道志西部
二十六夜山(秋山)・朝日山・菜畑山・今倉山・二十六夜山(都留)
唐澤尾根から双頭の今倉山を望む
【行程】 3/25(土) 晴れのち曇り [たまプラーザ6:46=(東急)=長津田6:58/7:03=(JR)=上野原8:07/8:28=(富士急山梨バス)=下尾崎9:11−二十六夜山10:11−11:04棚ノ入山−朝日山11:48−ブドウ岩ノ頭12:31−菜畑山13:10/13:25−水喰ノ頭13:51−今倉山14:34−赤岩15:05−林道15:31−二十六夜山15:43−仙人水16:15−西川16:45/17:15=(富士急バス)=赤坂17:27/18:02=(富士急)=大月18:17/18:24=(JR)=長津田19:58/20:08=(東急)=たまプラーザ20:21]
【メンバー】 隊長
○江戸時代には正月と七月の二十六日に山頂で月を待つという二十六夜信仰がありました。道志では盛んだったらしく、秋山と都留に同じ名前の山があり隊長の気を引きます。どうせなら2山を繋いで縦走したいものですが・・・少し問題があります。2山の距離が直線で10Km以上も離れているのと足の便が悪いことです。
○コースタイムで11時間ですから不可能ではありません。往きはいつもの上野原からのバスですが登り出しが9時過ぎとなるので、明るい内に下りるためには休憩時間も入れて八掛けです。更に17時過ぎの最終バスに間に合うためには75%で歩く必要があります。最近の道志山塊通いで身体は出来つつありますが、十分に気を引き締めて参りましょう。
○今日のバスは空いていました。登山者は隊長を入れても3名だけで拍子抜け、静かな山旅が期待出来ます。ところが下尾崎のバス停には20名を越える団体が出発しようと集合しています(先ほどすれ違った空のマイクロバスが怪しい)準備運動もそこそこに慌てて前に立ちます。団体と一緒は嫌なので山道の登りに入ったところで一気に引き離します。
○倒れた二十六夜塔の先に山頂への分岐があり10名ほどの団体を抜きます、随分と人気のある山なのですね。分岐に戻り浜沢への道標に導かれて進みますが、その先の三日月峠への分岐には案内が無いので注意が必要です。棚ノ入山の登りから振り返れば二十六夜山が大きく広がります。サンショ平までは植林などの山仕事で道は整備されていますが、単独行2人に会ったほかは誰もいません。
○南下して2月に道志村から登った朝日山に着きましたが、薄っすらと雪を被った山頂広場には予想に反して誰もいません。これでもまだ全行程の三分の一ですから先を急ぎましょう。笹が被る道は融けた雪が残り見る見るズボンが濡れてしまいます。岩戸ノ峰の下りは滑りやすいうえに足元が笹に隠れ慎重に下りますが、時間が掛かり前途多難です。
○ブドウ岩ノ頭を越えて大きく下って登り返すと菜畑山です。明るい山頂には東屋が建ち高齢のご夫婦が迎えてくれました(車から35分で登れます)南に大きく開けた展望は一級品です。正面には加入道山がどっしりと構え、西には御正体山が聳えます。生憎富士山は見えませんでしたが、これから向う今倉山が黒々と鋭い双耳峰を見せてくれます。
○ようやく半分なので気合を入れましょう。ここからは笹が綺麗に刈ってあり歩き易い道が続きます。前方に大きく立ちはだかる今倉山の登りは余力の無い脚には堪えます、気力を振り絞ってようやく辿り着きました。ここからは大勢の踏跡が残っていました、道坂峠から1時間半で道志の最高峰に登れますから人気の山なのでしょう。
○『ここからは基本的に下りだから楽勝だ』などと思ったのが大間違い。西峰、赤岩と短いが難儀な登りが待っていました。それでも足を動かしていればやがて山頂に着きます。赤岩は360度の展望が得られる藪の道志山塊には珍しいビューポイントです。ゆっくりと展望を楽しみたいところですが、バスに間に合うかの瀬戸際なので写真に収めると早々に立ち去ります。
○大きく下ると林道を横切ります。稜線を通る林道に登山道が分断されて情けない姿となりました。ここから二十六夜山まで僅か15分ですから、楽して登る人々が押し寄せて来るかも知れません。でも草臥れた足腰に鞭打って登りきった山頂には誰もいませんでした(4時前では当たり前か)展望に優れた山頂には古い十六夜塔が建ち歴史を感じさせます。
○さあ、これからが大変です時間との勝負になります。今のところは違和感がありませんが、急な下りは膝の古傷を悪化させかねません。滑り易い道にはトラロープが張られていますから慎重に足を運びます。やがて尾根筋をはずれ谷底に向ってジグを切りながら降下します。フラフラでしたが仙人水の冷たい水で顔を洗うと生返った心地がいたします。
○夕暮れのバス停で半時間も待つことになるとは思いもよりませんでしたが、何とか明るいうちに下山することができました。赤坂駅でも接続が悪く半時間待ちですが仕方がありません。暮れなずむ電車の窓から二十六夜山のシルエットが望まれた時には、本日の疲れを忘れさせてくれるような幸せな気持ちになりました。
2006年の記録へ