大雪山

永山岳・安足間岳・愛別岳・比布岳・北鎮岳・黒岳

永山岳から愛別岳を望む


【行程】 9/7(日)晴れのちガス [札幌1:55=(車)=愛山渓入口4:41/5:07=(タクシー)=愛山渓5:27/5:37−滝ノ上分岐6:51−永山岳8:21−安足間岳8:58−愛別岳分岐9:05−愛別岳9:47/10:13−分岐10:48−比布岳11:07−北鎮岳12:05/12:42−石室13:40−黒岳13:54/14:14−リフト駅14:45=(リフト)=5合目15:02/15:20=(ロープウエイ)=層雲峡15:27/15:40=(バス)=愛山渓入口16:22/16:30=(車)=北村温泉19:02/19:37==札幌20:38]
【メンバー】 隊長、Sさん


○「今年の大雪山の紅葉は10年に一度の素晴らしさ」とのネット情報に誘われて出陣です。夏に天候不良から諦めた愛別岳を訪れることにいたします、同行は芦別岳旧道を踏破した健脚のSさんですから、愛山渓から層雲峡までのロングコースを試しましょう。愛山渓入口に車をセットし上川からタクシーを呼んで愛山渓まで入ります。

○登山口では「山のトイレを考える会」の幟が立っていましたのでアンケートに応じてから登り始めます。沢を渉ると永山岳に向かって本格的な登りとなり、周囲が潅木からハイマツになって来ると前方から陽の光が射し始めます。遥か下方には湖沼群が青空を映して静かに佇み、箱庭の様な景観に歓声を上げつつ登山隊は進みます。

安足間岳の登りから旭岳 ○西方から近づく雲は次第に足元の沼々を覆い、永山岳に着いた時には一面の雲海となって広がります。目を転じれば旭岳を始め大雪の峰々は青空をバックに雲の上に聳え立ち登頂意欲を刺激します。これから向かう愛別岳へのザレて険しい稜線はかなりの困難が予想されますが・・・○○さんたちも行ったので大丈夫(何処がー)まずは余裕で安足間岳に寄って行きましょう。

○愛別岳への分岐は細い稜線上に小さな道標が足元に有るだけで見落としてしまいそうです。この頃になると辺り一面真っ白「今日もSさんとガスの山頂か?」思わず愚痴る隊長ですが、こんなことでモチベーションの下がる軟な登山隊ではありません。隊長が部長ならSさんは課長です、まったく何かが足らないサラリーマン登山隊でした。そこへ霧の中から実力派カップルの登場です「愛別岳に行こうと思ったがガスだから止める」ですって、ところが我々が向かうと聞いたらアッサリ前言を取り下げます。

○ザレた急斜面ですが杖を頼りに下ります、片手にスーパーの袋を持っていてはバランスが悪いことこのうえありません(ザックをデポする安易な人々)視界が10mぐらいしかありませんので踏跡を外さないように磁石を頼りに北を目指します。最後の急登はスレート状の岩が積み重なって気が抜けません、足元に気を取られているうちに何やら上空が明るくなって来ました。

○山頂に着いたらピーカンじゃありませんか、何たる強運!南には比布岳から永山岳までの外輪山の赤茶けた壁が不気味な景観を見せています。少し遅れて先ほどのカップルも登頂し暫し山の話が弾みます。30分も山頂を独占してからゆっくりと下ります、不思議なことにまたガスが辺り一面を覆い尽くすのでした。

お鉢展望台から紅葉のお鉢○比布岳はガスで何の印象も残っていません、鋸岳のトラバースに入ると右手前方の北鎮岳がガスの中から姿を現し始めます。山頂に辿り付くとまたしても晴れ!お鉢のガスも取れ始めナナカマドの赤が緑の中に縞のように模様を描き、雪渓とのコントラストが鮮やかです。流石に北海道第二の頂は人気のスポットです、次から次へと登山者が登っては下ります。ほとんどの皆さんは黒岳からのピストンと見受けられました。

○満腹になった登山隊はガレ道を下ります、雲の中に入りますが黄色ペンキとロープが行く手を示してくれるのでガスで視界が利かなくても安全です。お鉢展望台に着きますと計ったようにガスがサーッと晴れお鉢が一望のもと、硫化水素のガスが上がる地獄の噴火口が不気味な口を開けていました。

ナナカマドの紅葉○雲の平を快調に飛ばすと石室です、黒岳は本日最後の頂ですからゆっくりと楽しみながら登りましょう。生憎山頂はガスで何も見えませんが『景色は先月見たから良いか』もはや隊長は悟りの境地です。まったりしていると突然帰りのバスの時間が気になり時刻表を確認します「大変だー」それからは観光客を蹴散らし最速で下ったのでした。

○膝を痛めながらも何とかギリギリでバスに間に合い安堵の隊長でした。帰りには北村温泉に立寄ります、塩分を多く含んだ泉質は疲れた身体に活力を甦らせ膝の痛みを優しく癒します「極楽じゃぁ〜」本物の正しい温泉に歓喜の涙を流しつつ身体を流しましたとさ。



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