金糞岳

かなくそだけ(1317M)

白倉岳手前から金糞岳を望む


【行程】 4/30(月)曇り [新大阪6:07=(JR)=長浜8:01=(タクシー5240円)=二股8:33/8:40−滝谷頭10:19−奥山10:58−白倉岳12:40/12:58−金糞岳13:28/13:45−小朝ノ頭14:30−林道出合15:00=(車)=通行止15:08−登山道出合15:38−追分16:03−二股16:50=(車)=近江高山16:57/17:45=(バス)=長浜18:32/18:43=(JR)=新大阪20:10]
【メンバー】 隊長、シェルパ1号

○いよいよ待ちに待った登山隊の復活です。目標は滋賀県第2の高峰金糞岳です、鳥越峠まで林道が入りわずか30分の山ですが、我々は二股から花房尾を登り中津尾を下るハードな周遊コースをとります。GWにもかかわらず山中では誰にも会いません、静かな山旅を楽しむことが出来ました。

○いまにも降り出しそうなどんよりとした曇り空の下タクシーを二股で捨てます。橋を渡ってキャンプ場の奥から山に取り付き、尾根を裏側から巻くようにして急登を喘ぎながら登ると花房尾の稜線に着きます。ここからは緩い登りが白倉岳まで延々と続きます。この道は最近開かれたようで荒れてはいますがテープの類は豊富で一般的な注意力があれば問題ありません、ただし標高差1070M、距離は約10Kの長丁場ですので体力に自身の無い方は無理をなさいませんように。

清楚な辛夷の花
○落葉した林の中に突然白く輝く妖精、冬の厳しさから一気に春の訪れを告げているようです、清楚な装いの辛夷の花に励まされつつ黙々と歩きます。滝谷頭905Mの標識を過ぎると奥山までは広い尾根をダラダラと登ります、息が上がるような道ではありませんが運動不足の身体にはこたえます。唯一の水場は昨日の雨にもかかわらず18年振りの旱魃で涸れていました。奥山からは白倉岳と金糞岳が望めますが山頂は生憎厚い雲の中です。(金糞岳まで4:00とはどういうこっちゃ!)

○五ロウ頭からは時々雪が現れ心の準備が無い隊長は驚ろかされました、北側では200Mぐらい続きます。八草峠まで3KMの道標があるということは尾根沿いに道があるのでしょう、こちらからの縦走も面白そうです。白倉岳の登りは疲れた身体には結構きつかった、でも頂上直下からの金糞岳の勇姿は堂々たるものです、谷には雪が詰まり黒々とした山塊とのコントラストが絶妙です。山頂で昼飯とします。

金糞岳の山頂標識
○腹がふくれれば元気回復、深谷コルまで下り金糞岳に登り返します。広場になった山頂は生憎ガスで展望は利きませんが久しぶりの山行に満足感で一杯です。山頂からは急坂を慎重に下りますが、足元にはカタクリの可憐な花が今を盛りと咲き乱れています。林道への近道を左に分けて登り返せば小朝ノ頭です。ここからは一気に下ります、雪の上をサクサク歩いていましたら、突然胸に激しい衝撃が!一瞬何が起こったのかわかりません、雪に押しつぶされていた太い枝が跳ね上がり下から心臓に一撃を加えたのでした。このショックで胸ポケットのデジカメは数メートル先まで飛ばされ、あわれ雪渓に激突し短い生涯を終えたのでした(合掌)

○林道に出合った所で下ってくる車を発見!手を合わせるシェルパ・・祈りは通じたか?奇跡は起こりました、なんと車が停まったのです。岐阜県側から峠を越えてきたそうです、向こう側は舗装された良い道のようですが、こちら側は途中に崖崩れがあり通行止めと書いてあり行けるところまで行くとのことです、もちろん便乗いたします。ところが人生万事塞翁が馬、わずか数分で通行止めです、一番遠い曲がり角まで連れてこられて反って遠回りじゃないですか。失意の登山隊は車を下りて林道を歩くことになりました、

○次の登山道との交点まで半時間もかかりました、急坂を下り追分まで来ればあとは古い林道を二股まで辿ります。ようやく登山口に着きましたが近江高山まであと30分も舗装道路を歩くのかとウンザリしながら嫌々歩き出しますと「乗っていかんかね」と後ろから声がかかります。軽トラックのおじさんが荷台を指差しています、天の助けとはこのことです。

○バス停で酒盛りする馬鹿者達に「釣れました?」と質問する田分け者もいたりして、山奥の夕暮れ時はのどかに過ぎゆくのでした。登山隊も無事に復活を果たし、心地よい疲労感に包まれて貸切状態のバスで眠りこける隊長は幸せそうでした。


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