積丹岳・余別岳

余別岳から積丹岳を望む


【行程】 10/11(土)晴れ[札幌6:23=(車)=登山口8:18/8:27−フンベの沢9:13−ピリカ台9:53−積丹岳10:38/10:47−PU11:18−余別岳12:17/12:37−PT13:05−積丹岳14:00/14:10−テントの沢14:56−登山口15:37/15:56=(車)=古平温泉16:20/16:58==札幌19:15]
【メンバー】 隊長


○三連休の天気予報はパッとしませんが、初日の天気は上々ですから積丹半島の最高峰を目指します。フラットな林道を奥に進むと小屋に到着、すでに車が3台駐車していて夫婦連れが出発準備中でした、こちらも準備していると次々に車が到着し駐車スペースはあっと言う間に満杯です。歩き始めてすぐに夫婦を追い越し先行者は車2台だけとなりました。

○紅葉は青空をバックに黄色の葉が陽の光を透かして良い感じ、ただ展望も無くだらだらと緩い登りがカッタルイ山道です。2本の小沢を横切ると若干傾斜が急になりピリカ台です、笹原を越えるとハイマツが現れ前方には積丹岳が葉を落としたダケカンバの上に望まれます。ひと頑張りで展望の良い積丹岳の山頂です、ここには誰も居ませんので車の主たちは余別岳に向かったようです。

P2から余別岳を望む ○積丹半島の真中に位置する山頂からは山並みの向こうに周囲の日本海も望まれ、南西の山麓には黄色主体の紅葉が柔らかな秋の陽を浴びて輝いていました。正面に余別岳の堂々とした山容が望まれますが、稜線を目で追うとなかなか厳しいアップダウンが確認できます。往復4時間のことを考えるとノンビリする訳には参りません、思い切って踏み跡を下ります。

○所どころ中途半端な笹刈りで歩き難い部分もありますが、稜線上は思ったより踏まれた道で何の不満もありません。間違い易いところは一箇所だけで倒木を越えたら左下に向かわずにテープのある右上に進めばOKです。最初の岩稜は南側を巻きますが他のピークは丁寧に越えて行きます、これがまた脚に来るんだなぁ。途中で引き返してくる単独行に出会います『根性無しめ・・・』前途に不安を抱きながら進みます。

○コルからは笹藪の切り開きの急登となり心臓に悪い登りが続きます、上から二人連れが下りて来ました「もう少しだから頑張れって」そりゃご親切にどうも。振り返れば積丹岳が次第に高度を下げ、やがて同じ高さになった頃には喘ぎながら最後の急傾斜を笹を頼りに這うように登ります。

○傾斜が緩やかになるとハイマツを分けピークを目指します、想像していたより広い山頂は素晴らしい展望台でした。紅葉に包まれた積丹岳は秋の陽を受けて優しい陰影を投げかけています、登り返すことさえ考えなければ何と美しい眺めでしょう。

○下りは悪戦苦闘の連続です、20Cm程の笹の切り株は滑ることこの上もなく、おまけにスパッツに引っかかりズタズタに切り裂きます。もともと安い作りの秀○荘オリジナルは哀れボロボロで再起不能となってしまいました。登り返しは暑さが身にしみ半袖で丁度良いぐらい、喉の渇きに苦しみながら水を節約しつつ一歩一歩足を運びます。

寂しい山頂標識(バックに余別岳)○ようやく着いた積丹岳の山頂にはもう誰もいません、軽い風を頬に受けながら水を貪り飲みます。逆光の中に黒々と現れた余別岳を振り返り『よくぞ登ったり』感慨を新たに絶景を瞼に焼付け頂を後にいたします。下りは整備された緩やかな傾斜の道を淡々と戻りますが、途中でカップルを追い抜く時に女性の視線が破れスパッツに注がれ・・・顔から火が出るほど恥ずかしかった

○登山口には多くの人が群れていました、本当は人気の山だったのですね、小屋の前に引かれた水で靴を洗ってから引き上げましょう。積丹岳だけなら面白みの無い登山道の往復ですが、余別岳を加えると変化に富んだロングコースとなります。健脚の方なら決して無理な行程ではありませんから、笹が被る前に是非とも無雪期の余別岳を経験されることをお薦めいたします。

○帰りには古平温泉「一望館」に寄って行きましょう、立派な建物の町営温泉が多い中で高校の校舎を改造した建物は好感が持てます。お湯も素晴らしいが・・・待てよ微かに塩素の香りが、循環では無いと思いますが?熱い湯の方は臭いがしませんから水道水で割っているのではないでしょうか、まったく惜しいことです。



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