雲取山・長沢背稜

雲取山・長沢山・水松山・酉谷山・天目山・蕎麦粒山・日向沢ノ峰・長尾ノ丸・棒ノ折山

ブナ坂から雲取山


【行程】 5/3(火)快晴 [たまプラーザ6:01=(東急)=溝の口6:10/6:14=(JR)=立川6:48/7:05==奥多摩8:23/8:38=(西東京バス)=鴨沢9:14/9:25−水場11:08−ブナ坂12:54−奥多摩小屋13:29−雲取山14:31/14:49−雲取山荘15:17(泊り)]
5/4(水)快晴 [雲取山荘5:00−芋ノ木ドッケ6:01−桂谷の頭6:51−長沢山7:23−水松山8:09−行福ノタオ9:26−酉谷山9:52−酉谷避難小屋10:15/10:46−ゴンバ尾根分岐11:41−天目山12:38/13:06−一杯水避難小屋13:22(泊り)]
5/5(木)快晴 [一杯水避難小屋5:56−仙元峠6:56−蕎麦粒山7:12−日向沢ノ峰7:56−鉄塔8:23−長尾ノ丸9:45−槙ノ尾山10:23−棒ノ折山10:53−黒山11:31−小沢峠13:14−上成木13:37/13:58=(都バス)=東青梅14:27/14:33=(JR)=立川15:01/15:06==溝の口15:41/15:44=(東急)=たまプラーザ14:49]
【メンバー】 隊長


○昨春に北海道から戻り「どうも花粉が!」などと言ってる間に1年間は夢のように過ぎ去り、残ったのは無気力&無体力ハイカーでした。このまま朽ち果てる訳にはまいりません、なんとか気力を奮い立たせ、長年の懸案だった長沢背稜に挑みます。体力に不安を抱えつつ避難小屋泊まり縦走装備でと・・・こりゃ重い。

○GWの三連休ともなれば奥多摩駅前は大混雑です、増発の臨時バスにようやく席を確保し体力の温存に努めます。鴨沢からは人の列が途切れることはありません、これじゃ地図が無くても迷いませんね。ゆるゆると登り石尾根の稜線に出て一息いれます、ブナの新緑はまだちょっと早いようでした。奥多摩小屋では「雲取山荘は混んでるし、どうせ石井のハンバーグだから」と盛んに袖を引きますが、明日の行程を考えると少しでも先に進みたいところです。

雲取山の山頂標識○小雲取の急登では五月の太陽が容赦なく降り注ぎます。汗まみれで着いた山頂では我慢できずに1本取りますが休んでいるのは隊長だけ、皆さんはそのまま追い抜いて雲取山を目指します(情けなぁ)雲取山からは素晴らしい展望でした、霞がかかって遠望こそ利きませんが奥秩父の重畳たる山並みが国師岳まで連綿と続きます。

○続々と到着する登山者に恐れをなし早々と山頂を後にします、北に下ればそこは奥秩父の幽玄な世界でした。しばらく下ると林の中に新しい雲取山荘が現れますが、なんと宿泊手続きの列が玄関から続いています。三連休の初日では北アなみの混雑も止むを得ません、この日は20畳に40人詰め込まれ、廊下ばかりか階段にも人が溢れていました。夜中には両隣からの鼾に悩まされ、加えて右側からはエルボー攻撃、左からの連続キックに一晩中寝られませんでした(笑いの止まらないのは小屋のオヤジだけです)

山荘前からのご来光○山荘前からご来光を拝んで出発です、途中の水場が心配なので水4リットルを入れたザックが肩に食い込みます。芋ノ木ドッケから長沢背稜に入ると途端に人の気配が薄くなります、良い雰囲気ですが倒木に行く手を阻まれ重いザックで難渋いたします。桂谷の頭付近は奥秩父特有の岩と石楠花の豪華痩尾根です、慎重に通過し上り返すと長沢山です。

○水松山の山頂は林の中で感動なし。行福ノタオから酉谷山へのルートが稜線沿いにありますのでこれを辿ります、山頂からは意外にも南面の展望が開け得した気分です。急降下した酉谷峠の40m下に酉谷避難小屋がありました、定員6名の小さな建物ですが前に水場があり景色の良い魅力的な避難小屋です。昨日は土間も含めて15名が泊った由、本日も既に2名が到着ですから予定通り一杯水を目指します。

○この辺りから日帰りハイカーの姿が現れます、縦走装備でノタノタ歩く隊長を尻目に軽快な足どりは羨ましくもあります。最後の力を振り絞って天目山(三ツドッケ)に登ります、肩に食い込むザックと格闘しながら山頂に立ちました。南は切れ落ちた崖なので南方の石尾根が良く望め、谷から吹き上がる涼風に汗も吹き飛びます。

○一杯水避難小屋は定員10名ですが既に7名の団体が先着です、今夜の混雑を恐れながら悶々と孤独な食事を始めます。ところが団体さんの仲間が一人増えただけの9人でした。心配していた団体さんのマナーも悪くは無く快適な避難小屋ライフを過ごすことができました。久々に見る満天の星空に気分はグー、もちろん昨晩の寝不足も解消し目出度しめでたし。小屋から3分のところの一杯水はチョボチョボと流れる程度でした。

仙元峠の小さな祠○荷物も軽くなって足どりも軽く早朝の奥多摩路を行きます。仙元峠は小さな祠が祀られる昔からの生活道の峠ですが小ピークにあります、一度巻き道まで下り蕎麦粒山に登り返します。朝の山頂は展望が利き爽快です、獣の足跡(どう見ても熊さん)のあるザレた道を急降下して防火帯の広い稜線を辿ります。

静かな山頂の慎ましい標識○日向沢ノ峰から東へ棒ノ折山に続く尾根に踏み込みます、ここからは地図で点線の道なので心配していたのですが、西上州と北海道で鍛えた隊長から見ればハイウエイなみの道でした。急降下を繰り返しながら高度を下げると長者ノ丸です、道は南を巻くので踏跡を直登しましょう。山頂には標識と三角点がひっそりと在りました。

ようやく着いた棒ノ折山○調子に乗って槙ノ尾山も直登しますが、こちらは何の変哲も無い頂です。棒ノ折山に近づくと賑やかな歓声が聞こえてきます、明るい山頂には東屋があり多くのハイカーが休んでいました。長い階段を下ると次々と登ってくる皆さんと行き違いますが、権次入峠を過ぎると通行は激減します。黒山は木々に日差が遮られ周りのベンチに佇めば微風が吹き抜ける気持ちの良い山頂です、こちらで一服してから下りましょう。

○小沢峠までは誰にも会わない静かな山歩きでした、峠への最後の下りでは丸太の階段に辟易ですが、これで長かった雲取山からの縦走もようやく終了です。息を整えていたら後ろから単独行が下りてきました。どうも小沢に下るようですが、お疲れ隊長は少しでも近い上成木へと下ります。



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