谷川岳縦走

平標山〜仙ノ倉山〜万太郎山〜谷川岳

仙ノ倉山から万太郎山を望む(奥には谷川岳が顔を出している・・・『遠い!』)


【行程】 10/13(月)快晴のち曇り [鷺沼5:05=(東急・東京地下鉄)=東京5:53/6:08=(とき301号)=越後湯沢7:25/7:28=(タクシー)=元橋7:45/7:50−鉄塔8:43−松手山9:16−平標山10:14/10:24−仙ノ倉山10:53/11:00−エビス大黒の頭11:33−毛渡乗越12:13−万太郎山13:05/13:14−大障子避難小屋13:51−オジカ沢の頭14:39−谷川岳15:33−熊穴沢避難小屋16:20−天神平16:45/17:34=(ロープウエイ)=土合口17:44−土合18:07/18:22=(JR・東急)=たまプラーザ22:43]
【メンバー】 隊長、関の三本松



○平標から谷川岳まで谷川連峰の縦走を企てますが、縦走装備ですと最低1泊は必要です。そこで日帰りで行けないか検討してみました。朝1番の新幹線を使えば8時すぎには平標登山口に着くことができそうですが、天神平からのロープウエイの最終は5時となっています。果たしてコースタイムで11時間半のところ、休憩を入れて9時間で歩くことは出来るのでしょうか。軽量カモシカで一気に駆け抜けたいと思います。そうなると谷川岳周辺に強く、かつ若くて体力のある三本松君の出番です。

○タクシーが飛ばしてくれたので登山口を7時50分に出発です。計画に比べて25分前倒しですが、貴重なアドバンテージとなりました。行程のほぼ6割に当たる万太郎山への到着を13時半タイムリミットとします(土樽へ抜ける吾策新道がエスケープルートです)前半は頑張ってコースタイムの75%ペースで参りましょう。

平標山への笹原を最後の急登○気温は6℃で少々ヒンヤリとしていますが、急登をこなすには丁度良い気候です。始めから気合を入れて歩いたので、鉄塔まで1時間で到着しました。松手山からは気持ちよい開けた稜線の道で平標山まで直線で望めます(豆粒のように急登を登る人々が眺められ、思わず溜息が出てしまいました)流石に人気の山です、次々に登山者を追い抜きながら山頂に迫ります。息を弾ませ頂に上ると、眼の前に連峰最高峰の仙ノ倉山がどっしりと控えていました。あまり長くは休めませんので、息を整えたら木道の階段を下ります。

○仙ノ倉山は360度の眺望で秋晴れのなか周囲の山並みが遠くまで見渡せました。連峰最高峰から眺めますと、平標山は低い瘤にしか見えません。正面には大きな万太郎山が望まれ、その向こうにはオキの耳が顔を出していました『遠い!!』めげそうになる隊長(情けなぁ〜)縦走路はアップダウンを繰り返しながら延々と霞の向こうまで続いているのでした。でも若い三本松君の闘志はこんなことでは衰えません。

○ここから日帰り組みが居なくなり本格的な山屋の世界です(ちょっと登山隊は異質です)急降下した鞍部にカマボコ型の避難小屋がありました。中を覗くと「狭い!」定員5名となっていました。この辺りから縦走者とすれ違い始めます。重いザックで仙ノ倉山の急坂を黙々と登り、本当にご苦労なことです。秋の陽といえども昼時の直射日光は強烈に登山者を苦しめます。前衛峰に騙されながらも汗びっしょりでエビス大黒の頭に辿り着くと脚に痙攣が走ります(ヤバイ!この先が思いやられます)

万太郎山への登りから仙ノ倉山を振り返る○万太郎山まで来れば本日の長丁場も半ばです。草紅葉に彩られた稜線をそよ風に吹かれながら辿ります。とはいえ最後の登りは半端ではありません。山頂からの「ヤッホー!ヤッホー!」の声に励まされて汗をかきながら一歩一歩前進します。倒れこむように着いた山頂には、肩ノ小屋から来た単独行のオジサンが佇んでいました(それにしてもノンビリですね)

○さあ、まだ1時15分ですから予定通り谷川岳に向かって進みましょう。背後ではヤッホーおじさんの孤独な叫びがだんだん遠くなります。ガスが濃くなり濡れた岩の痩せ尾根の通過は緊張を強いられます。大障子、小障子と越えて行くとオジカ沢の頭です。避難小屋の先にピークがありました『もう足が上りません』恥も外聞もなく倒れ込みます。

○中ゴー尾根分岐を過ぎると前方に人影を認めます「おかしいなぁ、どこから現われた?」次々に左の笹原から縦走路に上がってきます・・・どうやら沢を登ってきたようです。歯を喰いしばって登ると、ガスの中から忽然と肩ノ小屋が現われました。小屋前にザックをデポして空身で山頂に向いましょう。身体はボロボロになりながらも何とか時間内に到着です。でも夕暮れ迫るガスの頂にはもう誰も居ませんでした(そういえば11年前の山頂もガスでしたっけ)

錦秋の谷川岳○右膝に違和感を覚えますがロープウエイの最終に間に合わすべく一気に下ります。途中でバスに間に合うかも知れないという気持ちになって、熊穴沢避難小屋からは更に鞭が入ります。痛いのに構わず最後は脚を引きずるように走って天神平に着いたのですが・・・・ロープウエイは長蛇の列(紅葉真っ盛りの三連休最後の日ですから)乗るまで50分待ちとは何たるこっちゃ。

○結局、土合駅まで暗い車道を歩きJRの普通で帰ってきました。ローカル列車に揺られるうちに、身体がバラバラになりそうな疲労感もいつしか充実感に変ります。錦秋の谷川岳を西から東に忙しく駆け抜けた一日でしたが、天候にも恵まれて素晴らしい秋の休日となりました。三本松君も隊長に付き合って長躯の縦走お疲れ様でした。



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