沼津アルプス

大平山・鷲頭山・徳倉山

多比口峠の先から鷲頭山をバックに


【行程】 1/9(日)晴れ [河津七滝8:30=(タクシー13070円)=多比9:23−大平山10:36/10:48−多比口峠10:56−鷲頭山11:37/11:47−小鷲頭山11:55−志下山12:30−千金岩12:47−木の宮分岐13:16−徳倉山13:20−木の宮分岐13:25−香貫台入口13:45/13:55=(東海バス)=二瀬川14:02−沼津港14:15/15:32=(タクシー3140円)=三島15:56/16:10=(こだま418号)=新横浜16:53=あざみ野17:21]
【メンバー】 隊長、カワウソの頭、山の王子様、初心者K、棒振り魔人

○隊長の百名山完登を祝って会社の同期で山に登ることになりました。山の初心者もいるのでまず足馴らしからと、前日は踊り子歩道を歩き河津七滝温泉で宴会です。さて目が覚めると朝から一杯やっているKの姿が視野に入ります。隊長は驚愕です!本日は冬のアルプスに登るんじゃなかったか?それなのに朝湯、朝酒とは・・・絶句。(温泉に来たのに朝風呂に入らない方が変人でしょうか?)

○さて宿からはタクシーで伊豆の山の中を縦断して駿河湾に出ます、海の向こうには雪を被った富士山が朝日を受けて輝いていました。多比から山に向かって歩き始めますが道標が無く、いきなり道を間違えてしまいました。先頭はベテラン『山の王子様』ですが大平山にも登りたいとの思いを告げておいたので、以心伝心?西に多比口峠へ回り込まずに東の支尾根に強引に取り付きます。

○軽い薮をわけて尾根に出ると細いがしっかりとした踏み跡が続いています、後は山頂目指して高い方へと向かえば良いのです。眼を白黒させている臨時隊員達を叱咤激励しながらニヤニヤ顔の隊長が後方から続きます。(近ごろ薮山には縁があります)350Mの登りは結構なアルバイトでした、おまけに1月とは思えない暖かい陽気で汗びっしょりです。

○山頂は直径20Mぐらいの広場になっていますが、周りは樹木に覆われ展望はありません。誰もいない山頂で息を整えていますと、あれぇー、なんかおかしいぞ。目の前に座って背中を見せているのは誰だ?あわてて人数を数えると、な、なんと6人いるじゃありませんか!『座敷わらし』ならぬ『山頂わらし』でしょうか。ふらふらっと立ち上がると顔も見せずに静かに去って行きました。・・・・不思議だなぁ、いつの間に登ってきたんだろう?

○ここから道は素晴らしく良くなりルンルンハイキングの始まりです。多比口峠の少し先で富士山の展望の良い場所に出ました、これから向かう鷲頭山の登りもなかなか厳しそうです。ようやく着いた山頂は人で溢れかえっていました、数えたら50人以上もいます。まるで春の奥多摩のようです。まったく静かな山というのは大間違い、地元では超人気だったんです。

○少し下った小鷲頭山からの景色は一風変わっています、眼下には沼津市街が山裾まで迫り、徳倉山へと続く山脈の上には富士山が覆い被さっています。ここから滑り易い急坂をロープに助けられながら下りますが、次から次へと登ってくる団体さんとのすれ違いに気を使います。下り切ると志下山までは気持ちの良いカヤトの高原が続きます、振り返れば鷲頭山が聳えたっています、こちらから登るのはなかなか大変そうです。

○千金岩で暫し休憩しましょう、ここからの眺めは青い海に浮かぶ深緑の島、白く湾曲した海岸線、そこに迫る山々といった日本の原風景です。まさに価千金です、心地好いそよ風に疲れも吹き飛びます。徳倉山へは隊長と『山の王子様』の健脚2人で往復します。隊長は空身なのにドンドン離されてしまいます、気合を入れて追い付きますが息は上がってしまいました。こんなはずじゃなかったのに、やっぱりキリマンジャロ踏破は伊達じゃありません。

○山頂に着くと心臓は悲鳴を上げています、登山者に挨拶を交わしながら必死で息を整え平静を装う隊長でした。(見栄ってもんがあります)南側には鷲頭山、太平山、大嵐山と続く主稜線が美しい弧を描いています。反対側の富士山は残念ながら霞でぼやけてしまいました。

○「腹減ったぁー」沼津港で美味しいスシを食べようと昼飯がまだの登山隊は山を駆け下り、あっと言う間に登山口に到着です。高級住宅街で犬に吠えられても「歓迎されている」と解釈する『カワウソの頭』の思考回路には、さすがの能天気な隊長も付いて行けません。腹が減るとユーモアの余裕すらなくなってきます、もうバスから降りると港まで突撃です。

○ところが魚河岸『鮨文』の前には行列が「もう2時過ぎなのにどう言うこっちゃ」他の呼び込みしている店という選択肢は全員一致で却下、更に半時間近く待つことになりました。「うまい、安い!」さすがにお勧めだけのことはあります。ビール、刺し身、スシ、酒と山で使ったエネルギーを補って余りある分量が瞬く間に腹の中に消えて行きました。今回は標高400M足らずの縦走でしたが累積標高差は千M近くあり、なかなか手強いアルプスでした。いきなり薮漕ぎでしたが、K君もこれに懲りず山が好きになってくれる事を祈ります。(登山前のビールには懲りた方が良いのですが)

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