安倍川低山3連発

舟山・木枯ノ森・諸岡山

安倍川の堤防から中洲の舟山を望む


【行程】 4/7(土)晴れのち曇り[東名江田6:57=(JRバス)=静岡駅9:32/10:10=(静鉄バス)=向敷地上10:30−S10:50−舟山10:52−S10:54−向敷地上11:08/11:28=(静鉄バス)=牧ヶ谷11:32−E11:43−木枯ノ森11:44−E11:45−服織中学前11:53=(静鉄バス)=新静岡12:15/12:50=(静鉄バス)=福田ヶ谷上13:19−S13:30−諸岡山13:31−N13:33−下13:39/13:50=(静鉄バス)=静岡駅14:13/14:15=(JRバス)=東名江田17:24]
【メンバー】 隊長


舟山(ふなやま) 43.5m
○静岡の安倍川は世にも珍しい河川敷低山の宝庫です。その中でも舟山は一番下流の中州に聳える緑の森で、両側の大きな流れが近づく者を拒否している孤高の山です。5年前に訪れた時には薄暮迫るなか、川面に渦巻く流れに恐れをなし登頂を断念いたしました。ところが大阪の奇人が書いた登頂記を読む機会があり、負けず嫌いの隊長の心に火が着いてしまいました。

○入念な計画で臨んだ遠征でしたが、現地に着くまでは果たして渡渉ができるのかどうか不安で一杯でした(水量はどうか、水温はどうか・・・)この歳になっても前夜は興奮で寝られない悲しい隊長です。そんなわけで早朝の高速バスでひと眠りしている間に静岡に到着しました。晴れ間も見え気温も上って絶好の渡渉日和となりました。

○静岡近郊は静鉄バスの路線網が縦横に完備していますからネットで調べると便利です。新静岡から藁科線に乗ります。まずは安倍川橋を渡る時に目を皿のようにして現地を俯瞰偵察いたします。春の陽を浴びて明るく広い川原の真中にこんもりとした緑の杜が望まれます。肝心の水量はというと・・・流れの幅は広い!

イキナリ20mの渡渉から始まります○堤防を下るとイキナリ20mの渡渉です。脛程度の水深ですからジャブジャブと渡ります、秘密兵器の鮎靴とネオプレーンソックスで冷たさは感じません。次はいよいよ本流の渡渉です。なんだか深くて速いような気がいたします『うーん、登頂記には20Cmほどの水深と書いてあったが』しかし此処まで来て簡単に諦める訳にはまいりません。


山頂には記念碑と三角点がありました○ズボンを膝上まで捲りストックを握り締めて浅瀬を求めて流れに入りますが、次第に深くなる水流に不安は増して行きます。あと10mで対岸ですが今までより速い流れに足が竦みます。『ナニクソ!』勇気を振り絞って進みますが膝を越えて太腿まで水に浸かり、流れの圧力でバランスを崩しそうになります。


○ズボンの裾を濡らし命からがら中洲に渡りきると、暫く心臓のドキドキは治まりません。舟山の麓まで河原を進み、南側の薄い踏み跡を辿ります。山頂には広場があり「元舟山神社境内」の記念碑と四等三角点がありました。木々の間からは静岡市街が一望でき、安倍川の自然と不思議なコントラストを見せてくれます。



木枯ノ森(こがらしのもり) 43m
何故?我が目を疑う急流が前途を阻みます○木枯ノ森は安倍川支流の藁科川の中洲にあり、清少納言の枕草子にも出てくる由緒ある森です。ここは登頂済みですが近くですから再訪いたしましょう。短距離ですから鮎靴のままバスで移動します(半魚人はかくありき)前回は1.5mの流れを飛び越えただけでしたが、目の前には満々たる流れが現れました。


○我が目を疑いましたが舟山で急流の渡渉に自信を付けた隊長は躊躇なく水に入って行きます。先ほどより速い流れに少々戸惑いましたが、水深は膝までなので難なく突破し無事に登頂を果たします。森のなかの落ち着いた社は歴史を感じさせてくれます。麓の桜が満開で緑の杜に明るいアクセントを与えています。


山頂の落ち着いた社山麓の桜と工事中の河川敷○どうやら河川の改修工事で北側の流れを南側に付け替えたようです、北側ではテトラポッドを並べショベルとダンプが唸りを上げていました。帰りは流れの無い北側の岸に渡りバス停を探します。最後は渋滞中のバスと競争となり何とか乗り込みましたが、席に着いたらどっと汗が吹き出てきました。



諸岡山(もろおかやま) 92m
諸岡山と扇風機つきお茶畑○今度は新静岡から安倍川線で福田ヶ谷上に向います。安倍川に沿って上流に進むと左右にお茶畑が目に付き始めます。この辺りのお茶畑は霜害防止に大きな扇風機のような攪拌機を備えていますので異様な光景です。バスを降りると左手に小高い丘が見えます。地図によると堤防上のコブのようでしたから実際の山らしい姿に嬉しくなります。


堤防の上に聳える不思議な小山○南北に長い山は急峻で何処から取り付いたら良いか弱点が見当たりません。お茶畑の柵に沿って南下し堤防に上ります。こちら側から眺めますと堤防の上に山が聳えている不思議な景色でした。やがて墓地が現れ奥は崖に遮られます『ちょっと登れないなぁ』諦めきれずに左手に回り込むと細い踏み跡が続いていました。


○滑り易い急登ですが両手を使いながら登り切ると狭い山頂でした。北側に道が続きますので縦走いたします。また墓地が現れ先にお堂がありました、こちら側からの方が登り易いでしょう。立派な中学校の脇を通って下バス停に到着です。


○静岡での際どい接続を何とかこなし2時15分の高速バスに乗り込みます(駅前バスターミナルが工事中で混雑する地下道を潜り抜けバスまでダッシュ・・・もう汗だく)今回の企画は「安倍川の低山を徹底的に極める」という壮大なものでしたが、川を渡るという困難を乗り越えて初期の目的を貫徹できほっとしています。



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