お江戸富士塚巡り
下谷坂本富士・十条富士・駒込富士・高松富士・音羽富士
お山開きで賑わう下谷坂本富士
【行程】 7/1(土)曇りのち小雨[鷺沼10:50=(電車)=入谷12:01−小野照崎神社12:07−下谷坂本富士12:11−神社12:16−入谷12:22==東十条12:44−富士神社12:53−十条富士12:55−神社12:57−東十条13:08==駒込13:33−富士神社13:47−駒込富士13:48−神社13:52−駒込14:07==要町14:36−富士浅間神社(高松富士)14:54−要町15:06==護国寺15:16−登山口15:22−音羽富士15:23−登山口15:24−護国寺15:29==鷺沼16:28]
【メンバー】 隊長
【下谷坂本富士】したやさかもとふじ
○江戸時代には富士講が盛んで各地に富士塚が造られ、東京都内にも60を越える富士塚が残っているようです。地元の港北富士塚に登り味をしめた低山隊長としてこれは無視できません。7月1日は富士山の山開きですが、お江戸の富士塚でも各地で山開きのお祭りが開かれます。この機会でなければ登れない山もあるようですから、土曜日に当たったのを幸いに出陣いたします。
○まずは入谷の小野照崎神社にある下谷坂本富士に向います。ここは国の重要有形民族文化財に指定されている由緒正しい富士塚です。不断は立入禁止ですが6月30日と7月1日の2日間だけ一般の登山が許されています。神社の入口には山開きの提灯とポスターが飾られ、本堂の左奥に登山口があります。
○印半纏の粋なオジサンが『お山開き』のチラシを配っています。登山者はそこそこで混み合うほどではありませんが善男善女で賑わっています。丁度TBSラジオのお姉さんたちがマイクを持って下山してきました(・・・結構有名なイベントなのね)登山口から直登しようと一歩足を出しますと「1合目はそちらです」と先達から声がかかります。良く見ると登山道は大きくジグを切って造られています。
○山腹には富士山から持ってきた溶岩が貼り付けられ本物のような雰囲気を醸し出します(とても1782年の築山とは思えません)山頂からの展望は民家の窓を覗いたりイマイチですが、年に2日しか登頂のチャンスがありませんから満足度の高い登頂でした。
【十条富士】じゅうじょうふじ
○東十条駅を降りると小雨がパラツキ始めましたが数分で富士神社に到着です。北側の道は露店がびっしりと並び浴衣姿の子供たちが溢れています。富士塚の周りには沢山の幟が立ち参拝の人々で賑わっています。交通整理のお兄さんたちも忙しく、なかなか大きなお祭りのようです。
○登山口を潜りますと線香を売っています。山頂までは階段で一直線ですがお参りのために並びますから山頂までの道のりは思いの他遠いようです(富士山のご来光待ち渋滞と同じだぁ)山頂には小さな社があって線香を上げて柏手を打ちます。
○十条富士は古墳だったところに富士塚が造られたようですが、今では木々に覆われ展望はありません。それにしても地元での信仰が今でも盛んに続いていることに驚きを禁じえません(単なる夏祭り?)帰りは南の公園に下ります。
【駒込富士】こまごめふじ
○駒込駅から後楽園方向に進むと富士神社入口交差点を左折します。こちらも露店が道路に溢れて賑わっていましたが、さらに広い神社境内には所狭しと縁日露店が並びます。参道の奥に階段があり登山道となっています、左右には奉納された大きな石碑が建ち並びますが、文字が赤く塗ってあるのが異様でした。
○こちらの富士塚も古墳(前方小円墳)だったようですが、もともとは加賀前田藩邸から遷座してきたものです。ここのお祭りは『江戸名所図会』に載るほどの賑わいを見せていましたが今でも大賑わいは続いています。
○山頂には大きな社殿がありヒバで作った「神龍」のお守りを売っています。下りは危険防止のため周遊コースとなっています。下りの踊り場には射的の露店が出て少年たちが群がっていました(懐かしさから暫く見ていましたが最近の子供は下手糞です)
【高松富士】たかまつふじ
○こちらも重要有形民族文化財(東京で3箇所)に指定されていますが登山は禁止です。情報はありませんが若しかしたら山開きで開放しているかも知れません。要町で降りるとまずは交番に寄って道順を尋ねます。
○住宅街にあり地図がなければとても判りにくい場所です。残念ながら富士浅間神社と富士塚はフェンスに囲まれて立入禁止です。仕方がないので隣の公園から写真を撮りましょう。溶岩で覆われたワイルドな山肌は富士山そのもので、麓には各種記念碑が建ち並んでいます。学問的にも貴重な富士塚のようですから諦めましょう。
【音羽富士】おとわふじ
○東池袋に住んでいたことがあり、護国寺には何度も行ったのですが富士塚には気が付きませんでした。入口の案内板にもそれらしい姿は描かれていません。それほど目立たない塚は本殿に向う階段の右脇にひっそりと隠れるように在りました。富士道と書かれた石碑が小さな石橋の横にあり登山口となっています。
○ジグを切った登山道は次第に高度を稼ぎ、やがて山頂に導かれると小さな社が祭ってありました。大きな樹木に覆われて展望は全くありませんが落ちついた良い山頂です。神仏分離によってお寺の境内にある珍しい富士塚です。そのせいでしょうか山開きというのに訪れる人もない寂しい一角でした。
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