熊野古道

小雲取越・大雲取越

百間�ｰから小雲取越

【行程】	２／９（土）晴れ [大阪２３：３０＝（ＪＲバス）＝] ２／１０（日）晴れ [＝新宮５：３０／６：０４＝（奈良交通バス）＝請川７：００／７：０５−松畑茶屋跡８：０５−石堂茶屋跡９：０５−桜茶屋跡９：４６−椎ノ木茶屋跡１０：０８−小口１０：４４−昼食１０：５１／１１：０５−楠ノ久保旅籠跡１１：５１−胴切坂１２：２１−越前峠１３：１２−地蔵茶屋跡１３：５２−色川辻１４：４６−舟見峠１５：１３−那智高原１６：１０−那智大社１６：３４−那智滝１６：４５−滝前１６：５８／１７：１４＝（熊野交通バス）＝那智１７：３５／１７：５３＝（タクシー）＝国民休暇村１８：００−目覚山探索−１８：３０／２０：１０＝（タクシー）＝宇久井２０：１５／２０：３５＝（ＪＲ）＝新宮２０：５０／２３：３０＝（ＪＲバス）＝] ２／１１（月）曇り [＝大阪５：５８]
【メンバー】	隊長、シェルパ１号

○三峰山の霧氷見物は空振りに終わった登山隊でしたが、なんとその晩の夜行で熊野へと旅立つことになりました。今やＮＨＫ「ほんまもん」の舞台として全国的に人気の熊野古道を歩くというタイムリーな企画です。ガイドブックによれば『大雲取越、小雲取越を通して歩くことが古道を肌で感じ、理解する上で重要だと思う』とありますのでお言葉に従い一気に歩き通そうと思いますがコースタイムで１２時間３５分はちと厳しいかもしれません。

○ＪＲバスは快適ですが３０分も前に到着したのには参りました、遅れるよりはましですがまだ暗くて寒い駅前にお客を放り出すのは酷すぎる（途中で時間調整ぐらいしてくれー）請川でバスを降りますが登山口はひとつ前の下地橋でした。『熊野古道』の道標に導かれて民家の間を縫って石段を登ります、やがて杉林の中のフラットな道となりますが、良く踏まれた広い幅の立派な道が延々と続きます。

○コースには昔の茶屋の跡が要所にあり往時の通行の多さを偲ばせます（平安から鎌倉時代には蟻の熊野詣と呼ばれるほど多くの参詣客が訪れた）昼なお暗い杉林の中の苔むした石段は旅人たちが通ったころから変わらずに静かに通行人を待っているようです。誰にも会わない静かな山道でしたが、石堂茶屋跡の手前で次々にすれ違います、その数およそ５０人、皆さん小口で泊まったようです、ほんの一瞬の賑わいでしたが再び静かな山となりました。

○小雲取越の前半は樹林帯の道で後半は時々展望に優れた場所があります、特に桜茶屋跡からは赤本川を挟んで連なる山なみがいかにも熊野の山奥という雰囲気でした。椎ノ木茶屋跡の先で畑を耕す農家の人から声を掛けられます、本宮から那智まで一日で歩くと言ったら感動されてしまいました（うーん、無謀な企画であったか）

○小口からは大雲取越の始りです、小雲取越に比べますと高低差が大きく大変ですが、道は石畳や石段が多くなり若干良くなります。始めは大きな杉が林立する見事な美林です、次第に高度を稼いで行きますが、真ん中が磨耗した石段は苔が付き滑り易くなっていました。楠ノ久保旅籠跡は最盛時に十数軒を数えたということで基礎の石組みが道の両側に数多く残っています、山奥の集落跡を見るにつけ往時の賑わいは想像以上のものでした。

○本日最大の難所は胴切坂です、稜線上の広い道を真っ直ぐに標高３５０Ｍを一気に登ります、登り口で休むパーティがここから大変な登りが続くと盛んに話しかけてきますが、すでに息が上っている隊長はまともに相手ができません。大雲取越での登山者はこの付近でのすれ違いだけでした。

○ハァハァと登り着いた所は越前峠で東に大雲取山への道を分けます『ベテラン向き』ですって、ちょっと食指が動きますが本日の趣旨から外れますのでパスです。峠からは下って沢を渡り石倉峠を越えると地蔵茶屋跡です、ここからは舗装道路を延々と歩きます。色川辻からは舟見茶屋跡までは急な登りです、なるほど木々の間から真っ青な冬の海が見渡せます。

○ここまでは順調に来た登山隊でしたが、シェルパの調子が思わしくありません、下りなのに遅れるようになりました。なんとコースタイムより時間が掛かっています（大変だぁー）バスの時間が気になる隊長でした。那智大社に着くと観光客で一杯です、すぐに那智滝を見に行きましょう。渇水期なので水量が少ないのですが一気に流れ落ちる様を下から眺められ日本一の名瀑でしょう。

○新宮では夜中のバスまで時間があるので寿司屋に入ります。生きの良いマグロを肴に本日の山行を振り返り山談義に花が咲きます、お店の人も熊野古道を褒められると嬉しいらしく勧め上手で酒と肴がどんどん消費されてゆきます。いやぁ採れたてのサザエの生き作りは絶品です、満員だった店も最後は貸切状態でしたが勘定は心配したほどではありません（旨さと安さに感激！）しかしこの歳になって往復とも夜行とは本当にご苦労なことでした、帰りのバスでは疲労と酒の力でほとんど目覚めることなく大阪まで辿り着きました。

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