三ツ峠山・御坂山地

三ツ峠山(開運山・御巣鷹山)−清八山

御坂山−黒岳−節刀ヶ岳−十ニヶ岳−毛無山

四季楽園と御巣鷹山


【行程】

3/4(土) [御正体山から=裏登山口14:25/14:50−三ツ峠山荘15:55(泊り)]
3/5(土)
晴れのち曇りガス [三ツ峠山荘8:00−開運山8:16−御巣鷹山8:30−本八丁峠9:29−清八山9:55−八丁峠10:25−御坂山11:23−御坂峠11:48−黒岳12:34/12:50−すずらん峠13:01−破風山13:14−新道峠13:21−中藤山13:46−大石峠14:24−節刀ヶ岳15:23−金山15:33−十ニヶ岳16:05−吊橋16:28−毛無山17:18−文化洞トンネル18:03/18:20=(タクシー3210円)=河口湖18:30/18:53=(富士急行)=大月19:47/19:54=(JR)=長津田21:26]

【メンバー】

隊長(単独行)

○御正体山から下山した登山隊は鴉天狗車で三ツ峠山へと向かいます。登山口に着くと、雨は本降りとなり隊長の登山意欲を減退させますが、小屋に予約を入れているので義理堅く登り始めます。小屋までの林道は凍ってツルツルでアイゼンを着けようかと思うほどでした。小屋に着くと本日の宿泊客は写真が目的の夫婦と隊長のみ、土曜日だというのに淋しい限りです。最近は登山者の宿泊は少なく写真目的の人が多いようです、天気が悪いと客足は遠のいてしまいます。天気予報では明日もあまり期待できません、はるばる石川県から来たご夫婦は悲嘆に暮れています。

三ツ峠山から富士山○ところが朝カーテンを開けると真正面に富士山の雄姿が飛び込んできます(日頃の行ないの賜物です)ここからの富士山はシンメトリーでひときわ秀麗です。本日の行程は長いので早立ちしたいところですが、皆と朝食をゆっくり取ったら8時になってしまいました。(情けなやぁ〜)おまけにショートカットの巡回路は薮で大変とのことで、迂回することになり時間が余分に掛ります。前途多難のスタートです。まあ、行ける所まで行ってエスケープしましょう、西上州のような山の深さはありませんので気持ちは楽チンです。

開運山から御坂山地(御坂山、黒岳、十二ヶ岳、毛無山)○四季楽園の前に凍った坂道があり、油断していた隊長はスッテンコロリン、とっさに身体を捻ってザックから着地し難を逃れましたが、危うく怪我をするところでした。危ないあぶない、朝の凍った道は気をつけなければいけません、早速アイゼンを装着して開運山に登ります。素晴らしい富士山の眺めに別れを告げ御巣鷹山に尾根通しの道をとります。御巣鷹山は山頂を電波塔が我が物顔に占拠して山頂標識や道標すらありません、降り口を求めて施設を一周しましたが手がかりは何もありません、仕様が無いので強引に目指す方向に下りますと踏み跡とテープがありました。(まったく困ったもんだ)

○凍り付いた急な道を慎重に下ります、昨日とは異なり北斜面が下りですのでアイゼンは欠かせません。本八幡峠でアイゼンを脱ぎ、荒れている見回り道を避けて清八山に向かいます、振返れば雪の着いた三ツ峠山が寒々とした印象です。ここからは稜線を歩き八丁峠に到着です、なんと立派な道が上がってきていました。(しまったぁー)

○御坂山は立派な山容ですが奥に控える黒岳の方が標高も200M高く堂々としているので割り負けしています。御坂峠から黒岳へは300Mの登りで、途中から雪が凍りついてちょっと嫌な道です、つかれた身体に鞭打って頑張ると登山者で賑やかな山頂に着きました。ここで昼食としますが、まだ全体の半分も来ていないので気が急いてしょうがありません。

○大石峠までは低いピークと峠が交互に現われますが、雪も少なく踏み跡も明確で快調に飛ばします。大石峠は明るく開けた草原でノンビリ休みたくなるポイントです。(やっと全体の6割ではゆっくりできません)ここからは雪が残り最近の踏み跡はありません、時々膝まで潜る雪に体力は確実に消耗させられます。道は針葉樹林帯の薄暗い登りとなり、折りから気温も低下してガスもでて来ました。なんだか心細い限りです。

薄暗い十二ヶ岳山頂○節刀ヶ岳はガスのなかで展望は得られません、冷たい風が雪を伴いドピューと吹き上げて来ます。金山の分岐からは十ニヶ岳を目指します、鎖と梯子の細い稜線は緊張させられますが問題ありません。ようやく着いた山頂にはまたしても「山梨百名山」の標識が、いったい昨日からいくつこの標識を見たのでしょうか(=6)この山行は山梨百名山を登る為だったんでしょうか?(偶然です、まだそこまで百名山ビールスに侵されてはいませんよ)

○時刻は4時を回ってしまいました、これから本日の最難場に挑戦です。単独ですし他の登山者に会うことも無いでしょうから慎重に足を進めます。長い鎖場には結構雪が残っていて凍りついています、乾いていれば楽しい場所ですがさすがに緊張します、恥も外聞も無くロープ、鎖に身体を預けます。

ガスのなかのキレット吊り橋○ガスのなかキレットの吊橋を渡るのは気持が良くありません、これが見た目よりもチャチで大きく揺れるのです、踏み板に乗せた足が雪で滑った時には生きた心地がしませんでした。登り返すと「十一ヶ岳」の標識が、さらに進むと「十ヶ岳」が現れます。『おい、おい、まさか一ヶ岳まであるんじゃないだろな?』不安を胸に歯を食いしばって次のコブに挑みます。ところが隊長の悪い予感は当たったのでした、小ピーク毎に標識があり、一ヶ岳を越えて毛無山に着いた時にはヘロヘロになってしまいました。(精も根も尽き果てたぁ〜)

○念のためランプの用意をして、明るい尾根沿いの道を選んで下山します。幸い道はとても良いので超特急で駆け下ります、なんと40分で国道に出ることができました。本当にギリギリ間に合いました、タクシーを呼ぶ間に辺りは真っ暗です。日曜日なのに河口湖駅前のほうとう屋はお休み、大月駅の駅弁は売り切れ、どういうこっちゃ!隊長はヤケ酒を飲み鈍行で帰りましたとさ。

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