狩場山

旧道コース〜新道コース

駐車場から狩場山を振り返る


【行程】 10/12(土)晴れのち曇り [モイレ山から=(車)=賀老高原駐車場10:11/10:20−旧道登山口10:37(迷20分)−三合目11:32−五合目12:05−お花畑13:04−狩場山14:00/14:10−真駒内コース分岐14:35−新道登山口15:35−賀老高原駐車場16:35/16:45−モッタ海岸温泉17:13/17:42==函館20:30]
【メンバー】 隊長


○ガイドブックによると狩場山の旧道は廃道寸前とか、旧道から新道へ周遊するコースは魅力的ですが北海道の山は侮れません、躊躇していますと・・・HYMLのメンバーが9月に通過したとのこと、情報をいただき安心して出掛けることにいたします。

林道は紅葉の真っ盛り ○なんと駐車場に着いたのは10時過ぎじゃありませんか、途中でモイレ山に寄ったりして遊んだのが崇りました。慌てて出発します、少し曇り空ですが林道の紅葉は今が盛りです、汗ばむ陽気のなか気持ちの良い微風が吹き抜けてゆきます、快調に登山口に到着です。

○ところが登山口が特定できません、きのこ採りのテープでしょうか、そこらじゅうベタベタと貼ってありどれが本物の山道か自信が持てません、一本づつ潰してようやく西を目指す道を進みますが、こんなところで20分も費やしてしまいました、登る前から草臥れたー(情けなぁ〜)

○沢を渡り樹林帯の道を登ります、良く踏まれた道はとても廃道寸前とは思えません、やがて二合目の道標が現われます(道標は三合目を除いて風化が進む)四合目までは緩やかな道で何の心配も無く楽しい山登りが続きました。ところが道の真中に幾つか転がる黒緑の物体に目が釘付けです、湯気こそ立っていませんが新しそうな色艶です、靴先でつついて見れば柔らかな感触が・・・それからは呼子を吹き吹き、耳を澄ませば風の音にも怯えながらひたすら山頂を目指します。

お花畑から東狩場山を望む・・直後に獣の臭いが!○東狩場山のトラバースは足元の倒木や木の根に要注意です、笹は少し被りますが問題になるほどではありません、慎重にクリアします。生憎1400mから上はガスに覆われ狩場山の山頂は姿を見せませんが大きな山容が正面に眺められます。やがて前方に草原が広がり、笹原を過ぎるとお花畑です。明るく気持ちの良い場所で振り返れば紅葉に赤く染まった東狩場山が望まれます。

○突然、胸が苦しくなるような吐き気を催す獣の匂いが襲ってきました、哀れ隊長は呼子吹きまくりで山頂目指して一目散です。稜線漫歩もきつい登りに息が切れますが熊が恐いので休む訳にはまいりません、九合目から先は緩やかな草原となり見通しが利きますので、ようやく一息いれられます。ここで一瞬ガスが晴れ山頂が望まれました(カメラを出したらもう終わり)

誰も居ない山頂は寒かった○山頂には誰もいません、時々薄日は差すのですがガスは晴れそうに無く10分も居ると冷たい風で身体が冷えてしまいました、低体温症になる前に退散しましょう。下りは楽々ですが少々道がぬかるんでいます、真駒内コースを分けると後はのんびりと新道を下ります。登山口からは林道を一時間ですが広葉樹林の紅葉は今が見ごろでした、車も人も通らない山奥の林道で晩秋の柔らかな日差しを浴びながらどこまでも続く紅葉を独り占めです。駐車場からは西陽にシルエットとなりつつある狩場山のツンと尖がった山頂が印象的でした。

○最近登山者のオーバーユースが百名山など特定の山で問題になっています。道が延び便利になって登山者が増え小屋が出来、益々人が増える。ところが北海道では車でのピストンが主になりアプローチの不便な道は廃道の憂き目を見ています。狩場旧道もこの例外ではありません、新道が開かれると長く厳しい旧道を通る人は激減し手入れもされず、人が来ないから熊がのさばり、熊が恐いから人が入らない、まさに山道のデフレスパイラルだぁ。本当に良い周遊コースなので皆さんも歩いてみてくださいね(ただし中級向き)

○帰りには職場の温泉博士推奨の「モッタ海岸温泉」に立寄ります。入口でご主人から「最後に上るときにはシャワーは使わないこと」と注意を受けます『おいおいジイサン、隊長を誰だと思ってるんだい、温泉を出るときシャワーを使わないなんて常識じゃないか、余計なお世話だぜ』しかしこの余計なお世話がまた嬉しいじゃありませんか、お湯は期待通りの素晴らしい本物の正しい温泉でした。



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