります。単調な林道歩きは退屈なので若い単独行と一緒になり話しながら歩きました。

○大倉分岐を先行の人がパスしたので分岐を曲って良いのか不安になります。そこへ懐中電灯を持たないアホな単独行が追いつき「道は知っているから一緒させてくれ」断る理由はありません、3人の珍道中となりました。どうも話が合わないと思ったら、アクセス手段が異なりました。一人は車、もう一人はバイク、隊長はバスです。話が弾んでいるうちに、何とか無事に大倉のバス停に到着いたしました。

○本日は丹沢のあまり知られていない日影山を中心に、公共交通機関を利用し縦走路を組み立てた単独行でした。遊歩道、林道、藪、鎖場など変化に富んだ縦走路で、展望も良く歩き甲斐のある道でした。始めに計画した塔ノ岳までは行きつけませんでしたが、充実感に溢れる一日を過ごす事ができました。



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