美比内山

美比内山を目指して


【行程】 1/12(日)曇り時々雪、晴れ [札幌7:30=(車)=豊羽鉱山8:45/8:52−750m9:52−970m11:10−美比内山11:45/11:50−970m12:00/13:10−豊羽鉱山14:02/14:10==札幌15:45]
【メンバー】 隊長、S夫妻、ABちゃん


○今年のスノーハイク幕開けは定山渓奥の美比内山です、ようやく札幌で一番忙しいと評判のABちゃんと一緒に登ることができました。まず鉱山を迂回して直接尾根に取り付きます、雪はパフパフのパウダーで気温が低いこともありサクサクと掻き分けながら登れます。尾根上にはピンクテープが所々にあり迷うことなく山頂に導かれます。まあ往きは西に向かって高い方へと登れば良いのですが、帰りは広い尾根上の道は吹雪かれて視界が利かないと迷いそうです。でも大丈夫GPS教祖様という強い見方が付いている(人の褌で相撲をとる隊長でした)

山頂直下の急斜面を直登する隊長 ○今日は積雪が深いので交代でラッセルしつつ進みます、尾根上の道は緩い登りが続きますから山頂直下までは捗ります(しかし何たる広いストライド、けっして隊長は短足では無いのに苦しいほど)最後の標高差100mでは膝上までの新雪を分けながら急登となります。こちら側に雪庇の成長した山頂は手の届く所に見えているのですが、傾斜が急過ぎスノーシューで登るのは至難の業です。しかしこの斜面に果敢にアタックする隊長は息も絶え絶え、深い前傾姿勢で雪まみれになりながら一歩一歩高度を稼いで行きます。

○あと10mで雪庇を避け右手に回り込みますが、急斜面のトラバースはスノーシューの最も不得意とするところです。慎重にジリジリと進みますが、角を曲がった前方に更に急斜面が待ち受けていました。しばし逡巡の後まず山側の左足を出します、雪を抱え込むように踏み固め、次に谷側の足を前に出しました。するとその瞬間に前方数メートルにピピッと亀裂が走ります、血の気の引く隊長でした。思わず後ずさりしますがスノーシューに後戻りは出来ません、踵が雪に刺さってにっちもさっちも身動きできんじゃありませんか、なんたる不始末。

寒い山頂にて○もがけばもがくほど体勢が崩れ危険が増す状態でした、そこへS夫さんの助け舟です、天の助けとはこのことか。さて危険箇所はわずか5mです、できるだけ亀裂を避け山側に身を預けながら安全回廊造りです、なんとか無事に切り抜けると北側から山頂に上がりました。周囲の山々は雪雲のなかに霞んでいますが展望は抜群、ただし北風が冷たくゆっくりしている気分ではありません、記念写真を撮ってさっさと下ります。

定天の美しい白い峰○急斜面を下りた所で昼食とします、ウドンと汁粉の組合せは妙ですが冷え切った身体には温かい食物が一番です。変わり易い山の天気は何とやら、小雪の降り出したなかを一気に下ります。まるでクロカンをやっているようなスピードは誰でしょね?いつものS妻でした。幸いトレースは残っていましたので迷うことなく最短の時間で車まで戻ることができました。

○帰り道では若いアホ兄ちゃんが雪に突っ込んでいるのを引き上げたりしながら意気揚々の凱旋です。林道からはこの世のものとは思えない美しい定天(定山渓天狗岳)の白い頂が望まれました、まるでヒマラヤの独立峰のような日本離れした風景でした。



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