芦別岳

旧道〜新道

山頂はガスの中・・・晴れれば迫力のあるピークが北尾根から望まれる
(YOSHIOさん撮影2000.10.7)


【行程】 8/24(日)曇り時々雨 [札幌1:55=(車)=太陽の里4:05/4:30−ユーフレ小屋分岐6:15−夫婦岩分岐7:28−キレット10:00−芦別岳11:08/12:07−鴬谷13:31−太陽の里15:12/15:25==ハイランド富良野15:35/16:20==札幌18:35]
【メンバー】 隊長、Sさん


○爽やかな行楽日和との天気予報に急遽出撃を決定します。本日は旧道からのアタックになりますので超ロングコースですが、同行のSさんは体力派とのことですから何の心配もありません(あくまでも自己申告ベースですが)夜明けとともに行動開始するため4時に駐車場に着き腹ごしらえです、十勝岳が白み始めたら薄暗いなか林道を奥に進みます。

○結構な水量のユーフレ沢ですが大高巻きを繰り返しながら遡行します、時々河原に下りますが渡渉はなく左岸に沿って淡々と進みます。やがて右手からの支沢を越えると轟々と流れ落ちる三段の滝が現われユーフレ小屋への分岐です。ガスの残る沢筋ですが時々陽が差し始め、予報通りの晴れを信じて疑わない純真な登山隊でした。

○ここからは刈り払いが無く両側から茂る笹を分けながら踏み後を辿ります、夫婦沢の右岸を忠実に詰めますが崖崩れの跡が何箇所かありテープを探して右往左往、夫婦岩分岐の道標に一安心です。左手に切り立った夫婦岩の岩壁を見上げながらダケカンバの中を進みます、最後は道に水が流れるガレ場を詰めて尾根上に飛び出しました。

○目の前に聳え立つはずの夫婦岩は何時の間にかガスで麓しか見えなくなりました。稜線上の道を覆う笹は濡れていて瞬く間に上下ともにびっしょりです『カッパを着れば良かった、でも晴れるから大丈夫』まだまだ余裕の隊長です。ところがガスは薄くなったり濃くなったり一向に晴れて来ません、むしろ風雨が強まる気配さえ感じられます。

○黙々と稜線を進みますが尾根が西から南に曲がると強い西風が右手方向から吹き付けてきました。休んだら身体が冷え始め慌ててカッパを着用します(遅いって)ところがSさんはカッパの下を持って来なかった、おまけに綿パンときたら『・・・』絶句!

○幸い気温は10度ぐらいですから風さえ遮れば何とかなるでしょう。しかしSさんの足がピクピク痙攣を始めました『やばい!』この先まだまだ難場も控えています、最悪のケースも頭を過ぎりますが時間はまだあります、バンテリンを塗って様子を見ながら参りましょう。はて、危うきこと朝露の如し・・登山隊の命運や如何に?

○やがて笹薮はハイマツに取って代わり抵抗を受けながら降下します、足元が見えないので慎重に足を運びます。突然ガスが流れ前方に痩せ尾根の連続したキレットが現われ、その厳しい岩稜に思わず溜息が出てしまいます。ガレ場では落石に注意しながら上下を繰り返し、次第に尾根が広くなったらお花畑に到着です。

ガスの山頂○風に背中を押されるように東に向かうと最後の急登です、濡れた岩場を3点確保で慎重に登ると細い稜線に出ました。ガスで見通しが悪く山頂が識別できませんが、取り敢えず一番高そうな頂を目指しましょう。最後は這いつくばって岩を乗り越えると山頂標識が寂しげに立っていました。遂に6時間半に及ぶバトルは終止符を打ちました、固い握手に込められた感動は忘れ難いものとなるでしょう。

○細かい霧雨は有りますが風の来ない東側は快適です、展望こそありませんが登り切った充実感で一杯です。1時間も山頂で粘りますが天気の回復はありません、登ってきたのは新道からのカップルのみと寂しい限り、後ろ髪を引かれる思いで下山いたします。新道はハイウエイ状態で何の問題もありません、途中で雨脚が強くなりましたが登山口についたら雨は上がっていました。

○塩素臭い正しくない温泉に浸かりながら隊長の総括は・・・今回は天気予報に裏切られましたが何とかロングコースを無事に踏破することが出来ました、同行のSさんに感謝。途中でアクシデントもありましたが早立ちが心の余裕に繋がったようです。装備の面では暑さ対策に気を取られ雨対策が十分で無かった点は大いに反省材料でした(これで道内200名山10座は目出度く完登です)



2003年の記録へ